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協会ニュース 2021年7月号
2021年度記者会見
「新体制と重点政策を説明」—コロナ対応での今後の看護提供体制も提言—

日本看護協会は6月29日、2021年度記者会見をJNAホールで開催した。通常総会を経て新体制となった執行部と、2021年度の重点政策・重点事業の紹介に加え、新型コロナウイルス感染症対応における看護提供体制の現状と今後の必要な取り組みについて説明を行った。
あいさつで福井トシ子会長は、まず6月9日の通常総会で自身が再選され3期目を迎えたことと、常任理事が3人交代したことを伝え、引き続きの支援を依頼した。新型コロナウイルス感染症への対応ではワクチン接種研修を6,867人が受講し(6月24日現在)、順次ワクチン接種会場で業務にあたっていると紹介。コロナ禍で医療提供体制の脆弱性や看護職の確保の困難さが認知されるようになったとして「平時からの看護職員の十分な配置があってこそ、緊急事態でも的確に対応できる体制が確保できる。本会でも看護提供体制の強化に注力しているが、本日参加の皆さまにも課題解決に支援いただきたい」と求めた。
重点政策については、新たに「地域における健康危機管理体制の強化」に取り組むことを説明。6月末で終了となったNursing Nowキャンペーンについても、ことし1月に看護界で共有した「Nursing Nowニッポン宣言」に基づき、若手看護職のリーダーシップ力や政策に関与する力の育成など、看護界が一丸となって取り組んでいく考えを示した。
東京オリンピック・パラリンピックへの対応についても説明した。4月に組織委員会から、大会期間中の医療スタッフの派遣協力依頼を受け、都道府県看護協会と共有・協力依頼を行ったことを紹介。「さまざまな意見があることは承知しているが、看護協会としては、『人々がいるところには看護を必要としている人がいる』という信念の下、日本でオリンピック・パラリンピックが開催され、人々が集うのであれば、そこには看護を必要とする人が必ずいると捉えている」ことを説明。「医療提供体制やワクチン接種体制に影響しないことが大前提であることは言うまでもない。いまできること、可能な中での対応を行う。看護の使命を念頭に、揺らぐことのない対応をしていきたい」との考えを示した。
記者会見の前半では、新執行部が自身の担当事業を紹介。2021年度の6重点政策・12重点事業については、勝又浜子専務理事が解説した。
後半は鎌田久美子常任理事が「新型コロナウイルス感染症対応における看護提供体制の現状と今後必要な取り組み」と題して発表。当面の看護人材の確保に向けた取り組みとして、潜在看護職員の確保や看護職員の派遣、派遣体制の構築など6項目を説明した。さらに根本的な看護提供体制の強化策として①看護職員配置の強化②看護職員の処遇改善③ナースセンター機能及び看護職の資格活用基盤の強化④医療計画の拡充⑤地域における施設など機能に応じた看護の提供、の必要性を解説した。
①については、平時から余裕のある職員配置、勤務環境の整備が必要として「急性期病棟は7対1を基本とし、さらに5対1等の手厚い配置を評価」「ICUは諸外国並みに1.5対1を基本」などが必要と提言。②についても看護職個人の持続可能な働き方を実現するため、本会が提案している「就業継続が可能な看護職の働き方」の5要因10項目をあらためて紹介した。
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