看護職の役割拡大の推進と人材育成

ナース・プラクティショナー(仮称)制度の構築

本会では2015年度より、地域の医療ニーズや、今後さらに少子高齢多死社会が進む状況において、看護師に期待される役割などについて情報収集を行ってきました。その結果、現行の「医師の指示のもとでの診療の補助」の枠を越えない特定行為研修制度では対応できない現場のニーズがあり、特に医療資源が限られた地域で、住民・利用者の療養生活を支えるために、看護師が現行法では認められていない新たな裁量権を持ち、さらに役割を担っていくことへのニーズが高いことが把握されました。一方、諸外国においては、新たにNurse Practitioner制度が創設されたり、Nurse Practitionerの裁量がさらに拡大されるなど、看護師が自身の判断と責任で医療を提供する仕組みを導入・発展させている状況にあります。

日本看護協会では、「看護の将来ビジョン」(2015年6月)において、「暮らしの場での療養においては、医療的な判断や実施が適時的確になされることが、人々の安全・安心に直結する。将来的には、地域において人々が安全に安心して療養できることを目指し、常に人々の傍らで活動する看護職の、医療的な判断や実施における裁量の拡大を進める。」と掲げています。今後、病気を抱えながら生活する人々が急増する中でも、住み慣れた地域で暮らし続けることを支援するため、日本看護協会では、看護の基盤をもちながら、医師の指示を受けずに一定レベルの診断や治療などを行う、米国等のような「ナース・プラクティショナー」の資格を、日本においても新たに創設し、急増する医療ニーズに応えていくことが必要だと考えています。

  • 米国等では、医師の指示を受けずに一定レベルの診断や治療などを行うことができる「Nurse Practitioner(ナース・プラクティショナー)」という看護の資格があり、医療現場で活躍しています。しかし、現在の日本の法律においては、看護職は、医師の指示を受けなければ医行為を行うことはできず、また、診断や処方を行うことはできません。したがって、米国等の「ナース・プラクティショナー」に相当する資格は現在の日本にはありません。

お知らせ

2019年7月4日
厚生労働大臣宛に要望書を提出しました。
2019年4月26日
厚生労働省医政局長宛に要望書を提出しました。

2019年度の事業

制度創設に向けたエビデンス構築に向けた取り組みを引き続き行うとともに、関係者の合意形成・看護職への理解の普及を強化していきます。

1. エビデンス構築に向けた取り組み
2. 関係者との合意形成に向けた取り組み

2018年度の事業

タスクシフティングの議論を受け、厚生労働省における検討会においてナース・プラクティショナー(仮称)制度創設の方向性が結論付けられるよう、議論に資するエビデンスの構築を引き続き行うとともに、関係者の合意形成などに取り組みました。

1. ナース・プラクティショナー(仮称)制度構築に向けた取組み
  • ナース・プラクティショナー(仮称)制度構築についての関係者との合意形成に向けた取り組み
  • タスクシフティングに関する情報収集と検討会等への対応
2. NP教育課程修了生の活動の実績や効果に関するエビデンス構築に向けた取組み
  • エビデンスを構築するための方法論の検討および共同研究の実施
  • 修了生や看護管理者等へのヒアリング
3. 諸外国の動向に関する情報収集