重点政策2.専門職としてのキャリア継続の支援

看護職員の収入増に向けて

日本看護協会からの情報発信

国家公務員医療職俸給表(三)改正を契機に看護職員の処遇改善を進めましょう

2022年11月18日

国家公務員医療職俸給表(三)級別標準職務表見直し内容が、本日(2022年11月18日)公表(改正人事院規則の公布)されました。見直しは、「公的価格評価検討委員会の『中間整理』(令和3年12月)において『すべての職場における看護師のキャリアアップに伴う処遇改善のあり方について検討すべき』とされたことを踏まえ」(人事院資料)て実施されたものです。医療職俸給表(三)は、歴史的な経緯から、国のみならず、自治体立・公的、民間と、広範な医療機関の看護職員の賃金制度・賃金水準に一定の影響を及ぼしています。このたびの医療職俸給表(三)見直しが「看護師のキャリアアップに伴う処遇改善」の具現化であることを踏まえ、これを契機に、より多くの看護現場で、看護の専門性と役割の重要性に見合った賃金体系の導入と処遇改善が進むことを期待しています。

級別標準職務表は、俸給表各等級が適用される職員の範囲を定めるもので、より上位の等級に位置づけられることで賃金処遇の改善が図られます。このたびの改正の柱は、①管理的立場にある看護師(看護師長、副看護師長)②特に高度の知識経験に基づき困難な業務を処理する看護師 の位置づけの明確化と処遇改善です。これらはかねてからの本会の要望に沿うものであり、見直しに向けてご尽力いただいた関係者の皆様に感謝いたします。

国家公務員医療職俸給表(三)の見直しは、現在国が進めている看護職員の処遇改善の一環と位置付けられます。公的価格評価検討委員会の場において、増田座長が「看護師に係る国家公務員俸給表標準職務表改正後には、厚生労働省から医療関係団体に対して、国家公務員における見直し内容を踏まえつつ、看護師のキャリアアップに伴う処遇改善の推進を検討するよう、要請してほしい」旨の発言(8月30日)をされています。今後医療関係団体のご理解のもと、官民を問わず看護職員の処遇改善が着実に推進されることを期待しています。看護職員の皆様、特に看護管理者の方々は、この改正を良い契機と捉え、自施設の看護職員の処遇改善に向けて行動を起こしましょう。

なお、「特に高度の知識経験に基づき困難な業務を処理する看護師」には、管理的な立場や職位によらず、その高度な熟練によって職場内で重要な役割を果たす看護職員が含まれるべきと考えます。その処遇改善の方策については引き続き各職場でご検討いただき、早急に実現が図られることを期待いたします。日本看護協会「看護職のキャリアと連動した賃金モデル」では、管理職、高度な専門性を有する看護師、さらに非管理職の一般看護職員に適用する人事制度・賃金制度の考え方を紹介しています。検討に際してご活用ください。

参考

看護職員の処遇改善に向けたキャンペーンを始めます

2022年11月2日

日本看護協会は、全ての看護職員の処遇改善に向けて、緊急キャンペーンを開始します。

国は看護職員の処遇改善に着手し、地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員を対象に、2月〜9月は補助金により1%(月額4000円)程度の引き上げを行い、10月からは診療報酬改定において収入を3%(月額12,000円)程度引き上げる仕組みがスタートしました。

さらに人事院が、看護職員の賃金制度に大きな影響を与えている国家公務員医療職俸給表(三)の級別標準職務表を改正する検討を進めていることが明らかになっています。こうした動きを好機ととらえ、看護職員一人ひとりが看護職員の賃金のしくみやそれぞれの職場の賃金制度に関心を持ち、看護職員の賃金が仕事の内容や責任の重さに見合ったものとなるよう、一体となって動き出しましょう。

キャンペーン第一弾
令和4年度診療報酬改定「看護職員処遇改善評価料」の確実な算定促進キャンペーン

国が進める看護職員の処遇改善では、対象となる医療機関が限定されており、就業看護職員の約3分の1にとどまっている状況です。本会では、国に対し、全ての看護職員の処遇改善を要望していますが、10月から新設された診療報酬「看護職員処遇改善評価料」を対象病院が確実に算定を行うことが、その第一歩であると考えています。

そこで、キャンペーン第一弾として、対象病院の確実な算定を推進し、看護職員の処遇改善を応援するキャンペーンを実施します。その一環として、看護管理者の皆さま向けのチラシを用意しましたので、ぜひご活用ください。

<看護管理者の皆さまへ>

人事院が俸給表改正に着手したことに関する本会の見解

2022年8月31日

8月30日、公的価格評価検討委員会の場において、人事院が国家公務員医療職俸給表(三)の級別標準職務表を改正する検討を進めていることが明らかにされた。これまで日本看護協会が求めてきた看護職員の職責、能力に応じた処遇改善の実現に資する改正となるようお願いしたい。

国家公務員医療職俸給表(三)が適用される看護職員数は1,800人程度に過ぎないが、看護職員の場合、公的・民間を問わず、同表を参考とする医療機関が多いことから、看護職員の賃金の「公定価格」としての性格を持っている。

日本看護協会は、厳しい医療現場で働く看護職員の賃金は、国家資格を有する専門職としての職責や職務に見合っていないと訴え、特に管理的立場にある看護職員及び高度な専門性を有する看護職員を適切に処遇できる賃金体系の導入を求めてきた。

委員会の増田座長が「人事院において、看護師に係る国家公務員俸給表の標準職務表が改正されたら、厚生労働省から医療関係団体に対して、国家公務員における見直し内容を踏まえつつ、看護師のキャリアアップに伴う処遇改善の推進を検討していただくよう、要請を行っていただきたい」旨の発言をされたとのことであり、これを機に、看護の専門性と役割の重要性に見合った賃金体系が広く普及することを期待する。

診療報酬による看護職員の処遇改善がスタートします

2022年8月25日

2021年10月に発足した岸田内閣のもとで、「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」の一環として、看護職員の処遇改善が進められています。

看護職員の処遇改善は、「地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員」を対象に、第1段階として、「2022年2月〜9月の間、国の補助金を活用した収入の1%程度(月額4000円)引き上げ」が行われ、第2段階として10月以降は、診療報酬により3%程度(月額1万2000円)の収入引き上げをはかる仕組みを創設する」という流れで進められてきました。

2022年10月から、収入を3%程度(月額12,000円相当)引き上げるための処遇改善の仕組みとして、「看護職員処遇改善評価料」が新設されました。

看護職員処遇改善評価料の対象医療機関は、看護職員等処遇改善事業補助金と同様に、次のいずれかに該当することとなっています。

  • イ.救急医療管理加算に係る届出を行っている保険医療機関であって、救急搬送件数が年間で200件以上であること。
  • ロ.「救急医療対策事業実施要綱」(昭和52年7月6日 医発第692号)に定める第3「救命救急センター」、第4「高度救命救急センター」又は第5「小児救命救急センター」を設置している保険医療機関であること。

詳細はこちらをご覧ください。

看護職員等の処遇改善事業補助金

2022年1月25日

「地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員」を対象に、第一段階として、「2022年2月〜9月の間、国の補助金を活用した収入の1%程度(月額4000円)引き上げ」が行われました。

看護職員等処遇改善事業補助金申請状況(厚生労働省発表・6月)によれば、全国の対象医療機関2,720施設のうち、2,411施設(88.6%)が申請を行いました。88.6%が申請し、看護職員61.3万人が、処遇改善対象となりました。

しかし、処遇改善の対象となった看護職員は就業者全体の3分の1にとどまっています。

本会としては、補助金による看護職員の処遇改善をステップとして、10月からの診療報酬による処遇改善、さらには対象となる看護職員の拡大へとつなげていきたいと考えています。

専門職にふさわしい処遇の実現を目指して、全国の看護職員が連携し、私たちの賃金改善に向けて動き出しましょう。

補助金申請に関するQ&Aを掲載しました。

「看護職の処遇改善早わかり」を画像で見る(クリックすると画像が大きくなります)。

1.看護職員の処遇改善について
2.Step1あなたが支給対象かどうか、確認しましょう
3.自分の病院が対象医療機関かどうかを確認するにはどうすれば良いの?
4.step2看護職の賃上げ対応スケジュール令和4(2022)年
5.Step3処遇改善の実際は?

本事業および申請の詳細については、下記をご覧ください。

看護職員等の処遇改善に関するメール相談窓口を設置しました。
申請等に関してご不明な点やお困りのことがありましたら、下記へお問い合わせください。

看護職員の賃金引上げが実現

看護職員の皆さまへ
看護職員の賃金引き上げが実現

岸田総理の下で進められていた看護職員の収入増に向けた議論が当面の山を越え、既に決定されていた2022年2〜9月の措置に続き、10月からの賃金引き上げの内容が明らかになりました。全国の看護職員の皆さまにこのあらましをご報告するとともに、このたびの措置が確実に皆さまの収入増につながるよう、引き続き取り組みを進めていきます。

12月22日に総理に提出された公的価格評価検討委員会の「中間整理」においては、「今般の経済対策を踏まえ、まずは、地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員について、収入を3%程度引き上げていくべきである。」と記載されました。既に令和3年度補正予算において2022年2〜9月の1%程度の引き上げは国からの補助金として措置されていますが、10月以降は3%程度の引き上げを行うべきということです。同時に「中間整理」では、「看護師の処遇改善に関して、今回の処遇改善の取組が確実に賃上げにつながることを担保することを、令和4年度診療報酬改定の中で検討すべき」とされました。

これを受け、同日、政府は、令和4年度の診療報酬本体の改定率をプラス0.43%、うち、「看護の処遇改善のための特例的な対応」としてプラス0.20%とすることを決定しました。その内容は、救急医療管理加算を算定する救急搬送件数200台/年以上の医療機関及び三次救急を担う医療機関に勤務する看護職員を対象に、10月以降収入を3%程度(月額平均12,000円相当)引き上げる処遇改善の仕組みを創設し、確実に賃金に反映されるよう適切な担保措置を講じるというものです。

また、「中間整理」においては、本会が主張してきた「管理的立場にある看護師の賃金が相対的に低いこと、民間の医療機関であっても、国家公務員の医療職の俸給表を参考にしている場合が多いこと」にも触れ、「すべての職場における看護師のキャリアアップに伴う処遇改善のあり方について検討すべきである」と明記されました。

さらに、「看護師のキャリアアップの観点からは、ライフステージに対応した働き方により継続的に就労できることが重要である」とされ、仮眠室の拡張等による働きやすい職場づくり、看護補助者の配置やICTシステムの導入等による業務負担の軽減、院内保育所の整備、短時間正規雇用など多様な勤務形態の導入による就業しやすい環境の整備など、具体例を挙げ、「勤務環境の改善に積極的に取り組むべきである」とされています。

本会は、看護職員の賃金水準、賃金体系を改善し、段階的であっても、すべての看護職員を対象に十分な収入増を実現する恒久的な措置の導入に向けて引き続き取り組んでいくとともに、本会の目的の一つでもある「看護職員が安心して働き続けられる環境づくり」を推進していきます。

看護職員の皆さまご自身も、それぞれの職場で処遇や、勤務環境を見直し、その改善に取り組むことで、看護職員の処遇改善に向けた大きな潮流となることを期待します。

2021年12月23日
公益社団法人日本看護協会会長 福井トシ子

協会ニュース12月号 特集

協会ニュース12月号特集ページ画像
[PDF 379KB]

協会ニュース12月号(2021年12月15日発行)の特集で、看護職員の処遇改善について取り上げました。下記にて、全文ご覧いただけます。

公的価格評価検討委員会に「看護職員の収入増の必要性に関する意見書」を提出

2021年12月1日

日本看護協会は、政府の公的価格評価検討委員会に看護職員の収入増を訴える意見書を11月25日に提出しました。本会は、現在の看護職員の処遇は業務内容に見合っていないと考えています。全ての看護職員の抜本的な処遇改善に向けて、意見書で以下2点の実現を求めました。

看護職員の賃金の構造を改革し、賃金増を実現させるため、看護職員の賃金の実態や賃金体系の見直しの必要性について、意見書全文に詳細に記載しているため、是非ご覧ください。

意見書の全文はこちらからご覧ください。

1.
40代前半での看護職員と一般労働者の賃金格差月額7万円を解消するため、①及び②の措置を実施し、併せて医療職俸給表(三)の級別標準職務内容を改善する。
  • ①各年齢層にわたる基本給引上げによるベースアップの実現
  • ②管理的立場にある看護職員及び高度な専門性を有する看護職員を適切に処遇できる賃金体系の導入
     医療職俸給表(三)において
    • 副看護師長、主任看護師を3級に、看護師長を4級に位置付ける
    • 認定看護師等高度な専門性を有する看護職員を3級以上に位置付ける
2.
看護職員の処遇改善に必要な原資を確保するため、診療報酬、介護報酬等において加算等の措置を実施する。その際には、加算分が確実に看護職員に賃金として支払われる仕組みとし、看護職員のキャリア構築に資する、職責と能力に応じた給与表の適用を含む算定要件を設定する。

「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」看護師等の収入の引き上げ措置に関する日本看護協会の考え

2021年11月19日

看護職の皆さまへ

「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」看護師等の収入の引き上げ措置に関する日本看護協会の考え

新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れ、直接ケアに当たっている看護職の方はもちろん、新型コロナウイルスと対峙しながら、地域のあらゆる場において、昨年から2年近くの長きにわたり、国民のいのちとくらしを守り支えてきた全ての看護職の方に、心からの敬意と感謝を申し上げます。

岸田総理大臣が、賃金の原資が公的に決まるにもかかわらず、仕事内容に比して賃金の水準が長く抑えられてきたことから「看護師等の収入増を図る」という方針を明言し、本日公表された「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」に盛り込まれました。

まずは、地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職を対象に段階的に収入を3%程度引き上げることとし、収入を1%程度(月額4,000円)引き上げるための措置を実施することが決まりました。当面の措置として、まずは年内の成立を目指している補正予算を活用した補助金で対応し、その後は診療報酬で対応していくことになる見込みです。
当初は救命救急センターを持つ病院に勤務する看護師のみ(約300カ所、20万人)が対象とされていましたが、石田まさひろ参議院議員・看護連盟と連携し、すべての看護職を対象とするよう、厚生労働大臣をはじめ各所に要望活動を行った結果、地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護師にまで対象が大幅に広がりました。また、確実に個々の看護職の賃上げに繋がる仕組みとすることも合わせて要望し、介護職員の処遇改善加算のように、賃上げの実績が明確になる仕組みとなる見込みです。
もちろん、これは、コロナ禍で日夜最善を尽くして看護にあたってきた全国の看護職にあまねく行き届くものではなく、その金額も十分とは言えません。
この点についても働きかけを行い、引き続き行われる抜本的な見直しはすべての看護職を対象にすることとなりました。

そもそも、看護職の賃金は職責や職務に見合った水準とは言えません。夜勤など勤務条件が過酷であるにもかかわらず、夜勤手当を含めて20代前半では全産業平均より高い賃金が、30代以降には逆転し、年齢層として就業者が最も多い40代前半では約7万円の開きとなり、この差は年齢を重ねるごとに開いていきます。また、看護職は管理している人数に比し、管理的立場にある看護職が適切に処遇されていないことも、上記の開きを大きくしています。

日本看護協会としては、3%程度の引き上げがすべての看護職において確実におこなわれるよう、今後とも、粘り強く要望を続けます。また、今回の措置は当面の措置であり、公的価格の在り方を抜本的に見直すとされていることから、政府の公的価格評価検討委員会をはじめ、関係各所に、看護職の賃金水準、賃金体系を改善し、段階的であっても、すべての看護職を対象に十分な収入増を実現する恒久的な措置の導入を強く求めていきます。

公益社団法人日本看護協会会長 福井トシ子

「専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査」調査結果について

日本看護協会では、専門性に見合った評価・処遇を実現する方策を検討する際の基礎資料を得る目的から、専門看護師および認定看護師を対象に実態調査を行いました。
このたび、集計結果がまとまりましたので、ご報告いたします。

今回、ご回答いただきました専門看護師および認定看護師の皆さまには心より感謝いたします。

ニュースリリース

リリース日 リリース資料
【リリース日】2021年
12月23日
【リリース日】2021年
12月8日
本会など3団体、厚労大臣・保険局長へ要望書
【リリース日】2021年
12月1日
看護職員の収入増の必要性に関する意見書
【リリース日】2021年
11月19日
コロナ克服・新時代開拓のための経済対策

要望書・意見書

提出日 提出先 要望書名
【提出日】2021年
12月13日
内閣総理大臣
【提出日】2021年
12月6日
厚生労働大臣
【提出日】2021年
12月6日
厚生労働省保険局長
【提出日】2021年
12月2日
内閣府特命担当大臣
(経済財政政策)
【提出日】2021年
11月25日
公的価格評価検討委員会
【提出日】2021年
11月17日
自民党
政務調査会長
組織運動本部長
団体総局長
【提出日】2021年
11月12日
厚生労働大臣
【提出日】2021年
11月12日
厚生労働省医政局長
【提出日】2021年
11月12日
厚生労働省保険局長

参考:「看護職のキャリアと連動した賃金モデル」

要望書・意見書で参考として紹介している本会提案のモデルを掲載しています。
詳細をご覧になりたい方はこちら。

「看護職のキャリアと連動した賃金モデル」の冊子をご希望の方は、下記までご連絡下さい。

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日本看護協会労働政策部 看護労働課
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