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第13回
2020/10/19

「健康な職場づくり」に向け私にもできること

新型コロナウイルス感染症が蔓延するなか、日々大きな不安とストレスを抱え業務にあたっている医療従事者が誹謗・中傷にさらされ、また職場内でもハラスメントの問題が発生していることは、第11、12回で紹介しました。
そもそも、看護職は仕事による強いストレス負荷がかかる職種です。業務上のストレスが発症の要因となる精神障害による労災の請求件数を職種別にみると1)、看護職は上位第5位(2019年度)であり、直近10年間ずっとワースト10に入っています。2019年度の請求件数は94件(支給決定件数は15件)であり、年々増加傾向にあります。
このような状況を少しでも改善するには、「健康な職場づくり」に向けて、労働者自身、すなわち看護職一人ひとりの参画が必要です。2020年6月に施行された「労働施策総合推進法」、いわゆるパワハラ防止法には、労働者の責務として「ハラスメント問題に関する関心と理解を深め、他の労働者に対する言動に注意を払うこと」と明記されています。看護職一人ひとりが、ハラスメント問題への取り組み、「健康な職場づくり」に関心を持つことが、新型コロナウイルス感染症に対応する看護職へのハラスメント問題解決に向けた第1歩といえるでしょう。
一方、ストレスへの対処にあたっては、「看護職一人ひとり」がメンタルヘルスケアに取り組んでいくことも重要です。心の健康づくりは、労働者自身が、ストレスに気づき、これに対処することの必要性を認識することが重要2)、とされており、セルフケアが基本とされます。メンタルヘルス・ケアの4つの柱は、「セルフケア」、「ラインによるケア」、「事業場内産業保健スタッフなどによるケア」、「事業場外資源によるケア」3)、とされていますが、「もっとも重要なことはセルフケア」4)とも言われています。
具体的なセルフケアの流れとしては、ストレスやメンタルヘルスに対する正しい理解をベースに、ストレスチェックなどを活用したストレスへの気付きを通して、ストレスに対処5)、となります。自分の心身のチェックとともに起こりやすいストレス反応とその対処法を知っておくことが大切です。COVID-19対応者のためのストレスチェックリスト6)なども公開されていますのでぜひご活用ください。そして、10月1日更新された特設webサイトでは、和洋女子大学看護学部の寺岡征太郎先生による「動画のタイトルを挿入」を公開しています。動画の中では、簡単にすぐできるセルフケアの方法も紹介されています! そちらもぜひご覧ください!!
さて、次回第14回は、コラム最終回です。ヘルシーワークプレイスを構成する要素である、「地域・社会・患者(利用者)」に触れながら、カスタマーハラスメントについて述べていきたいと思います。