専務理事からのワークリポート

機関誌「看護」2025年5月号より

専務理事 中野 夕香里

2024年度第13回常務理事会(3月21日)

専務理事 中野夕香里

3月7日に「2024年度 第2回全国職能委員長会」が開催されました。お忙しい中、ご出席いただいた職能委員長の皆さま、ありがとうございました。
全体会の中で、昨年末に開催した本会の三職能四委員会合同委員会の報告と、職能団体における会員確保の必要性についてお話ししました。合同委員会は実に13年ぶりの開催で、職能委員会の役割をあらためて確認しました。また、看護職の取り組みや対象としている人々が広がっており、地域の多様な場で多様なニーズに対応しなければならない中で3職能4委員会協働が必要であること、そのため、本会職能委員会と各県協会の職能委員会の間での縦横な連携が重要であることを共有する時間ともなりました。
職能委員会には、現場に根差した“課題発見”と“意見集約”の役割があります。この取り組みを、課題解決とよりよい現場にするための政策推進に結実する、という点で、職能委員会活動を通じて職能団体である本会と現場のつながりがより強化されることが不可欠です。そのココロとして、“現場に直結する政策を推進しなければならない”ということと、“政策を推進する力としての現場とのつながりを強化しなければならない(会員組織の活動基盤の強化)”の双方向があり、いずれも両者の真の共感があってこそ成立するのであって、その意味においても職能委員会活動への期待は非常に大きいものだと考えています。こうしたお話をする中で、ご参加の委員長からも前向きなご意見をいただけました。今後につなげてまいります。
先日、私の愛聴番組で、カーリングの普及に注力された大御所の方の「人生で大切なことは胸がキュンとなること」というお言葉が紹介されており、感銘を受けました。年齢や忙しさを言い訳にせず、キュンとする瞬間を見つけていきたいと思います。

第13回常務理事会

1.「第56回(2025年度)日本看護学会学術集会 公募企画について(案)」について協議し、承認されました。

  •  第56回日本看護学会学術集会(テーマ:最適な看護をマネジメントする~「よい看護」を「どこでも」「ずっと」~)を、2025年9月12日(金)~ 14日(日)、ポートメッセなごやにて開催。
  •  看護に関するテーマについて企画者らが主体的に運営し、参加者と活発な意見交換や情報交換を行う「公募企画」について、1月14日(火)~2月14日(金)に、都道府県看護協会公募企画(8枠)と一般公募企画(5枠)の2つの枠で募集を行った。
  •  都道府県看護協会公募企画に7件、一般公募企画に11件の応募があった。
  •  後者については募集枠数を超えているが、看護に関するテーマであり、かつさまざまな視座を含む内容であるため、検討の上、すべて実施していただくこととした。

2.「母子のための地域包括ケア病棟の推進「母子のための地域包括ケア病棟推進会議」開催要項(案)」について協議し、承認されました。

  •  「母子のための地域包括ケア病棟」を地域で推進するため地域内の多機関で役割分担することの重要性を情報共有し、認識の統一をはかる。助産師が地域における女性とその家族への健康支援に関する地域のニーズに応えることの意義と具体的な方策について共有し、病院に勤務する助産師が院外で活動することのいっそうの推進をはかる。この2点を目的に開催する。
  •  開催日:2025年9月25日(木)、13:30~16:00(Webinar 形式で開催)
  •  主な出席者:総合周産期母子医療センターの看護管理者 ※総合周産期母子医療センター以外で勤務する者からの参加も妨げない。

3.「保健師の確保・活躍推進 習熟段階・学習項目の作成にむけた保健師の実践能力の明確化について(案)」について協議し、承認されました。

  •  今年度は働く場や領域等にかかわらず、すべての保健師に求められる「保健師実践能力」の明確化に向け検討を進めてきた。
  •  有識者と検討を重ね、「保健師実践能力(案)」を整えた。
  •  本会議での承認の後、関連団体等への意見収集を行い、来年度には、習熟段階・学習項目の検討を進め、年度内にパブリックコメントを実施予定。

4.「国際看護師協会(ICN)からの看護及び看護師の定義案への意見聴取について(案)」について協議し、承認されました。

  •  現在のICNによる定義は20年以上更新されておらず、専門職の裁量と貢献の発展を捉える ことができていない。
  •  医療制度改革、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、持続可能性への注目が高まる中、看護の役割が普遍的に認識され、定義されることは、医療提供の向上と患者のアウトカムの改善に不可欠であるとの考えの下、ICNは、世界中のヘルスケアシステムにおける看護実践、 リーダーシップ、アドボカシーの幅の拡大を反映し、世界的に統一された「看護」と「看護師」 の適切な定義を提供することとした。
  •  2024年には、改訂に係る事前調査が各国看護師協会を対象に行われ、本会も回答を行った。この結果を踏まえた定義案が今般あらためて提示されたため、これに対する意見を提出する。
  •  意見聴取結果を反映した定義案がICN理事会に提出され、2025年にヘルシンキで開催されるICN会員協会代表者会議(CNR)に諮られる予定。

5.そのほか

以上に加え、以下を含む25件の協議事項を議論し、書面による報告含む30件の報告事項を共有しました。

〈協議事項〉
  •  「看護師と准看護師の業務区分・役割分担にむけた情報交換会」への開催支援について(案)
  •  令和7年度厚生労働省「災害・感染症に係る看護職員確保事業」の受託について(案)
  •  2025年度ナースセンター・ハローワーク連携事業 オンライン相談モデル事業 実施要項(案)
  •  本会の新型インフルエンザ等対策業務計画の改定について(案) 等
〈報告事項〉
  •  2025年度「協会ニュース」年間計画
  •  「療養病棟入院基本料1 を算定しているDiNQL 参加病棟における夜勤帯の看護実態調査」結果報告について
  •  2024年度准看護師養成停止にむけた県協会との協働した活動報告
  •  「2025年ICN保健・人権賞」の結果について
  •  2024年度地域に必要な看護職確保推進事業 実施報告 等

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