国際活動

フローレンス・ナイチンゲール博物館(ロンドン) 日本からの事例展示のご案内

英国・ロンドンにあるフローレンス・ナイチンゲール博物館(Florence Nightingale Museum)では、2025年11月18日(火)~2026年12月31日(木)まで特別展 “Healing Spaces: Healthcare Design Past, Present and Future”((仮)癒しの空間:保健医療環境デザインの過去・現在・未来)を開催中です。本展では、フローレンス・ナイチンゲールの先駆的な病院建築・衛生環境に関する取り組みから、現代のテクノロジーを用いた癒しの空間の創造まで、看護師がケアの場のデザインに与えた影響について、世界各国の事例が紹介されています。
本会は、各国看護師協会(NNA)として、国際看護師協会(ICN)を通じて本企画への事例の応募案内を受け、2011年に医学書院の雑誌「病院」第70巻1号~12号に掲載された連載「看護学生と若手設計者が考える理想の病院」の内容を要約し(下表)、提出する運びとなりました。
本事例を提出するにあたり、ご快諾くださった当時若手だった設計者の皆さまは現在、第一線で保健医療建築などを手掛ける設計者や教育者としてご活躍されています。現地では、各設計者が設計した美しい12点の理想の病院のイメージ画像も併せてパネル展示されています。英国・ロンドンに行かれた際は、ぜひご訪問ください。
なお、このたびの企画展を記念して、転載元である医学書院Webサイト(※)では、期間限定で当時の連載を順次復刻掲載しています。ぜひこの機会にみなさまご覧ください。

※ 医学書院Webサイトはこちら

事例 看護学生と若手設計者が考える理想の病院


博物館で展示されているパネル

医療・福祉施設の設計は、設計者と医療専門家の努力の集大成であると言われている。さらに、ナイチンゲールの著書にある環境に関する概念は、時代や国境を越えて、看護師だけでなく設計者や医師、その他の専門職にも大きな影響を与えている。本事例は、2010年に病院建築研究の第一人者である建築学部の教授が主導し看護管理学の教授と協働したプロジェクトである。看護学部の3・4年生12人が「理想の病院」について議論し、そこから生まれた12のテーマに基づき若手設計者12人がイメージを構築し、12の理想の病院の設計プランを作成した。雑誌「病院」にて2011年から1年にわたり紹介された。看護学生は病院での実習経験を踏まえ、「窓が閉まっている閉塞感」や「院内に家族の居場所がない」「医師や看護師と、 患者のいる病室が隔離されすぎている」との課題を提起。若者の視点から見た快適性も加味された。議論から導かれた12のテーマ(※)に基づき、若手設計者はイメージを膨らませ、「病院における居心地の悪さ」の要因や自然・人とのつながり・文化構築などの「生命力を与える」環境、「利用者と支える側」での快適環境の重要な視点に新たな気づきを与えた。本事例は設計者と看護学生が、それぞれの専門性および若者の視点から創造性を進化させ、融合した結果、今後も社会に通用する医療施設のみならず、地域における健康な社会づくりに向け大いなるヒントを与える価値ある成果を共同で生み出した事例である。ナイチンゲールの看護理論や看護の創造性は人々の健康を守る上で他職種にも影響を及ぼし、未来を紡ぐ力となっている。

  •  理想の病院 12のテーマ
    ①ゆとりがある ②文化を感じる ③子どもがわくわくする ④四季を感じる ⑤赤毛のアン ⑥家族とともに ⑦医療者と患者の壁がない ⑧地域と交流のある ⑨アットホームな ⑩リゾート風な ⑪自然を感じる ⑫時を感じる

日本の看護とは:NURSING IN JAPAN(冊子と動画)について

「Nursing in Japan」では、日本の社会保障および医療・介護提供体制、日本における看護職の資格や看護基礎教育、就業者数の推移、そして、離職や潜在化という課題への取り組みなど、日本の看護について紹介しています。日本看護協会が日本の看護を国外に紹介することを目的に発行しているもので、2023年に改訂を行いました。本冊子の内容および本会の取り組みについて動画(英語)も公表していますので、海外からの研修生来訪時や国際交流など、さまざまな場面でご活用ください。

≪目次≫
Ⅰ.日本における社会保障の概観
Ⅱ.医療・介護提供体制
Ⅲ.看護制度
Ⅳ.看護教育
Ⅴ.資質の向上
Ⅵ.看護職を取り巻く状況
Ⅶ.日本で就業する外国人看護師
Ⅷ.災害やパンデミックへの対応

シンポジウム「UHC推進における看護の重要性」無料オンデマンド配信のお知らせ

保健医療・看護制度の課題解決に向け、国内における政策推進力の強化を目指し、国際看護師協会(ICN)事務局長(CEO)らを迎え、シンポジウムを開催しました。多数のご参加ありがとうございました。

  • 開催日時:

    2023年9月21日(木曜日)14時10分~15時55分 ※終了しました。

  • テーマ:

    ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)推進における看護の重要性

  • 登壇者:

    【パネリスト】
     ハワード・カットン氏(ICN CEO)
     葛西 健氏(国際医療福祉大学グループ エグゼクティブ スーパーバイザー、特任教授)
     高橋 弘枝氏(日本看護協会 会長)

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    【モデレーター】
     手島 恵氏(千葉大学大学院看護学研究院 教授、ICN 理事)


  • ※2023年10月から2024年3月末まで本ページで掲載していた動画の公開を終了しました。
  •  2024年4月以降は、キャリナース(会員専用ホームページ)でご視聴いただけます。
  • キャリナースはこちら

G7首脳と保健大臣に向けた国際看護師協会(ICN)との共同声明について

G7首脳と保健大臣に向けた共同声明の表紙画像

日本看護協会は、さまざまな国際活動を展開し、世界の看護職と連携し、看護・助産への国際的な貢献に取り組んでいます。また、海外の看護・助産の最新情報を日本に紹介し、日本の看護・助産や本会の活動を世界に発信しています。

アジア看護師協会同盟(AANA)会議

アジア看護師協会同盟(AANA)会議は、東アジア看護フォーラム(※)を前身として、2003年(平成15年)に設立されました。AANAの目的は、アジアの国・地域の看護師協会間で、緊密なネットワークを維持し、専門職開発および健康に関する知識を共有することです。現在12カ国・地域(日本、中国、香港、インドネシア、韓国、マカオ、マレーシア、モンゴル、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ)の看護師協会が加盟しています。毎年、ICNアジアワークフォースフォーラムに合わせて開催されます。この会議の様子については、毎年「協会ニュース」などで報告しています。

  •  東アジア看護フォーラムは、東アジアの看護師協会が地域内の共通した看護問題について議論し、連携、協力して問題解決や看護の発展を図ることを目的に、1997年韓国看護師協会の発案のもと設立されました。加盟協会は、日本、韓国、マカオ、台湾、香港、フィリピン、モンゴル、中国の8カ国でした。1999年、2001年にもこのフォーラムは開催されています。03年に、このフォーラムを東アジアに限定せずアジア地域に拡大することを決定し、名称を「アジア看護フォーラム」と変更しました。マレーシア、インドネシア、シンガポール、タイが新たに加入しました。
    03年「アジア看護フォーラム」に名称変更すると同時に、今後のアジア地域の看護師協会の連携と協働を強化することを目的にした組織体として「アジア看護師協会同盟(AANA)」が設立されました。第1回を04年にタイで開催しました。

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