日本看護協会とは

会長の手帳(日本看護協会 会長 福井トシ子)

月刊『看護』2018年10月号より

看護職の就業を継続して形成するキャリア

地域包括ケアの推進や地域医療構想の実現に向けて、看護職員の数の確保とともに、看護職が活躍する場の多様化に対応することが求められています。そこで、出産・育児等のライフサイクルに合わせた柔軟な働き方の拡大など、ライフステージに応じた働く環境を整備し看護職が活躍できるように進めていく必要があります。そのためには、看護職自身がライフサイクルやライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を選択し、かつ、キャリアの継続や新たなキャリア形成につなげていく環境を選択できることが必要です。

看護職の「働く場所」は、在宅、介護・福祉関係施設、看護師等学校養成所、保育所と幅広く、起業という選択肢もあります。このような看護職が活躍できる多様な働く場所は、なんとなく知っているのではなく、なるほどと実感をもって、看護職自身が知ることが必要ではないでしょうか。

多様な働く場所と働き方を知っていることで、ライフサイクルのいかなる状況であっても、「ライフイベントごと」に、キャリアを継続することができ、準備性も高めることができると思うからです。

「働く場所」では、従来の看護職員の主な勤務先である病院等の医療機関を中心としたキャリア形成だけでなく、看護職が生涯を通してキャリアを積んでいく場として、医療機関で働く以外にどのような場所があり、そこで働くためにはどのような経験や学習が必要なのか理解し、先取りした対応をぜひ行っていただきたいと思います。

「ライフイベントごと」では、出産・育児等のライフイベントによるキャリアの中断を回避できるようにすることが必要です。一時的に限定的な働き方となったとしても、それまでに培った看護職としての経験を生かして、ライフスタイルに応じた働き方を積み重ね、看護職のキャリアを豊かにしていただきたいと思います。

定年を迎えた看護職が活躍できる場や方法も多数あります。交代制のフルタイム勤務が困難であっても活躍できる場と方法を具体的に知っていることで、生涯を通してキャリアを継続していくことが可能になります。そのためには、健康で安全に働ける職場であることや、看護職個人が心身の健康管理を行える環境になっていることも重要ですから、看護管理者や組織の支援も欠かせません。

看護職が生涯を通じて専門性を生かして働き続けることへのインセンティブや、モチベーションを高める工夫など、本会でもさまざまな提案をしております。看護の専門性を高め、就業を継続することについて、個々人の具体的な目標を定めて実践を積み上げていきたいものです。