協会ニュース2024年1月号

令和6年能登半島地震 被災地の皆さまに心よりお見舞い申し上げます

「未来を担う看護人材の確保を目指して」

年頭所感 日本看護協会 会長 高橋 弘枝

2024年の年頭にあたり、謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
1月1日に令和6年能登半島地震が発生いたしました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆さまにお見舞いを申し上げます。また、被災地域で支援活動に尽力する会員、看護職の皆さまに心から敬意を表します。

日本看護協会は、本会内に危機管理対策本部を設置し、発災直後から被災地域の各県看護協会と連絡を取りながら対応を進めております。石川県看護協会では1月5日から、災害支援ナースの県内派遣(災害対応区分レベル1)を開始しました。さらに6日には、本会による全国派遣(災害対応区分レベル3)も開始し、10日現在、6県看護協会から延べ84人の災害支援ナースを派遣しているところです。また、ニーズを踏まえた支援となるよう、石川県に本会職員を派遣し、石川県および石川県看護協会との調整、受け入れ体制の整備などにあたっています。本会は今後も、都道府県看護協会、関係団体、政府との連携を図りつつ支援活動に取り組んでまいります。

昨年は、新型コロナウイルス感染症が5類へと移行され、新型コロナウイルスとの共存に向けて新たなフェーズを迎えた一年でした。国においては「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律」(令和4〔2022〕年 12月)が制定され、感染症発生・まん延時における国による広域での医療人材派遣の仕組みや、派遣される医療人材の養成・登録などの仕組みなどが法制化されました。この中には、DMAT・DPATと並び、本会および都道府県看護協会の災害支援ナースの応援派遣も想定されています。本会はこれまで、県協会と連携して災害支援ナースを養成し、災害時には被災地への応援派遣を実施してきました。しかし、そ実状においては個人が休暇を取得して活動していることや、業務扱いであっても派遣に係る費用は所属施設の持ち出しであることなどが課題でもありました。この度の感染症法や医療法の改正により、医療人材について、国による広域派遣や養成・登録の仕組みの整備が進んだことを受け、本会においては、この国の仕組みに則り、災害時の応援派遣に加え、新興感染症発生時にも対応できる新たな災害支援ナースの仕組みを構築しました。この仕組みは、これまでの災害支援ナースの課題の解決にもつながるものです。改正医療法に基づく「災害・感染症医療業務従事者」の仕組みは、2024年4月からスタートするため、本会はそれまでに新たな災害支援ナースの仕組みへの移行完了を目指しています。多くの看護職に災害支援ナース養成研修を受講いただくよう、ご協力をお願いいたします。

一方、コロナ禍においては、危機的な状況になった時に、第一線で国民のいのちと暮らしをまもる看護職の尽力が注目され、日本の医療には看護職の確保が欠かせないという世の中の意識が高まりました。これを契機として、以前より本会からも要望していた「看護婦等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針」(以下、基本指針)の改定が、制定後30年の時を経て昨年行われました。基本指針は、保健医療を担う看護師等の量的・質的な確保により、良質な医療の提供を図ることを目的に制定されたものです。今回の改定にご尽力いただいた皆さまに感謝いたしますとともに、社会における看護の果たす役割の大きさを再認識しています。多様化する国民のニーズに応えていくためにも、看護職一人一人が資質を向上し、生涯にわたり活躍する環境を整えていけるよう、より一層励んでいく所存です。

2040年を見据え、あらゆる場において、看護職をはじめとする医療職が結集し、人々の健康を支えていかなくてはなりません。国民が必要な時に、必要な医療を受けられないという事態を避けるべく、地震などの災害や新興感染症への対応を含め、いかなる状況においても力を合わせ乗り越えられますよう、皆さまには一層の連携とご協力をお願いし、新年のごあいさつとさせていただきます。

社会の変化と看護を繋ぐ

衆議院議員 阿部 俊子

少子高齢化で地方は厳しい状況の中、世界情勢の変動、コロナ禍で拡大したDXなど多くの事柄が急速に変化しています。このような変化を看護業務の効率化、看護の専門性の向上、地域医療の推進につなぐ方法を常に考えています。次世代に送り継ぐ日本のための医療・介護の在り方、人材育成など多くの課題に取り組む必要があります。
昨年12月に文科副大臣を拝命しました。
人づくりの土台である教育文部科学行政に真摯に取り組みます。また、被災地支援・復旧・復興に向けてやるべき事、できる事に全力で取り組んでまいります。

お互いを思いやる看護の心で

衆議院議員 髙階 恵美子

日本看護協会の皆さまには、素より変わらぬご厚情を賜りますこと、加えて能登半島地震被災地への御支援をいただき深く敬意を表します。また、過酷な環境下で、いのちの現場で御尽力いただいております皆さまに、心から感謝を申し上げます。
私も一刻も早い生活再建に向けて、より広範囲に手厚い支援体制の構築を進めてまいります。
何時いかなる状況にあっても看護職の専門性を活かし、努力を惜しまず使命を果たしてまいります。

良い看護ができた、と実感できる環境づくりのために

参議院議員 石田 昌宏

能登半島地震により、被害に遭われました皆さまにお見舞いを申し上げます。また、看護職をはじめ被災地で懸命に支援活動を行われている全ての皆さまに、心から敬意を表します。
昨年は「看護師等の確保を推進するための措置に関する基本的な指針」が31年振りに改定され、時代に即した指針を実現することができました。
本年は報酬改定が行われますが、看護職をはじめ医療・介護関係職種の賃上げ分が措置されています。医療機関等において確実に実施されることを期待しています。

看護職が働き続けられる社会を

参議院議員 友納 理緒

被災地で支援活動に尽力する全ての皆さまに、心から敬意を表します。
昨年「看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針」が改定され、人材確保、勤務環境や処遇の改善、業務の効率化などの方向性が示されました。少子高齢化が進み、業務負担の軽減や人生100年時代における看護職の就業促進などの取り組みがますます重要になります。全ての看護職が自分らしく働き続けることができるよう看護政策に取り組みます。看護の明日を共につくりましょう。

ケア労働者の賃上げを

参議院議員 倉林 明子

能登半島地震により被災された皆さまに、心からお見舞いを申し上げます。
医療、介護、福祉現場の人手不足は、暮らしや命を支える支援が十分にできない事態も生んでいます。少なくない医療機関でボーナスの減額に悲嘆の声が上がっています。災害現場で、コロナ禍で、命と暮らしを支えるケア労働者の奮闘に対し、賃上げの動きは鈍いままです。全産業水準との格差を解消する思い切った賃上げは政治の責任です。軍拡よりも社会保障費の拡充を。裏金づくりなどもっての外です。

看護職への感謝をこめて

参議院議員 石井 苗子

被災者の皆さまおよびお亡くなりになられた方々へ、心からお見舞い申し上げます。
石川県能登半島地震が発生し日本看護協会の皆さまからボランティア活動の協力を頂いており、高橋弘枝会長はじめ、会員の皆さまに心から敬意を表します。
本年は診療報酬改定が行われます。看護人材確保、地域包括ケアシステムの在り方、医療DXによる医療機能の分化と強化を推進していくため皆さまの声を国政に届けることにまい進してまいります。