看護基礎教育制度改革の推進

看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関するガイドライン及び活用ガイド

目的

2021年度改訂版 看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関するガイドライン及び活用ガイド

高齢化の進展により、看護の対象者の状態像が複雑化するなど、看護を取り巻く状況が大きく変化する中にあっても、安全で質の高い看護を提供しつづけるためには、看護チームにおいて、各職種(看護師、准看護師、看護補助者)がそれぞれの職種に応じた役割と責任を果たすとともに、そのための体制整備が求められます。

日本看護協会では、あらゆる場の看護管理者および看護師に対し、看護チームにおける看護師・准看護師・看護補助者の業務のあり方に関する基本的な考えおよび各施設において必要な体制備について目指す姿を示すことを目的として、2019年2月に「看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関するガイドライン及び活用ガイド」(以下、本ガイドライン)を作成、公表しております。

このたび、2020年10月の厚生労働省「看護師等養成所の運営に関する指導ガイドラインについての一部改正」に合わせて内容を更新し、「2021年度改訂版 看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関するガイドライン及び活用ガイド」を作成しました。

自施設における現状や課題を検討した上で、看護チームのあるべき姿を描き、着実に取り組みを進めるために、ガイドラインをぜひご活用下さい。

2021年度改訂の内容

2021年度改訂版は、2019年初版のガイドラインの構成および内容から大きな変更はありません。

本ガイドラインの作成にあたっては、看護チームにおける業務の現状や課題について情報収集を重ね、看護チームにおけるより良い業務のあり方について検討を行い、その過程で、多くの看護管理者や看護師、准看護師の方々から意見を伺いました。また、本会内の特別委員会で検討を行い作成しております。

本ガイドラインについて、多くの皆様に知っていただき、ご活用いただけるように、チラシを作成しました。ダウンロードの上、印刷・配布が可能です。ぜひご活用ください。

2021年度改訂版 看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関するガイドライン及び活用ガイドチラシ
チラシ [PDF 456KB]
PDFリンク

本ガイドラインのポイント

1. 「看護師と准看護師の協働」と「看護職と看護補助者の協働」とを一体的に示す

看護管理者や看護師の責任にはいずれにも共通した点があります。そのため、看護チームにおける業務のあり方として一体的に示しています。

2. 対象を「あらゆる場の看護管理者・看護師」とし、看護管理者や看護師の責任を強調

看護師は自身の判断で療養上の世話を実施でき、「療養生活支援の専門家」(厚生労働省:新たな看護のあり方に関する検討会報告書、2003年)とされています。看護師には、対象者に安全かつ効果的な看護を提供することに加え、准看護師への療養上の世話の指示を適切に行うこと、看護補助者への看護補助業務の指示を適切に行うことが求められます。そのため、現場の看護管理者と看護師が、各職種の役割や責任、業務のあり方に関する基本的な考えについて理解を深められるようにしました。

3. 各職種の役割や責任、業務のあり方に関する基本的な考えの根拠を法令等で示す

看護職の業務は保健師助産師看護師法をはじめとする法令等により規定されており、全ての看護職がこれらを理解し、遵守することが不可欠です。ガイドラインでは、保健師助産師看護師法で定める看護師と准看護師の「業」の違いに基づき、他の法令・通知等も踏まえ、両者の役割の違いを整理した上で、その役割の違いに応じて業務のあり方を整理しました。また、看護補助者の業務のあり方についても根拠を示しつつ解説しました。

4. 第1部をガイドライン、第2部を活用ガイドとした2部構成

第1部で基本的な考えを示し、第2部の活用ガイドでは、第1部の内容を現場で運用する際の具体的な例を示しています。

作成の背景

1. 看護師と准看護師の協働

2017年度に行った情報収集においては、全国約700名の准看護師の方々に紙面による情報収集にご協力いただきました。そこから、看護師と准看護師は法律で定める業が異なる資格であるにもかかわらず、現場では、准看護師が看護師と同じ役割や業務を求められている実態が浮かび上がってきました。准看護師の方々からは「教育が異なるので、看護師と同じ業務をすることに不安がある」「准看護師のみでの夜勤は、指示を出す看護師がいないため不安」「看護師と准看護師が同じ業務、同じ責任で給与が大きく異なることが不満」「准看護師なのに名札には看護師と書かれていてよいのかと思う」といった意見が寄せられ、安全で効果的な看護を提供する上で課題があることが示されました。

加えて、准看護師を比較的多く雇用している療養病床や精神病床、診療所や介護施設の看護管理者にもヒアリングを行いました。その中には、看護師と准看護師の役割や業務を区分している施設がある一方で、実際にどのように取り組んだら良いのか悩んでいる施設も多くありました。

2. 看護職と看護補助者の協働

医療現場においては、チーム医療の推進や診療報酬での評価の充実を受け、看護補助者の活用が進んでいます。本会では、2013年に厚生労働省看護職員確保対策特別事業として「看護補助者活用推進のための看護管理者研修テキスト」を作成・公表しました。また、2016年度からは都道府県看護協会において「看護補助者の活用推進のための看護管理者研修」を実施するためのDVDを提供しています。

在院日数の短縮や患者像の複雑化により、看護業務はこれまで以上に煩雑になっており、看護補助者への期待は大きくなる一方で、現場の看護管理者からは「どこまでの業務を看護補助者に任せて良いのか判断が難しい」「看護補助者の業務範囲・業務内容をもっと具体的に示して欲しい」といった意見も寄せられていました。