協会ニュース2024年11月号

看護補助者との協働の推進に向けて
「看護補助者の業務に必要な能力の指標」公表

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人々の医療ニーズが増加する一方で、労働力人口の減少により、医療従事者の人材を確保するための取り組みが急務となっている。特に、看護補助者数は2014年以降減少傾向にあり、就業後も早期に離職するなど、人材確保と併せて就業後の定着が課題となっている。
国においても、看護補助者の確保・定着を注視した施策が講じられている。診療報酬では、2010年「急性期看護補助体制加算」の新設以降、段階的に点数が引き上げられ、2024年度改定でも、看護補助者の定着に向けた取組及び看護補助者の経験年数に着目した評価の新設など、評価の充実が図られた。
また、昨年10月には「看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針」が告示され、都道府県ナースセンターによる無料職業紹介の実施など、看護補助者の確保に関する項目が新たに追記された。
日本看護協会は、国の動きと連動して、看護補助者との協働の推進に取り組んできたが、現在、国を挙げての大きな医療の変革である「タスク・シフト/シェア」に際し、さらに重要な局面を迎えている。働き方改革が進む中でも、安全かつタイムリーな医療提供をするためには、看護師がその専門性を存分に発揮することが求められており、専門性を要する業務に専念できる体制整備には、看護補助者との協働が不可欠である。
看護補助者との協働の重要性が増す中、本会は2024年10月に「看護補助者の業務に必要な能力の指標」を公表した。本指標は、看護チームの一員として、看護師の指示の下で安全に看護補助業務を行い、チームの目標達成に向けて協働するために求められる看護補助者の能力を段階的に示したものである。看護管理者や看護師には、看護チームに貢献する一員としての看護補助者の育成に向けて、本指標をご活用いただきたい。本指標の活用により、看護補助者の計画的かつ段階的な育成とともに、その確保・定着に取り組まれ、より安全で質の高い看護を提供する体制の整備が進むことを期待している(4・5面に関連記事)。

厚生労働大臣、財務大臣へ要望
医療機関、訪問看護事業所等への緊急財政支援を

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日本看護協会は、10月28日に福岡資麿厚生労働大臣宛に、11月6日に加藤勝信財務大臣宛に医療機関、訪問看護事業所等への緊急財政支援に関する要望書を提出した。
全産業の平均賃上げ率が過去30年で最大の5%台になる中、全産業と比べて人件費率が高い医療業界では、経営面への影響が非常に大きくなることが懸念されている。令和6年度診療報酬改定でベースアップ評価料が新設されたものの+2.3%分にすぎず、また、訪問看護事業所においても、訪問看護ベースアップ評価料が新設されたものの、賃上げに取り組みたくとも原資が追い付かない状況となっている。このような状況を踏まえ、良質な医療・看護を継続的に提供するために、2点を要望した。
医療機関や訪問看護事業所等では物価上昇や人手不足等、厳しい情勢下にありながらも、懸命に経営を維持し、質の高いサービス提供体制の確保に取り組んでいる。特に、訪問看護事業所はこれから各地域において重要になってくる。安定的な経営のための支援が必要である。食費や衛生材料等、様々なコストの上昇を踏まえ良質な医療・看護を継続的に提供するため医療機関、訪問看護事業所等の支援として、補助金支給等の財政措置を講じるよう要望した。また、処遇改善には原資が不可欠であるとした上で、看護師をはじめとする医療従事者の処遇改善のための補助金の支給を訴えた。
厚生労働省の森光敬子医政局長は、「令和6年度診療報酬改定ではベースアップ評価料を新設したが、物価高もあり、他産業と比べても追いついておらず、人材の流出を憂慮している」と述べ「さらなる経済対策が必要だと考えている」と応じた。
加藤財務大臣宛の要望書は永安俊介主査に手渡した。永安主査は「訪問看護や在宅領域は今後重要になる。この領域での人材確保は重要」と述べた。

≪要望事項≫
1. 良質な医療・看護を継続的に提供するため医療機関、訪問看護事業所等の支援として、補助金支給等の財政措置を講じられたい。
2. 特に、看護師をはじめとする医療従事者の処遇改善のための補助金支給を実現されたい。

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