日本看護協会とは

会長の手帳(日本看護協会 会長 福井トシ子)

月刊『看護』2020年10月号より

新たな認定看護師教育課程(B課程)開講

2020年4月、特定行為研修を組み込んだ認定看護師教育課程(B課程)を開講しました。入学されたのは、5学科、120名の皆さんです。

日本で初めて認定看護師教育が始まったのは、1996年日本看護協会看護教育研究センター(現 看護研修学校)からで、2020年8月13日時点で認定看護師総数は、20,721名です。認定看護師の看護実践力の高さは臨床現場のみならず、社会的にも認められています。感染管理、糖尿病患者ケア、褥瘡ケア、認知症ケア等々の、看護技術が診療報酬等で、評価されていることはご存知のことと思います。今般のコロナ禍にあって感染管理認定看護師に注目が集まっているように、これまでの認定看護師たちが多くの実績を積みそれが成果として評価されているものです。

2025年を見すえ、少子・超高齢・多死社会に看護職が立ち向かって変革すべく、本会は看護が達成すべき活動を示した「看護の将来ビジョン」を2015年に公表し、将来ビジョン達成に向けても看護師の役割拡大が重要であることを示しています。国は、2015年10月、保健師助産師看護師法を改正し、「特定行為に係る看護師の研修制度」を施行しました。この制度によって特定行為が明確化され、手順書に基づいて特定行為を実施する看護師への研修を義務化しました。この研修を修了した看護師等の活躍をもって、効率的かつ質の高い医療提供体制の構築と地域包括ケアの構築をめざすものです。

本会は、看護の連続したかかわりの中で特定行為を実施することにより、看護の専門性をさらに発揮できると考え、「特定行為研修を活用する」こととし、この制度を推進してきました。本会は2015年に指定研修機関として認められ、2020年3月までに特定行為研修を修了した認定看護師は、619名に上ります。

他方、制度発足から20年を経過した認定看護師教育の将来的な検討が開始されていました。2017年には本会内に認定看護師教育再構築準備室が設置され、有識者会議も含めた検討は3年にも及びました。その検討の際にも、特定行為研修を修了した認定看護師の実践内容や成果が活用されています。多角的な検討の結果、認定看護師教育に特定行為研修を組み込み「新たな認定看護師教育」を行うことを決定しました。

新たな認定看護師教育課程(B課程)に入学された皆さんは、新型コロナウイルス感染症の影響のため4月に入学式に臨むことができませんでした。8月31日に集合教育を開始するにあたって研修学校へ集合した1期生120名の皆さんに「心身の健康をマネジメントし、よく学び、今の自分を越える高い臨床実践能力を身につけてください」とエールを送りました。