日本看護協会とは

会長の手帳(日本看護協会 会長 福井トシ子)

月刊『看護』2023年2月号より

ロジックモデル(施策の論理的な構造)の活用

2022年12月12日に「第8次医療計画策定に向けたデータ活用に関する研修会」(以下:研修会)を都道府県看護協会、都道府県行政の皆さまにご参加いただき、開催しました。第8 次医療計画は2024年度から始まります。医療計画の記載事項には「新興感染症発生・まん延時における医療」が追加され、従来の5疾病5事業は、5疾病6事業となる予定です。

くしくも新型コロナウイルス感染症のまん延は、看護職員確保の必要性が世の中に広く、そしてより強く認識される機会ともなりました。2022年11月11日に開催された、第18回「第8次医療計画等に関する検討会」では、看護職員の確保に関する議論で、今後は地域の課題に応じた看護職員確保対策の推進に向けて、都道府県ナースセンター等の関係者との連携の下で取り組みを進めることが示されました。さらに今後、地域における看護職員の需要の高まりが大きいと推計される訪問看護についても、看護職員を確保するための方策を二次医療圏単位で定める方向性が示されています。

このように、地域の実情に応じた看護職員の確保と役割発揮は、喫緊の課題であり、課題解決に向けて都道府県医療計画の中で、PDCAサイクルを回すことが重要になります。PDCAサイクルを回すためには、データに基づく課題の整理とめざす姿を明確にすることが必須です。また、具体的な対策を講じ、評価を行うことも重要です。第8次医療計画ではロジックモデル(施策の論理的な構造)の活用が求められます。ロジックモデルは、事業や組織が最終的にめざす変化・効果(アウトカム)の実現に向けた設計図で、この設計図を描くにはデータが不可欠です。しかしながら、全国規模で活用できる看護に関するデータが限られていることもあり、必ずしもデータに基づいて課題解決を行うことに習熟している状況ではありません。

これらの状況を踏まえ、研修会では、厚生労働省地域医療計画課地域医療構想推進室長補佐をお招きし、第8 次医療計画の概要ならびに、国での最新の検討状況等について情報提供していただきました。看護に関する事項が医療計画に記載されることの重要性、そのためにはデータに基づく検討や提案が欠かせないことについてもお話しいただきました。さらに、鳥取県看護協会、熊本県ナースセンターには、看護職員の確保についてデータを活用した具体的な取り組みや都道府県行政との協働についてご報告いただきました。

日本看護協会からは、活用可能な看護に関するデータについて情報提供を行います。地域の実情や課題をデータに基づいてしっかりと把握し、実効性のある課題解決策を推進していくためには、都道府県看護協会、都道府県ナースセンター、都道府県行政の皆さまが、同じ思いの下、密に連携をはかることが重要です。研修会は、第8次医療計画策定に向けた取り組み推進の一助になったことと思います。