常任理事のマンスリー通信

機関誌「看護」2025年11月号より

常任理事 井本 寛子

常任理事 井本寛子

世界患者安全の日 医療安全に関する検討も始まりました

9月17日は、世界患者安全の日です。患者安全を促進することへの人々の意識・関心を高め、国際的な理解を深めるとともに、世界保健機関(WHO)加盟国間による連携や行動に取り組むことを目的として、2019年のWHO総会において制定されました。本会は2020年度から本キャンペーンに参画しています。2025年度の「世界患者安全の日」のテーマは“Safe care for every newborn and every child”です。今年度は、医療過誤原告の会、患者・家族と医療をつなぐNPO法人架け橋の2団体他、看護系6団体による協働で、テーマに合わせたポスターを作成し、患者安全の推進に取り組むとともに、本会ビル(東京・渋谷区)をキャンペーンカラーのオレンジ色にライトアップし、患者安全に対する国民の意識向上につながるよう呼びかけました。おりしも、国では「医療事故調査制度等の医療安全に係る検討会」が設置され、医療安全施策の課題について検討が始まりました。「初心忘るべからず」、組織内での意識向上を!

常任理事 木澤 晃代

常任理事 木澤晃代

看護管理研修(付加研修含む)、新たな認定看護管理者教育の進捗

現行の認定看護管理者教育課程(ファースト・セカンド・サードレベル)に代わる看護管理研修( 付加研修含む)、 新 たな認定看護管理者教育の全体像がほぼ確定しました。看護管理研修(付加研修含む)についてはプログラムが決定し、順次オンデマンドコンテンツの制作を進めています。新たな認定看護管理者教育カリキュラムも2025年度中に確定する予定です。
現在、ファーストレベルを修了されている方で、認定看護管理者をめざされている方は、2028年度までセカンドレベルを実施している教育機関で履修するか、2027年度から開始する付加研修を履修することで、新たな認定看護管理者研修を受講できます。セカンドレベル修了者は、現行のサードレベルを受講、または2028年度から開始する新たな認定看護管理者教育を受講することができます。各教育機関の開講状況を確認してください。全国各地で看護管理者教育が実施できるよう準備を進めています。

常任理事 田母神 裕美

常任理事 田母神裕美

2040年に向けた訪問看護のビジョン 地域での暮らしを支えるために①

日本看護協会、日本訪問看護財団、全国訪問看護事業協会は、今後の社会の変化や地域の実情を踏まえた、訪問看護師・訪問看護事業者がめざす姿と実践すべき取り組みを示す指針として、本年7月にビジョン(※)を策定し、公表しました。3団体は、2009年に「訪問看護10ヵ年戦略」を、2014年には「訪問看護アクションプラン2025」を策定しめざす姿の実現に向け、団体としても取り組みを進めてきました。今回、案の段階でパブリックコメントを実施し、多くのご意見をいただき、さらに検討を加えました。ビジョンの柱は「Ⅰ訪問看護の基盤強化」「Ⅱ訪問看護の機能拡大」「Ⅲ訪問看護の質の向上」「Ⅳ地域共生社会に向かう、地域包括ケアシステムの深化・推進」です。ここから思い描く皆さまのビジョンと、本ビジョンの具体は符合しているでしょうか。誰もが住み慣れた地域で安心して穏やかに暮らすために、時代を超えても変わることのない訪問看護の意義を共有し、さらなる発展をめざしてまいりましょう!

※ 2040年に向けた訪問看護のビジョン

常任理事 松本 珠実

常任理事 松本 珠実

市町村統括保健師研修を開催します

地域保健法に基づく「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」(以下:地域指針)を補完する「地域における保健師の保健活動について」(以下:保健師活動指針)が厚生労働省から発出されて12年が経過しました。2023年の地域指針の改正では、都道府県・市町村に統括保健師を配置するよう明記され、2024年12月から行われている保健師活動指針の見直しにも反映される予定です。2024年5月1日現在、統括保健師の配置状況は、都道府県100%に対し、一般市町村67%と差があり、配置に向けた取り組みが必要です。
日本看護協会では、1月24日(土)~ 25日(日)に集合型の市町村統括保健師研修を開催することとしました。第1回の有識者会議では、2014~2016年度に実施された同名の研修を基にプログラムの検討が行われ、2040年を見すえて統括保健師として、どのような活動を行うのかを明確にする機会となるようブラッシュアップしました。多くのご参加を期待しています。

常任理事 橋本 美穂

常任理事 橋本 美穂

第56回(2025年度)日本看護学会学術集会が盛会裏に終了

2025年9月12~14 日にポートメッセなごや(愛知県)において、第56回(2025年度 )日本看護学会学術集会「最適な看護をマネジメントする~『よい看護』を『どこでも』『ずっと』~」を開催し約4,900人の参加をもって盛会裏に終了いたしました。ご参加いただいた方、ご協力いただいた方に心より御礼申し上げます。多彩な講演や企画、実践に基づいた研究報告や実践報告を通じ、ご自身の立場や役割における「最適な看護のマネジメント」について考える機会となれば幸いです。東海・北陸地区の看護大学、看護専門学校等の基礎教育の学生の方も多く参加され、スーツ姿で熱心に聞き入っている様子がとても印象的でした。専門職として生涯を通じ学び続けることは看護職の責務であり、その一端となる学会活動を学生のころから身近なものとして感じられるよい機会と感じました。次回は2026年9月18~20日、晴れの国岡山で「新たな未来を拓く看護の挑戦~専門職としての自律した判断と実践~」をテーマとして開催します。

常任理事 淺香 えみ子

常任理事 淺香 えみ子

暴言、暴力、ハラスメントから看護職を守るメッセージ

全国労働衛生週間(10月1~7日)に際し、「日本看護協会は、看護職への暴言、暴力、ハラスメントを絶対に許しません」と題したビデオメッセージを国民に向けて発信し、職能団体としてハラスメント防止に対する強い問題意識を示しました(※1)。看護職の責務の遂行と看護職として守られるべき尊厳の確保の両立をめざします。
2026 年中に改正労働施策総合推進法が施行され、事業主には職員の心身の健康や安全を確保し、本来の業務に専念できる職場環境の整備が義務化されます。この機会に、職場とともに患者・家族等の理解を広めてともに安心できる医療・看護の提供体制の構築の推進に努めていきたいと思います。ぜひ、ビデオメッセージをご活用ください。「キャリナース」(※2)からは看護職への応援メッセージ、SNS「X」では10月1日より毎週水曜日に10週間にわたり「かんごちゃん」からのメッセージをお届けします。 

※1 看護現場におけるハラスメント対策
※2 キャリナース

よりよいウェブサイトにするために
みなさまのご意見をお聞かせください