教育制度

    現在、疾病構造の変化や少子超高齢社会の進展など医療をめぐる状況は大きく変わり、また医療・介護提供体制も大きく変化しようとしています。

    その中で、看護師には、対象者の複雑性・多様性に対応した、より総合的な看護ケアの提供が求められています。これは、働く場にかかわらず全ての看護師に必要なことであり、今まで以上に、さまざまな情報を統合し、その上でタイムリーに判断・対応していく役割が期待されています。

    これまでも看護師基礎教育は、社会のニーズに応じて改正を重ねてきましたが、厚生労働省「看護基礎教育検討会」(2018〜2019年)で、将来を担う看護師が強化すべき能力、それを踏まえた教育内容などの検討が行われ、新たなカリキュラム案が報告書で示されました。その後、2020年10月に保健師助産師看護師学校養成所指定規則及び「看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン」が一部改正され、2022年度から改正カリキュラムが適用されることとなりました。

    今回の改正で看護師基礎教育は「地域・在宅看護論」などの単位数が引き上げられ、総単位数は現行の97単位から102単位とされました。一方で、これからの看護師に求められる能力からみれば、他にも追加すべき教育内容がありましたが、3年の修業年限では難しいとして含めることができませんでした。現在のカリキュラムでも3年間ではすでに過密な状態で、そのしわ寄せとして1科目当たりの実習時間は20年前の約半分になっています。

    これからの看護師に必要な教育内容を追加するには、もはや3年間の修業年限では不可能です。
    日本看護協会では、これからの社会・医療に対応できる看護師を育成できるよう、看護師基礎教育の4年制化の実現に取り組んでいます。
    「看護基礎教育検討会」報告書(厚生労働省ホームページ)

    2024年度の事業

    1.法改正に向けた取組み

    2.現行教育の課題解決

    これまでの取り組み

    1. 法改正に向けた取組み

    • 2020年度より、都道府県看護協会における「看護師基礎教育を考える会」開催を支援
      2024年度:
      山形県看護協会、石川県看護協会、
      福井県看護協会、島根県看護協会、
      徳島県看護協会、香川県看護協会、
      長崎県看護協会
      2023年度:
      青森県看護協会、秋田県看護協会、
      岩手県看護協会、神奈川県看護協会、
      新潟県看護協会、岐阜県看護協会、
      滋賀県看護協会、鳥取県看護協会、
      高知県看護協会、宮崎県看護協会、
      沖縄県看護協会
      2022年度:
      茨城県看護協会、栃木県看護協会、
      山梨県看護協会、富山県看護協会、
      静岡県看護協会、和歌山県看護協会、
      愛媛県看護協会、佐賀県看護協会、
      熊本県看護協会
      2021年度:
      宮城県看護協会、福島県看護協会、
      群馬県看護協会、千葉県看護協会、
      三重県看護協会、奈良県看護協会、
      広島県看護協会、山口県看護協会
      2020年度:
      東京都看護協会、大阪府看護協会、
      鹿児島県看護協会
    • 2018、2019年度「看護師基礎教育を考える会」を共催
      2019年度:
      北海道看護協会、愛知県看護協会、
      岡山県看護協会、大分県看護協会
      2018年度:
      埼玉県看護協会、長野県看護協会、
      京都府看護協会

    2. 現行教育の課題解決

    2018年度、本会は看護師養成所の教員の勤務環境、勤務実態、就業継続意向、抱えている課題などについて明らかにすることを目的に、看護師養成所に勤務する本会会員を対象としたWeb調査を実施しました。「調査結果(抜粋版)」をご覧ください。
    また全体版については会員マイページ「キャリナース」の発行物ページからご覧いただけます。
    2018年看護師養成所の教員の勤務実態等に関する会員調査結果(抜粋)
    会員マイページ「キャリナース」

    2020年度より、年1回「全国看護基礎教育担当役員会議」を開催しています。
    会議では、看護基礎教育の課題解決に向けて、意見交換および情報共有を行い、県単位での取り組みの推進を図っています。

    2021年度から、専任教員の確保に向けて「看護師養成所と病院の人材交流のモデル事業」を開始し、2022年度には、看護師養成所の教員と病院看護師が行った活動や成果などをまとめ、人材交流のモデルを構築しました。

    看護師基礎教育関連情報

    教育訓練給付制度における専門実践教育訓練給付の指定対象講座の拡大について

    教育訓練給付制度の専門実践教育訓練における指定対象講座が拡大され、2025年4月指定分から、看護系大学や4年制看護師養成所の看護師養成課程も対象となります。
    2025年4月の指定を受けるには、各教育機関が2024年10月1日から11月1日に申請を行う必要があります。
    詳細は、厚生労働省ホームページをご参照ください。
    教育訓練給付の講座指定について(厚生労働省ホームページ)

    「歯科衛生士学校養成所指定規則等の一部を改正する省令について(通知)」について

    大学設置基準の一部を改正する省令により、1単位当たりの実験、実習及び実技(以下「実習等」という。)の授業時間の下限を30時間から15時間へと引き下げることを許容することとなりました。各看護師学校養成所等での実習等の質を担保する観点より、実習等については、本規定のうち「おおむね15時間」を「30時間」と読み替える規定が定められました。このため、看護師学校養成所等の実習等については、従前どおり1単位あたり30時間~45時間のままとなります。
    医政発1006第20号(令和4年10月12日)

    「保健師助産師看護師国家試験における試験問題の公募(協力依頼)」について

    厚生労働省からのお知らせ:看護教育ポータルサイトリニューアル及び看護学生の臨地実習PR動画について

    1. 看護教育ポータルサイト「発見・看護!」がリニューアルされました
      看護教育ポータルサイト「発見・看護!」(厚生労働省ホームページ)
      お知らせチラシ
      看護教育ポータルサイトリニューアルフライヤー

    2. 看護学生の臨地実習について国民に理解と協力を得ることを目的にPR動画が公開されました。
      ショートバージョン「看護学生の臨地実習とは~臨地実習にいくまでの学びをご紹介~」
      ロングバージョン「看護学生の臨地実習とは~看護学生からのメッセージをお届け~」

    日本看護学校協議会からのお知らせ「看護教員インターンシップ」

    日本看護学校協議会は看護教員インターンシップとして1日看護教員体験の募集を行っています。
    令和6年度 看護教員インターンシップ事業(日本看護学校協議会ホームページ)
    看護教員インターンシップ募集のチラシ

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