役割分担(タスク・シフト/シェア、看護補助者)

2024年の医師への時間外労働の上限規制の適用に向け、国において医師の働き方改革のためのタスク・シフト/シェアの議論が取りまとめられ、2021年5月には関連する法律が改正されました。

医師の労働時間が短縮する中でも、国民に必要な医療が安全かつタイムリーに提供されることが不可欠です。医師が行っていた行為や業務を単に看護職や他職種にシフトしても、病院全体の業務量は変わらず、他職種の負担増や新たな人材確保が必要となります。

医療専門職がそれぞれの専門性を軸に、質を担保しながら、さらに役割を発揮し、今まで以上に医療の提供に貢献していかなければならないと日本看護協会は考えます。

その中でも看護職は「医療」と「生活」の両面から患者を捉え、療養生活を支える、患者の最も身近にいる医療専門職です。国民に必要な医療がタイムリーに提供されるよう、今後はさらなる役割と責任を引き受けていくことが期待されています。

すなわち、個々の行為のシフト・シェアよりも、患者の一番近くにいる看護師が判断可能な範囲を拡大し、さらに専門性を発揮できるようにすることで、患者へのタイムリーな医療提供が可能となるとともに、医師・看護師双方の負担が軽減されると日本看護協会は考えています。

看護師がさらに専門性を発揮できる体制を構築するためには、看護チームにおける各職種の役割、業務の分担についての見直しや検討も重要であり、看護補助者との協働をさらに推進していく必要があります。

以上のような考え方に基づき、現場での取り組みの参考となるよう、日本看護協会は情報発信に取り組んで行きます。

タスク・シフト/シェアの指針となるガイドラインを掲載しています。

タスク・シフト/シェアに関する省令改正や通知の発出がされたもので、看護に影響があるものをまとめています。

看護補助者との協働に関する情報を掲載しています。

看護補助者の確保・定着に向けた情報を掲載しています。