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2021年

6月号

日本看護協会国際部

ナイチンゲール・チャレンジ(Nightingale Challenge)

今月は、Nursing Nowキャンペーン*1の一環として2019年6月より世界的に行われている「ナイチンゲール・チャレンジ」について本会の取り組みを紹介する。

「ナイチンゲール・チャレンジ:看護のリーダーシップと政策への挑戦」

「ナイチンゲール・チャレンジ」は、次世代の若手看護職に対し、将来、保健医療分野でのリーダーシップを担えるよう教育することを雇用主に対して推奨する企画である。本会は2020年12月に参加を表明し「ナイチンゲール・チャレンジ:看護のリーダーシップと政策への挑戦」と題して、政策に精通した看護領域の有識者5人、看護領域外の有識者4人のスピーカーに、若手看護職へのメッセージを語っていただく10分程度の動画を作成した。

WHO西太平洋地域事務局長や国際保健の最前線で活躍した大学教員、国会議員等のスピーカーが「政策に関心を持ったきっかけ」「看護職が政策にかかわる意義」「政策にかかわるときに必要なこと」などについて、自身の体験に基づき、具体的かつわかりやすく語りかける内容となっている。

若手看護職へのリーダーシップ育成の必要性

そもそも「ナイチンゲール・チャレンジ」は、保健医療機関などが、自施設の35歳以下の看護職、20人以上のグループに対して、自己啓発を目的にリーダーシップやマネジメントおよび組織全体について学ぶための機会の提供を行うもので、これまで世界79カ国で、804の雇用主が、3万1000人以上の看護職に育成の機会を提供することを表明している(2021年3月現在)。

こうした若手の看護職へのリーダーシップ育成の必要性は、2020年に公表されたWHOの「世界の看護2020(State of the World’s Nursing2020)」報告書においても強調されている。「看護職のリーダーシップは、国、地域、世界のすべてのレベルで育成されるべき」であり、さらに「政策決定において看護職はすべてのレベルの議論に参加し、主要な保健システム上の意思決定と公衆衛生上の問題に影響をもたらすため発言権を持つべきである」とされている。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)への貢献には、看護職のリーダーシップが欠かせないからである。

そのためには、若手看護職が早期から実践を政策に結びつける意識を持ち、リーダーシップをとっていくためのスキルを磨く機会を与えることが重要である。本会が作成した「ナイチンゲール・チャレンジ:看護のリーダーシップと政策への挑戦」の動画は、そのきっかけの1つになる。ぜひご活用いただきたい。

「Nursing Nowチャレンジ」として継続

2020年まで予定されていたNursing Nowキャンペーンは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大で世界的な看護職の貢献に関心が高まっていることを背景に、2021年5月末まで延長された。「ナイチンゲール・チャレンジ」については、6月以降も「Nursing Nowチャレンジ」と名称を変え、体制も新たに2022年12月末まで継続する予定である。

特設サイト外部リンクでは、自施設から直接参加を表明することができる。また、世界中のさまざまな取り組みを閲覧することもできるので、参考にしていただきたい。

  • 1.ナイチンゲール生誕200年となる2020年を目途に、2018年より開始された世界的なキャンペーン。詳細は本誌2020年2月号p.70本欄参照。