日本看護協会とは

常任理事のマンスリー通信

月刊『看護』2021年1月号より

常任理事 吉川久美子

常任理事 吉川久美子

【診療報酬改定に関する調査や第7次医療計画中間見直しに協力を】

日々新型コロナウイルス感染症罹患患者数の増加のニュースが流れ、第三波の到来が報告されています。気温そして湿度が下がり、感染者増は予想されていたこととは言え、満員電車での通勤は緊張が強まります。一方、コロナと共存した生活が進み、国などにおける会議の開催頻度も多くなってきたところでした。今年度は診療報酬改定の年であったことから、改定に関する「入院医療等の実態調査」や「令和2年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査」が、2020年11月〜2021年1月にかけて行われています。この結果は、次回の診療報酬改定時の参考資料となるため、調査対象に選ばれた施設の皆さまには、お忙しい時期の調査となりますが、ぜひご協力をお願いいたします。また、第7次医療計画の中間見直しの年でもあります。少子高齢社会における看護職の役割への期待が高まっています。関連する委員会等へ参加されている皆さま、看護の視点で必要な指標の検討・設定への意見・反映をお願いいたします。

常任理事 熊谷雅美

常任理事 熊谷雅美

【Withコロナ 看護管理者の取り組み】

2020年の全国職能委員長会 看護師職能委員会T(病院領域)は「新型コロナウイルス感染症に対する看護マネジメントの現状と課題」についてZoomで開催しました。看護管理者の皆さんは、患者そして職員を守るため様々に尽力されていました。あらためて敬意と感謝の思いです。この感染症についてようやく実態がわかり始めました。しかし終息が見えない中で、最前線で看護に当たっている看護職のストレスは、日々増大しています。ある職能委員から看護職のストレス軽減に対し、看護管理者が行うと効果がある取り組みの実際について情報提供がありました。①常に感謝とねぎらいを伝える、②定期的な研修を継続する、③勤務後には休みを確保する、④3密を回避したピアサポートの実施、⑤定期的な異動(病棟ローテーション)。特にピアサポートについては、新人看護職員間において重要であることがわかっています。様々な配慮をしながら支援を行っている看護管理者の皆さんに感謝とエールを送りたいと思います。

常任理事 荒木暁子

常任理事 荒木暁子

【コロナ禍だからこそNursing Now フォーラム・イン・ジャパンで看護の声を1つに!】

Nursing Nowキャンペーンは国際看護師・助産師の国際年である2020年をピークに活動を展開する予定でしたが、COVID-19の猛威を受け、キャンペーン期間を日本の実行委員会では2021年6月まで延期しました。
2021年1月21日には「Nursing Nowフォーラム・イン・ジャパン: 看護の力で未来を創る」をウェビナー形式で開催します。オープニングセッションでは、Nursing Nowにかかわる海外の方々からのメッセージや基調講演などに続き、「日本の看護におけるエビデンスの活用―実践の可視化」をテーマに手島恵氏の講演などを予定しています。分科会では、①トリプル・インパクトと政策、②在宅看護と持続可能な社会〜看護師が社会を変える〜、③災害に強いコミュニティ、安全・安心な社会の構築に向けた看護の貢献をテーマにディスカッションがなされます。1人でも多くの方にご視聴いただきたいと思います!

常任理事 鎌田久美子

常任理事 鎌田久美子

【コロナ禍における人生100年時代に合った健康づくり、健康寿命の延伸】

収束の見通しが立たない感染症。新しい日常生活における健康増進、生活習慣病重症化予防に看護の力は必要不可欠です。このような中、民間主導の活動体である日本健康会議は、厚生労働省と経済産業省の協力の下で健康寿命の延伸をめざして活動しています。同会議は2020年9月に「健康なまち・健康づくり宣言2020」の2020年度の達成状況を発表しました。糖尿病性腎症重症化予防を実施する市町村数は、前年度に比べ112増の1292市町村となりましたが、目標の1500以上には到達していません。今、重症化予防などは普及の段階から、取り組みの質を高める段階に移行しつつあり、取り組みを実施前後で評価することに加え、受診に結び付いているのか、人工透析数は減少しているのか等の「アウトカム指標」による評価が期待されています。今後、ウィズコロナの観点も含めて国全体の健康寿命の延伸、人生100年時代に合った健康づくりを進めていくために、看護管理者と行政保健師のさらなる連携強化が期待されます。

  • 経済団体や医療関係団体、地方公共団体、保険者団体、学識経験者などで構成。

常任理事 井本寛子

常任理事 井本寛子

【「母子のための地域包括ケア病棟(仮称)モデル事業」中間報告会開催〜医療機関における産後ケア事業の実施に向けて〜】

本会は、医療機関における安全・安心な出産環境の整備のために、分娩取扱医療機関で4つの機能に取り組む標記モデル事業を2019年から実施しています。これに関連し、医療機関における産後ケア事業実施状況と分娩取扱医療機関における4機能の体制づくり、マネジメントについて情報発信することを目的に中間報告会を開催しました。会には190施設を超える医療機関の看護管理者をはじめ、自治体保健師等、約240人の参加がありました。意見交換では、社会問題となっている産後うつや虐待防止、妊産婦と子育て世代の不安・負担軽減には、地域だけではなく、分娩取扱医療機関にも支援拠点を持つことが、周産期医療の集約化を背景に大変意義があるとの意見を多くいただきました。2021年度末に全国展開予定の子育て世代包括支援センターと、2021年4月の法律施行により全国展開される産後ケア事業を活用し、医療機関と“つながる”ことで妊産婦と家族に切れ目のない支援をしっかり届けていきたいと思います。

  • 4つの機能:①産科混合病棟におけるユニットマネジメントの実施、②院内助産・助産師外来の体制整備、③子育て世代包括支援センター等との地域連携、④産後ケア事業を一体的に実施。

常任理事 岡島さおり

常任理事 岡島さおり

【看護小規模多機能型居宅介護事業所を全国に】

看護小規模多機能型居宅介護(以下:看多機)は2012年に「複合型サービス」として誕生し、2015年に現在の名称に変更となりました。看多機は1つの事業所で泊まり・通い・訪問(看護・介護)によるサービスを柔軟に組み合わせ、なじみのスタッフから多様な支援を受けることができます。看多機の役割は、退院直後における在宅生活へのスムーズな移行、病状が不安定な方またはがん末期等による終末期の方の在宅療養支援、家族に対する相談支援やレスパイトによる介護負担の軽減などです。近年では栄養状態や褥瘡の改善、排せつの自立支援・重度化防止でも看護の力を発揮するとともに、小児や障がい者を対象とした共生サービスに取り組む事業所も増えてきました。介護保険制度のみならず全世代型地域共生社会をめざす上では重要なサービスです。本会では、まだ633カ所(2020年3月現在)しかない看多機を全国に普及するため、実践者の皆さんや自治体の方々とともに設置促進に向けた方策を検討しています。

  • 訪問看護と小規模多機能型居宅介護を併せたサービスとして生まれた。