日本看護協会とは

常任理事のマンスリー通信

月刊『看護』2021年4月号より

常任理事 吉川久美子

常任理事 吉川久美子

【適切な看護職員配置のあり方を検討するため調査を実施】

この原稿を書いているのは2月中旬です。緊急事態宣言が延長され、東京都の感染者数も連日500人を下回り、宣言解除が待たれます。このような状況の年でしたが、令和4(2022)年度の診療報酬改定に向け、急性期病院の看護職員配置のあり方について検討するために検討会を設置し、エビデンスを構築するための検討を進めてきました。本来は2020年度内に調査を実施する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症蔓延のため、調査時期を翌年度としました。そのため、2021年度早々に急性期一般入院料1を算定している病院の看護管理者の方、また、看護配置基準10対1の急性期一般入院料2を算定している病院の看護管理者の方にも調査のご協力をお願いいたします。医療の進歩、入院患者の高齢化により、急性期病院における看護職の負担は大きくなっています。安全に治療や看護を行うために必要な看護職員配置はどうあるべきか、診療報酬改定に向けた資料としていきたいと考えています。

常任理事 熊谷雅美

常任理事 熊谷雅美

【Situation Background Assessment Recommendation(SBAR)のすすめ】

令和3(2021)年1月8日に緊急事態宣言が都道府県を限定して発出され、2月2日には延長となりました。新型コロナウイルス感染症との闘いは長くなりました。
さて、2019年度「病院および有床診療所における看護実態調査」から、看護職の就業継続が可能な働き方に関連する5要因と11の対応策を整理し、協会ニュース付録を会員の皆さんにお届けしました。今回、就業継続が可能な働き方に関連する要因として、新規性があったのが「仕事に対する自己コントロール感」です。これは、組織の中で個人の能力に応じて任せられた仕事の段取りや進め方について自分でコントロールできることです。このコントロール感を高めるためには、看護職のマネジメント力の育成が重要です。新人看護職員研修の中でも多くの施設がSBARを使って、考える力を育成しています。自分の仕事においてもSBARを積極的に活用してみてはいかがでしょうか。

常任理事 荒木暁子

常任理事 荒木暁子

【新たに看護師となった仲間の皆さまとその先輩方へ】

2020年度は、今まで私たちが経験したことのない苦難や新しいことがたくさんありました。その中で基礎教育を修め、国家試験をかいくぐり、看護師としての一歩を踏み出した皆さまを、心より歓迎します。この1年間の苦難や試練は必ずや糧となり、これからの長い看護師人生の1つとして刻まれるでしょう。皆さまを臨床で待っていてくれた先輩方は、間違いなくこのコロナ禍を戦い抜いた戦士です。先輩方からたくさん学んでください。でも、今、医療現場が直面している状況においては、教えてもらうだけでなく、今の自分に何ができるかを考え、声に出し、実践してください。自分にできること、できないことの判断が肝心です。新しい仲間を迎えた先輩方へ。この状況下で、看護師への一歩を踏み出してくれた新人を心から応援し、どうか根気よく、仲間として育てていただきたい。看護師は実践の中で学習し、よりよい看護が提供できるようになることで元気になります。現場で「実践的な学びのサイクル」が回りますように。

常任理事 鎌田久美子

常任理事 鎌田久美子

【令和3(2021)年度障害福祉サービス等報酬改定における障害児支援の主な改定内容について】

令和3(2021)年度障害福祉サービス等報酬改定について概要が取りまとめられました*1ので、障害児支援の推進を中心に紹介します。従来、障害児通所サービス*2の基本報酬において、医療的ケア児は一般児と同じ報酬単価であったため、受け入れの裾野が十分に広がっていませんでした。今改定では、いわゆる「動ける医ケア児」にも対応した新判定スコアを用い、医療的ケア児を直接評価する基本報酬が新設されました。医療連携体制加算においては、従来、看護の濃度にかかわらず一律単価であった加算額について、医療的ケアの単価の充実や、複数の利用者を対象とする健康観察等は短時間の区分を創設することで適正化がはかられました。さらに、通常は看護師配置がない福祉型短期入所でも、高度な医療的ケアを必要とする者の受け入れが可能となるよう新単価*3が創設されました。障害児者のニーズを踏まえた切れ目のないきめ細かな対応により、住み慣れた地域で安心した生活が継続されることを願っています。

  • 1.本年2月4日開催の「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(第24回)」会議にて
  • 2.児童発達支援・放課後等デイサービス
  • 3.8時間以上2000単位

常任理事 井本寛子

常任理事 井本寛子

【都道府県看護協会母子のための地域包括ケアシステム推進会議を初めて開催!】

2月8日に都道府県看護協会の役員と保健師・助産師職能委員長が一堂に会し、母子に関する地域の現状や課題を整理し、母子のための地域包括ケアシステムのあるべき姿を検討しました。妊産婦や子育て世帯を取り巻く環境は大きく変化しており、ハイリスク妊娠の増加、産後のメンタルヘルスに変調を来した母親の増加、子育てに関する不安・負担感の増加等の課題が山積しています。課題解決に当たっては、今までも地域や施設ごとにさまざまな対策が講じられていますが、その体制のみでは支援の限界が近づいています。そこで、今回、保健・医療・福祉のつなぎ役のスペシャリストである看護職がよりいっそう協働し地域を牽引していくことが必要だと考え、本会議をキックオフしました。本年4月1日に「母子保健法の一部を改正する法律」が施行され、産後ケア事業が努力義務化されます。母子とその家族が健やかに生活できるよう看護職による地域連携をより強固する機会になればと思います。

常任理事 岡島さおり

常任理事 岡島さおり

【看護学生へのエール】

本稿作成の今日(2月14日)は看護師国家試験の日です。前夜は福島県・宮城県を中心とした東日本に大きな地震が発生し、不安な夜を過ごした受験生も多かったことでしょう。特に今年度はコロナ禍によりオンライン授業を余儀なくされ、臨地実習も通常どおりにできないなど、学習環境や学習方法が大きく変化して大変な1年だったと思います。そのような混乱を乗り越えて、懸命に国家試験と向き合っている皆さんに心からエールを送ります。そして全員の合格を祈っています。新年度からは、それぞれの就職先・進学先で、さらなる飛躍をめざして研鑽を積まれることでしょう。1日も早く新たな環境に慣れ、自分の居場所や価値を見つけて活躍なさることを願っています。失敗や壁にぶつかることを恐れないでください。よりよい看護のために悩むことは決して無駄にはなりません。新人もベテランも毎日が新たなチャレンジです。共に学び続けましょう。