准看護師制度の課題解決に向けた取組み

准看護師教育制度については、1996年に当時の厚生省「准看護婦問題調査検討会報告書」において「21世紀の初頭の早い段階をめどに看護婦養成制度の統合に努める」と提言されていますが、いまだ実現に至っていません。

疾病構造の変化や少子高齢化の進展により、医療・看護をめぐる状況は大きく変化しています。高齢化によって、複数の疾病を抱えるなど看護の対象者は複雑化・多様化し、加えて在院日数の短縮化で、医療依存度の高い在宅療養者が増加しています。こうした社会の変化・患者や利用者のニーズに応えるためには、准看護師養成は、教育内容・時間ともに不足しています。 そのため、本会では、引き続き、准看護師養成の停止を目指し、准看護師養成所から看護師養成所への転換を促進するとともに、現在活動している准看護師の研修や進学支援に取り組みます。
加えて、看護師と准看護師の資格・業の違いおよび看護補助者の業務のあり方に関して目指す姿を示すため2018年度に「看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関するガイドライン及び活用ガイド」を作成しました。本年度は、「看護師等養成所の運営に関する指導ガイドラインについて」の一部改正(2020年)を反映したガイドライン(2021年度改訂版)をいっそう周知し、臨床の場での活用促進に取り組んでいきます。

また、病院における准看護師の業務に関する実態を把握し、准看護師への支援等を検討するための基礎資料の収集を目的として、全国の病院を対象に「准看護師の業務に関する実態調査」を実施します。本調査結果を踏まえて、看護師と准看護師が協働し、看護チームとして安全で質の高い看護を提供できるよう、取り組みを進めていきます。

2023年度の事業

重点課題

准看護師養成の停止

准看護師養成所の新設阻止および准看護師養成停止に向けた取り組みを着実に進めるとともに、看護師と准看護師において法律で定める業に即した業務分担、協働の推進に取り組む。

1. 法令等に基づく看護師・准看護師の役割・業務分担の推進

  • 1)「看護チームにおける看護師と准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関するガイドライン及び活用ガイド」の普及・啓発

    「看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関するガイドライン及び活用ガイド」活用による准看護師と看護師の役割分担・業務区分等の取り組み事例を募集しています。

2. 現在就業している准看護師への支援

3. 准看護師養成所の新設阻止、既存の准看護師養成所から看護師養成所への転換促進

1)准看護師養成停止に向けた新設阻止および課程変更に向けた活動の継続

看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関するガイドライン及び活用ガイド

「2021年度改訂版 看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関するガイドライン及び活用ガイド」について、詳しく掲載しています。
ガイドラインをぜひご活用下さい。

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