日本看護協会とは

常任理事のマンスリー通信

月刊『看護』2019年9月号より

常任理事 吉川久美子

常任理事 吉川久美子

【2020年度診療報酬改定に向けて個別テーマの検討始まる】

この雑誌が発行されるころには、梅雨明けし猛暑日が続いていると想像していますが、東京の7月は、気温が低く、太陽を見ない日が続きました。そのような中、「梅雨バテ」という言葉を聞きました。気温の変化が激しく湿度の上昇もあり、自律神経が乱れ、頭痛、下腹痛、便秘、肩こりなどが起こるといわれています。私は、例年どんなに暑い日が続いても「〇〇バテ」など関係なく過ごしていたのですが、今年はなかなか仕事が進まず、すっきりしない日々を過ごしていました。しかし、私の気分の重さは「梅雨バテ」ではなさそうです。
さて、2020年度診療報酬改定に向け、中央社会保険医療協議会では9月から第2ラウンドに入ります。第2ラウンドでは、外来・入院・在宅などの個別テーマについて、診療報酬における具体的な評価の検討を行います。なかなか難しい事案への対応などが求められますが、暑い夏に打ち勝ち、自分自身を奮い立たせながら、前に進んでいきたいと思います。

常任理事 熊谷雅美

常任理事 熊谷雅美

【職場のハラスメント対策の前進】

2019年6月21日、ILO(国際労働機関)は、第108回総会において、職場での暴力やセクハラ、パワハラなどを禁止する初めての国際条約を採択しました。この採択に、日本政府と日本労働組合総連合会は賛成し、日本経済団体連合会は棄権しました。今後日本は、パワハラ防止策を義務づける改正労働施策総合推進法 など国内法制との整合性について関係省庁と確認する作業や、この国際条約に批准するかどうかの検討に入ります。この禁止条約のポイントは、①職場の定義 として、就業における休憩時間・通勤時間・出張先のほか、メールでのやりとりなども含まれるこ と、②「労働者」には、正規の職員だけでなく、実習生やボランティア、求職者が含まれることです。ハラスメントのない社会に向けて一歩踏み出しました。私たち看護職においては、ハラスメントがないことはもちろんですが、誰もが尊重され、多様性を認め合える社会になるようヘルシーワークプレイスをめざしたいと思います。

  • 2019年5月に可決、来年度施行予定

常任理事 荒木暁子

常任理事 荒木暁子

【2020年は看護職の躍進の年:「Nursing Now」キャンペーンと「看護師・助産師の国際年」】

6月にシンガポールで開催された国際看護師協会(International Council of Nurses:ICN)大会および大会直前に開かれた会員協会代表者会議(Council of National Nursing Association Representatives:CNR)に参加させていただきました。CNRの議論やICN大会のさまざまなセッションに参加し、ICNが世界保健機関(WHO)とのコラボレーションを強化し、若手の看護師や看護学生を巻き込んで看護の価値を高めていこうとしている勢いを感じました。本会でも、学生や若手の参画について、もっと議論していくことが必要です。「Nursing Now」は、皆さますでにご存知でしょうか。これは、看護職が持つ可能性を最大限に発揮し、看護職が健康課題に積極的に取り組み、人々の健康の向上に貢献するために行動する2020年末までの世界的なキャンペーンです。また、2020年はWHOによる「看護師・助産師の国際年」です。すべての看護職がキャンペーンガール・キャンペーンボーイとなって、2020年を看護が躍進する年にしましょう!

常任理事 鎌田久美子

常任理事 鎌田久美子

【「産業保健活動推進リーダーとしての保健師に必要な能力の強化」研修開催】

近年の社会や経済の変化に伴い、就労環境の多様化や労働者の高齢化が進んだことなどにより、産業保健師に期待される役割が専門化・高度化しています。メンタルヘルス対策や生活習慣病等の課題改善においても、より高い能力が求められます。しかし、「保健師の活動基盤に関する基礎調査」によると、中堅期の産業領域の保健師は行政領域の保健師と比較すると現任教育を受ける機会が少ないことから、次期リーダーとしての役割を担える「中堅期保健師コンサルテーションプログラム(産業分野)」を活用した研修を実施しました。前期(7月10日、11日の2日間)で各職場の課題を提出、課題解決のための計画を立案、見直し後、後期(12月12日)までの間に自組織での実践活動を通して事業推進についての総括評価を行う構成となっています。PDCAサイクルに基づいた取り組みを通して、働く人々の健康を守る産業保健チームの一員として、リーダーシップを発揮して、活躍していただくことを期待しております。

常任理事 井本寛子

常任理事 井本寛子

【切れ目のない支援をめざして―小児在宅移行支援指導者育成研修に210名が参加】

本年度で3回目となる小児在宅移行支援指導者育成研修の前半日程を8月1日、2日に開催し、全国162施設から看護職が参加しました。参集してくる看護職の熱意からこの研修への期待の高さがうかがえます。今年度は、新たなプログラムとして、本研修の修了生に、「現場で指導者としてどのような役割を果たしているか」「教育プログラムの導入に当たりどのような工夫をしているか」についてもお話ししていただく機会を持ちました。受講生にとっては、これからの具体的な活動のイメージにつながったようです。11月の研修最終日までに、受講生は自施設に戻り活動します。その活動には現場の看護管理者のサポートが必要不可欠です。切れ目のない支援を提供するためにご協力をお願いします。本会で策定した「NICU/GCUにおける小児在宅移行支援パスと教育プログラム」の活用も全国で推進されてきました。その取り組み事例を協会ニュースに連載していますので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

  • 協会ニュース『医療的ケア児への安全な在宅移行支援「小児在宅移行支援指導者育成研修」修了者の活動レポート』第1回(2019年4月号)〜最終回(2019年7月号)

常任理事 岡島さおり

常任理事 岡島さおり

【訪問看護サービスの機能拡充と基盤強化に向けて】

皆さますでにご承知のとおり、国民の医療・介護ニーズが増大していく中で「看護」の力は不可欠です。とりわけ、在宅における多様なニーズに対応していくためには、訪問看護サービスの機能を拡充していくことと、医療機関と訪問看護師が容易かつ円滑に連携するための基盤強化が必要です。そこで訪問看護推進連携会議(日本看護協会、日本訪問看護財団、全国訪問看護事業協会)は、去る6月11日、厚生労働省保険局長宛てに「令和2年度診療報酬改定に関する要望書」を提出してまいりました。重点要望事項には、①入院時における訪問看護と医療機関等の連携強化、②利用者の医療ニーズに応じた訪問看護の提供体制強化、③労働力人口減少を見据えたICT活用による訪問看護の体制整備、の3点を掲げています。詳細は本会公式ホームページに掲載しておりますので、ぜひご参照いただき、皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。