常任理事のマンスリー通信

機関誌「看護」2025年9月号より

常任理事 井本 寛子

常任理事 井本寛子

9月25日に「母子のための地域包括ケア病棟推進会議」を開催

国は、少子化等に伴い、分娩取扱施設の集約化・重点化を進めています。同時に、妊娠前~出産~産後・子育て期における支援策の強化に向けた検討も行っており、助産師にはさらなる専門性の発揮が期待されています。本会は、助産師の役割発揮ができる体制整備として2021年度から「母子のための地域包括ケア病棟」を推進。関連して、国の示した「周産期医療の体制構築に係る指針」(第8次医療計画)には、「分娩を取り扱う医療機関は、(略)産科区域の特定(院内助産・助産師外来や医療機関における産後ケア事業の実施、また母子保健や福祉に関する事業と連携する機能を包括的に実施する機能をもつ病棟の概念を含む)などの対応を講ずることが望ましい」と明示されました。「母子のための地域包括ケア病棟推進会議」では地域でのリーダーシップが期待される周産期母子医療センターの看護管理者の皆さまに、周産期医療を取り巻く国の動向や好事例施設の取り組みについて情報提供する機会を設けました。ぜひご参加ください。

常任理事 木澤 晃代

常任理事 木澤晃代

手島氏が国際看護師協会(ICN)第2副会長に就任

6月7~9日に国際看護師協会(ICN)会員協会代表者会議(CNR)、9~13日にかけてICN大会がフィンランド・ヘルシンキで開催され、本会から山本則子副会長がCNRに参加しました。CNRには99の各国看護師協会の代表者が出席し、今回の主な議事では、ICNが看護と看護師の定義を改訂し、それが承認されました。また、本会が擁立していた手島恵氏(東京保健医療大学副学長/看護学研究科長/教授)が第2副会長に就任しました(※1)。ICN大会は「世界を変える看護の力!(Nursing power to change the World!)」のテーマの下、89カ国から6,500人以上が参加。さらにICN学生大会と、今回が初開催となった看護学生・キャリア初期の看護師(SECN:Student and Early Career Nurses)同盟会議が開催され、本会代表として住谷友結氏(聖路加国際病院)が参加しました(※2)。次回ICN大会は、2027年7月に台湾にて開催予定。ICNの看護と看護師の定義(改訂版)の和訳は後日、本会ホームページにて公表予定です。

※1 本号p.56-57の「国際情報のページ」を参照
※2 本号p.36-37の特集1報告記事を参照

常任理事 田母神 裕美

常任理事 田母神裕美

看護師をめざす人々を支援

2023年10月に改定された国の「看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針」では看護基礎教育について、看護師等学校養成所の入学者の大半を占める18歳人口が減少する中で、社会人経験者の入学の推進を取り組みの方向の一つに挙げています。高等学校卒業者とともに、現に社会人経験者が看護師をめざしていることは、看護がいかに大きな意義を有しているかを表していると考えます。厚生労働省が作成したリーフレット(※1) では、講義・演習・実習で組み立てられる学習や、社会人入試制度を設けている学校もあること、教育訓練給付金等を活用できる場合もあること等がコンパクトにまとめられています。本会ホームページにおいても、看護師をめざす方々へのさまざまな情報を発信しています。「忘れられない看護エピソード」の動画もいつでもご覧いただけます(※2)。看護師が日々、人々と向き合い支えている姿と、資格取得に年齢制限はなく生涯活躍していくロードマップを共有したいと思います。

※1 厚生労働省「あなたの経験が強みになる 社会人から看護師をめざそう!」
※2 「忘れられない看護エピソード」

常任理事 松本 珠実

常任理事 松本 珠実

こどもの悩みを受け止める場への期待

6月27日、秋山智弥会長とともにこどもの悩みを受け止める場に関する三原じゅん子大臣との意見交換会に参加しました。学校でのいじめや不登校の数は過去最多となっています。2024年の自殺者総数は、前年より減少したものの、学生・生徒等は1,077人で、前年の1,019人から増加しており、高止まりしています。このような状況を受けて、こども家庭庁にこどもの悩みを受け止める場に関するプロジェクトチームが結成され、各支援団体等との意見交換が行われており、その一環として日本看護協会との意見交換の場が設けられました。本会および都道府県看護協会で実施している事業としては、小・中・高校での「看護の出前授業」や「性と健康の相談センター事業」での思春期相談、「まちの保健室」などが想定されます。看護職は、地域、医療機関、学校などにおいて、こどもにも寄り添った活動をしていますが、あらためて、こどもを中心に置き、声を聞き、尊厳を守るために、看護職に期待される役割の大きさを感じました。

常任理事 橋本 美穂

常任理事 橋本 美穂

第56回(2025年度)日本看護学会学術集会が9月に開催
ぜひご参加を!

第56回(2025年度)日本看護学会学術集会が、9月12日(金)から14日(日)の3日間、愛知県名古屋市のポートメッセなごやで開催されます(※)。今年度の学会のメインテーマは、「最適な看護をマネジメントする~『よい看護』を『どこでも』『ずっと』~」です。
マネジメントは「管理職が行うもの」と捉えられがちですが、看護職の行う看護実践には、「よい看護」を「どこでも」「ずっと」提供するためのマネジメントが常に行われています。ケアの最前線で活躍するすべての看護職が、その人にとって最良の看護を提供するために、マネジメント力を備え、発揮する必要があります。また、これからの時代は、各施設の中での看護をマネジメントするというだけでなく、人々の暮らすその地域全体の看護をマネジメントする視点も欠かせません。9月1日から当日参加登録が始まります。きっと新たな視点が得られます。ぜひご参加ください。

※ 第56回日本看護学会学術集会特設サイト

常任理事 淺香 えみ子

常任理事 淺香 えみ子

日本看護サミット2025/IWFF開催に向けて

日本看護サミット2025は来年、国際看護師協会(以下:ICN)主催のインターナショナルワークフォースフォーラム(以下:IWFF)に続き横浜で開催いたします(IWFF2026年2月3~4日/日本看護サミット2026年2月5日開催)。看護の将来ビジョン2040を受け「ウェルビーイング時代における看護職の働き方革命」をテーマに掲げ、働き方の大きな変革に向けて知を集結し発信してまいります。看護職の働き方改革は施策や現場の創意工夫によって進められていますが、医療・看護の実践状況においては“革命”たる構造の抜本的な変容を見すえる必要があると考えます。ICN第2副会長に手島恵氏が就任された今年度にICNのIWFFとともに日本看護サミットを開催できることをチャンスとし、看護職の働き方改革の気運を高めていきたいと思います。
現在までの多様な改善努力や知見を基に、海外の情報や国内の先駆的な取り組みの共有を介して多様な働き方の実現に向けた機会としていきます。

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