会長の手帳(日本看護協会 会長 高橋 弘枝)
機関誌「看護」2025年5月号より
特定認定看護師が活躍できる環境整備に尽力します
令和8年度予算・政策・税制等に関する要望書の提出を、2月26日の厚生労働省老健局長を皮切りに、医薬局長、医政局長、保険局長、雇用環境・均等局長、労働基準局長、子ども家庭庁成育局長、文部科学省初等・中等教育局長、高等教育局長に対して行いました。要望項目は28項目にもなりました。この誌面では紹介しきれません。日本看護協会のホームページのニュースリリースをご覧ください(※)。ぜひとも、どのような論点で、どのような資料(データ)を示し要望しているのかを、皆さんに読んでいただきたいと思います。私たちは現場の皆さん、看護職のため、国民の健康と幸福のために活動しています。
3月17日は、神戸研修センターで行われた認定看護師教育課程2課程47名の修了式に、3月24日は、看護研修学校認定教育課程5学科150名の卒業式に出席しました。修了生・卒業生はやり遂げた充実感と明日からの臨床現場での活動への意欲で、皆さん輝いていました。きっと、全国の認定教育課程の修了生・卒業生の皆さんも同様でしょう。
高齢者人口がピークを迎える2040年に向けて、認定看護師への期待は、ますます高まっています。2023年に、約30年ぶりに初めて改定された「看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針」において、新たに「新興感染症や災害等への対応に係る看護師等の確保」についての記載が追加され、新興感染症等の発生時に、病院等で的確に対応できる看護師を円滑に確保するために、平時から認定看護師など専門性の高い看護師の養成・確保を推進することが重要であると明示されました。また、今年度から実施されている第8次医療計画において専門性の高い看護師の就業者数の目標が設定され各都道府県は、地域の状況に応じて認定看護師など専門性の高い看護師の養成・確保に取り組んでいます。
日本看護協会は2019年2月に認定看護師制度を改正し、2020年度より、特定行為研修を組み込んだ認定看護師教育(B課程)を始めました。このたびの修了生・卒業生は5期目になります。B課程教育を修了し、認定試験に合格した認定看護師は「特定認定看護師」と名乗ることができます。皆さんには、これからの日本の医療を支える自律した「特定認定看護師」として、多職種と協働し、病院のみならず地域のさまざまなニーズに応え、看護の質向上のためにご尽力・ご活躍いただきますことを心より期待しています。日本看護協会は、引き続き、人々が必要な医療を適切なタイミングで受けられるよう、また、看護職が安心して働くことができるよう、そして、特定認定看護師の皆さまが活躍できる環境を整備するよう、今後も尽力してまいります。
※ 要望書・意見書
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