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当院におけるDiNQL活動 ~導入から5年目を迎えての現状と課題~ (独立行政法人国立病院機構 鹿児島医療センター)
病院概要
【所在地】鹿児島県鹿児島市
【病床数】410床
【DiNQL参加開始年】2019年度
【参加病棟数】9病棟
参加した動機・きっかけ
看護師は患者に日々看護実践を行っていますが、その看護実践の評価は簡単ではありません。看護実践のデータを可視化し他院との比較を行い、現状を把握することで更なる看護の質向上を図りたいと考え、DiNQL事業に参加することとしました。
運用・活用について
まず2019年度は準備およびデータの入力のステップに取り組むべく、看護部主導でDiNQL会議を立ち上げました。メンバーには担当の副看護部長・看護師長・副看護師長に加え、各病棟よりラダーレベルⅤに該当する看護師を選出しました。
具体的には、下表のように、年々目標と方法を前に進めながら立案し、実施していきました。
図1:DiNQL会議における目標
以下、DiNQL会議での目標「データ活用方法」の3年目以降の具体的な取り組みを紹介します。
①データ活用についての勉強会を実施
図2:データ活用についての勉強会資料
日本看護協会のDiNQL学習コンテンツを活用して、DiNQLのデータ活用についての勉強会をDiNQL会議で委員向けに実施しました。
この内容を委員が自部署の全スタッフに説明会を実施することで、DiNQL委員としての役割、データ活用を行うための情報収集や考え方を身につけることを目指しました。
②DiNQL委員としての役割:他委員会との連携・リーダーシップ
他委員会との連携やリーダーシップが重要となってくることから、DiNQLで発揮するリーダーシップについての講義を実施し、DiNQL委員としての立ち位置を意識して活動するようにしました。
具体的には、「他委員会メンバーと連携して、取り組み課題を絞り込む」「毎月のデータについて、現状と課題を明確にして、DiNQL他メンバー・他委員会メンバーと共有し、評価を行う」こと、また「スタッフ全員に課題や現状、病棟目標と照らし合わせ、目指す姿、目標を共有する」ことを目指して活動するようにしました。
③分析力向上のための事例検討会
DiNQLデータやそれ以外のデータをあらゆる方向から分析し、その結果を基に自部署の計画に沿って取り組めているのか評価を行い、計画修正まで行っている部署の事例検討会を開催しました。
他のDiNQL委員が検討会での学びを自部署に生かすことができ、また後期の自部署の計画修正につなげられることを期待しました。
図3:事例検討会における発表資料(一部)
取り組みの効果
目標「データ活用方法」に取り組んで得られた成果:
DiNQLデータの分析力向上
多くの部署で、ベンチマークの他病院比較や院内比較、かんたんダッシュボードからのデータ、また他のデータなどを活用・分析し、PDCAサイクルを回すことで自部署の改善に努めることができ、2022年度は8部署中5部署が目標を達成しました。
分析力向上に寄与したのは、事例検討会で他部署の発表をみることで、データの使い方についてヒントを得られたことが大きかったと考えています。
他委員会との連携強化
それぞれのカテゴリで入力が必要な項目を他委員会メンバーと共有し、毎月データについて情報共有し、対策などについてディスカッションを行うことで目標達成につなげることができました。
正確なDiNQLデータ入力への意識高まる
データ分析や他委員会との連携が図れてきたことで、DiNQLデータについて正確なデータ収集ができているか、それの基となる電子カルテ側の情報が正確に記録されているかに目が向けられるようになりました。そのことでより正確なデータを収集することにつながりました。
(2024年3月19日掲載)