会長の手帳(日本看護協会 会長 高橋 弘枝)

機関誌「看護」2025年6月号より

現場で頑張る看護職の役割と働きに見合う処遇改善を

4月1日、2025年度新入職員入職式を行いました。入職者は出向者2名を含む計10名。私は本会が発展するための職員の役割について次のように話しました。「本会は会員に支えられている団体であり、何より会員の声を大切に会員ファーストであること、社会を変える主体として組織が永続できるよう、組織の存在理由を絶えず確認することが必要。本会が法人組織として多くの仕組みの中で活動していくために、組織の永続を支えるのが役職員である。役員は任期制の中で交代していく。職員は、組織の基盤を強固にし、役員とともに組織の発展に尽力してほしい」。

4月15日、「ナーシングデータサイエンス講座開設記念シンポジウム」が開催されました(※)。本講座は日本看護協会と東京大学との連携により、2025年1月1日に同大学大学院医学系研究科に設置され、看護の政策推進に必要なエビデンスの創出や人材育成の体制づくりをめざしています(本シンポジウムは、後日オンデマンド配信される予定です)。

4月16日、「令和7年度自由民主党看護問題対策議員連盟総会」が衆議院第一議員会館で行われました。議員213名(代理含む)、関係団体は本会や日本看護連盟を含む14団体92名、関係省庁から19名が参加。私からは、「現場で頑張る看護職の役割と働きに見合う処遇改善実現のためにご尽力いただきたい」とお願いし、本会をはじめとする看護系団体からの要望については、近藤美知子日本看護連盟幹事長が代表して伝えました。参加議員からは、カスタマーハラスメントを課題として取り組む、看護職がチームとして働く中で専門性をより発揮しやすいようにすべきだ、処遇改善が進むよう、医療機関が経済的に苦しい状況にならないようにしたい、などの意見をいただきました。

4月18日、「医療・介護・福祉の現場を守る緊急集会」が自由民主党本部で行われました。議員を含め700名以上が参加する中、医療・介護・福祉団体の代表9名が決意を表明。私も「医療・介護・福祉の現場では多くの看護職が働いており、厳しい状況下でも、夜勤など昼夜を問わず懸命に国民の命と向き合っている。国民の命を守るために、まずは人材確保、そのためには十分な賃金引き上げが絶対に必要である。職責に見合った処遇の下、現場で働く一人ひとりがやりがいを持ち、安全に、健康に、働き続けられるよう、ともに声を上げよう」と訴えました。緊急集会では石田昌宏参議院議員が国民の命と現場を守るための提言の決議をとり、その提言を携えて、参議院議員有志と医療・介護・福祉団体の代表が首相官邸を訪問。石破茂内閣総理大臣に、現場の危機的状況、賃上げがかなわない実情などを訴えると、総理から「提言を踏まえて政府としても可能な限りの対応をしたい」との言葉をいただきました。

※ 機関誌「看護」2025年6月号 グラフ(p.3~5)参照

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