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2019年

6月号

日本看護協会国際部

国際看護師協会(ICN)所信声明の紹介

今月は国際看護師協会(ICN)が2018年から2019年にかけて、新たに作成、または改訂した所信声明3本を紹介する。

ICN 所信声明*1は、看護に関する個別の課題についてICNの立場を表明するとともに、各国看護師協会や個々の看護職に対してこれに基づく行動を求める文書である。ICNが本声明の幅広い活用を期待していることを受け、本会は日本語版を本会公式ホームページに掲載している。今回ご紹介する所信声明は、日本の課題とも共通するものであり、ぜひご参照いただきたい。

エビデンスに基づく安全な看護職員配置*2Evidence-based Safe Nurse Staffing(2018年新規)

近年、安全な看護職員配置が重要であることを示すさまざまなエビデンスが示されている。ICNはこれらのエビデンスを基に、安全な看護職員配置は、すべてのケア提供の場において、患者安全とケアの質にとって極めて重要な課題であると考える。また、看護職員配置が不適切な場合は、職員の健康とウェルビーイングに悪影響が及ぶ。ICNは、患者、看護職、そして医療財政にとって有意義なアウトカムを生むエビデンスに基づく安全な看護職員配置の推進に向け、取り組みを求めている。

看護師、気候変動と健康Nurses, climate change and health(2018年改訂)

気候変動と健康の間には複雑な影響がある。異常高温、洪水、暴風、干ばつ等の異常気象による事象等がもたらす健康への直接的な影響および水質・大気汚染、生態系の変化等による間接的な影響がある。近年、気候変動による災害の規模、頻度も深刻化しつつあり、これらへの対応も重要となっている。WHOは、気候変動により2030年〜2050年に年間死亡数が約25万人増加すると推計しており、その要因として高齢者の熱ばく露、下痢、マラリア、子どもの栄養不良を挙げている*3

ICNは、看護職に対し、気候変動の緩和に貢献するとともに、人々が気候変動による影響に適応できるよう支援することを要請している。

看護師と災害リスク削減、対応及び復旧*4Nurses and disaster risk reduction,response and recovery(2019年改訂)

世界各国で生じた大規模災害のニュースを目にする機会が増え、災害は世界的な重要課題となっている。看護職は、人々の近くで活動することから、人々のニーズやコミュニティの資源の状況を理解しており、災害発生時の対応、復旧や、災害への備えにおいて、重要な役割を果たすことができる。しかしながら、世界各国では、看護職が災害リスクの削減、発生時の対応及び復旧に十分に活用されていない現状がある。

ICNは、国際的指針である「仙台防災枠組2015-2030」を支持するとともに、看護職が災害のリスク削減・対応・復旧政策に関与することの重要性を広く訴えている。

  • 「看護師、気候変動と健康」の日本語版は近日中に本会ウェブサイトに掲載予定

●参考文献