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2024年

3月号

大韓看護協会創立100周年記念式典および、国際セミナーへの参加報告

日本看護協会国際部 

世界の看護リーダーとの交流

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KNA創立100周年記念式典に参加
した海外ゲストおよびKNA関係者

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講演する高橋会長

日本看護協会の高橋弘枝会長は大韓看護協会(KNA)からの招待を受け、2023年11月23~24日、韓国・ソウルで行われた大韓看護協会創立100周年記念式典および国際セミナーに参加した※。
23日は、記念式典が奨忠アリーナで開催され、高橋会長のほか、WHO(世界保健機関)のアメリア・トゥイプロトゥ主任看護官、ICN(国際看護師協会)のハワード・カットン事務局長、EFN(欧州看護師協会連合)のアリスティデス・チョラッタ会長、ネパール看護師協会のマナ・クマリ・ライ会長が参加し祝辞を述べた。記念式典には政治家、看護師、看護学生などを含む約6000 人が参加した。
翌24日は、看護の規制に関する国際セミナーが国会議員会館小会議室で開催され、医療制度の先進国として高橋会長とEFNのチョラッタ会長が講演した。会場には政治家や政策関係者、看護教育関係者、KNAの関係者ならびにWHOのトゥイプロトゥ主任看護官ら約130名が参加した。本セミナーの企画の背景として、韓国には日本の保健師助産師看護師法のような看護の独立した法律がなく、KNAでは、看護・看護職の発展のために看護法の制定をめざして取り組んでいるということがある。

 

国際セミナーでの講演の内容

高橋会長は「日本における看護に関わる法制度」をテーマに講演。日本の保健師助産師看護師法の成り立ちや目的・定義などをはじめ、法律制定後の成果について説明した。併せて、法律に基づいて行われている、看護職の専門性向上に関する研修として、特定行為研修などについても紹介した。
看護職の身分法が看護の提供体制や実践の基盤において、資格・業務・教育・資質の向上など、あらゆる面を規定していることを述べるとともに、看護職がその職責を適切に果たし役割を発揮する基盤であり、看護職を保護する拠りどころともなる重要なものであることを説明した。
さらに、法は制定がゴールではなく、時勢に合わせて見直されるものべきであり、職能団体として、今後も看護職がその職責を適切に果たせるよう改正も含め働きかけていくことを強調した。
EFNのチョラッタ会長は、EU域内で看護職の移動が多い中、ケアを必要とする人々への質の高い安全なケアの提供をめざし、EFNによる看護師の教育要件や継続教育・相互認証など、EU規則・規制への働きかけの実際と成果について講演した。
講演後の質疑応答では、本会会長の講演に対し、特定行為研修制度も含め、法制度化や改正に向け、他の職種やステークホルダーとどのようなプロセスで交渉したか、質の高い人材をどのように確保していくか、教育はどうあるべきかなど、参加者から積極的な質問が多く寄せられた。

※ 機関誌「看護」2024年2月号「会長の手帳」参照

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