介護施設等で求められる安全管理体制

    介護保険法等により定められている介護の安全の確保のための措置

    介護保険法や老人福祉法により、介護保険施設に求められている安全を確保するための措置は下記の通りです。

    介護保険施設は、厚生労働省令で定めるところにより、利用者の安全を確保するための指針の策定、従業者に対する研修の実施その他の当該施設における安全を確保するための措置を講じなければなりません。

    また、この厚生労働省令において、事業類型毎に定める基準に基づいた規定がされており、介護保険施設はこの基準に基づいて、サービスの提供により事故が発生した場合には、速やかに市町村、利用者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講ずることとされています。

    【参考】

    介護保険施設の安全にかかる主な法令、制度

    施設 介護老人福祉施設
    (特別養護老人ホーム)
    老人保健施設
    (介護老人保健施設)
    介護医療院
    基本的性格 要介護者のための生活施設(平成27年度より新規入所者は原則、要介護度3以上) 要介護者にリハビリ等を提供し在宅復帰を目指す施設 要介護高齢者の長期 療養・生活施設
    設置根拠

    老人福祉法
    介護保険法

    介護保険法

    介護保険法

    施設定義

    老人福祉法 第20条の5

    65歳以上の者であって、身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難なものを入所させ養護することを目的とする施設

    介護保険法 第8条 第27項

    要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設

    第8条 第28項

    要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設

    第8条 第29項

    要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設
    介護保険施設の安全にかかる主な法令、制度
    法令

    老人福祉法 第17条

    (施設の基準)

    介護保険法 第88条

    (指定介護老人福祉施設の基準)

    介護保険法 第97条

    (介護老人保健施設の基準)

    介護保険法 第111条

    (介護医療院の基準)
    省令
    (基準省令)

    特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準 第31条

    指定介護老人福祉施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準 第35条

    介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準 第36条

    介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準 第40条

    また、厚生労働省は「介護保険施設等における事故の報告様式等について(令和3年3月19日老高発0319第1号)において、「市町村によって事故報告の基準が様々であることを踏まえ、将来的な事故報告の標準化による情報蓄積と有効活用等の検討に資する観点から、国において報告様式を作成し周知する。」としています。詳細は以下をご確認ください。

    介護報酬における安全対策

    介護保険施設には、運営基準において事故防止に向けた指針の整備や委員会の開催、研修の実施などが求められています。これに加えて、2021年4月の介護報酬改定では、介護保険施設における事故発生の防止と発生時の適切な対応を推進するために、事故発生防止等の措置を適切に実施するための担当者(安全対策担当者)を選任することが義務化され、その評価として「安全対策体制加算」が新設されました。また、取り組みが未実施の場合には減算されることになり、「安全管理体制未実施減算」が新設されています。

    【参考】

    「安全対策体制加算」の算定要件は、外部の研修を受けた担当者が配置され、施設内に安全対策部門を設置し、組織的に安全対策を実施する体制が整備されていることを定めています。また、「安全管理体制未実施減算」の算定要件は、運営基準における事故の発生または再発を防止するための措置が講じられていない場合となっています。詳細は以下をご参照ください。


    安全管理体制の整備に係る法的枠組みや制度 関連ページ

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