日本看護協会とは

会長の手帳(日本看護協会 会長 福井トシ子)

月刊『看護』2019年2月号より

「看護師基礎教育を考える会」を開催

平成30年度重点事業に看護師基礎教育の4年制化の推進を掲げ、埼玉県・長野県・京都府で「看護師基礎教育を考える会」を開催しました。

地域を中心とした療養の場の多様化に伴い、私たち看護師には、複数の慢性疾患を抱えながら地域で暮らす人々や家族を、医療と生活の両面から支えるという役割が期待されています。私たちが提供する「看護の質」が、以前にも増して、人々の「暮らしの質」を大きく左右することになるでしょう。これまで以上にそれぞれの看護師の力量が問われ、高い能力・技術がすべての看護師に求められる時代となります。こうした社会からの要請は、その基盤となる看護の基礎教育への期待でもあると言えます。

「地域を中心とした療養の場の多様化」と「患者像の複雑化」というかつてない大きな変化の時代に、生涯にわたり看護師として力を発揮していくためには実践力の向上が必要であり、基礎教育において「臨床推論力の強化」「在宅領域に関する教育の充実」、さらに、対象者を全人的に捉え、判断し、対応する力を養うための「実習の強化」が必要です。

そのため、本会は「看護師基礎教育の4年制化」をめざして活動を行っています。「看護師基礎教育を考える会」もこの活動の一環です。

看護師養成所で、修業年限4年(看護師教育のみ)で教育を行っているのは2017年4月時点で13校。修業年限4年(看護師教育のみ)の単位数は124〜129単位、時間数は3,405〜3,765時間(2016年10月時点)で、平成21年に改定された97単位3,000時間を大幅に上まわる単位/時間数で教育しています。社会のニーズに応えるために看護師基礎教育4年制化は必須です。

看護師基礎教育は、これまでも社会のニーズに応えて、教育内容の見直し・追加、カリキュラムの改正を重ねてきました。平成30年4月から、厚生労働省により「看護基礎教育検討会」が設置され、将来を担う看護師が強化すべき能力、それを踏まえた教育内容などの検討が行われているところです。次年度のとりまとめを期待したいと思います。

考える会には看護師養成所の先生方が多数ご出席くださいました。変化する社会からのニーズへ対応しながら、学生1人ひとりの個性を踏まえた指導法の工夫、そして効果的な演習や実習の充実などについて意見交換を行いました。4年制課程を修了した1 年目の看護師の発言は、4年制化の必要性を実習との関連で端的に表現していました。臨床で看護学生を迎える看護管理者は、教育と実践の統合の時間の必要性を述べました。そして3年制で教育をしている養成所の教員からも4年制化の必要性が力強く述べられ大変有意義な会となりました。この考える会をさらに広げていきたいと考えています。