副会長活動ダイジェスト

機関誌「看護」2024年3月号より

副会長  井伊  久美子

副会長 井伊久美子

制度は使わなければわからない

介護保険制度を初めて使いました(実際のサービスはこれからです)。介護保険制度の概要を理解しているつもりでしたが、実際に自分の家族で使ってみると驚きの連続でした。まず介護保険申請です。申請書類の作成や診断書なども医療機関のソーシャルワーカーにお世話になり、役所で受け付けした後、本人調査までに10日以上、その後判定結果が手元にくるまでに3週間以上……これが普通らしい。そして、担当のケアマネジャーが決定し、本人・家族面談までに10日間、ケアプランが作成され関係者で会議して確定するまでに数日要するということです。介護保険サービスを活用しようと本人・家族が意思決定して、サービスが入るまでに最低2カ月はかかります(市町村によるのでしょうが)。この間に本人の体調は低下し、要支援2ではなく要介護1ではないかという状況です。この変更ができるのは約4カ月後です。さらに、驚きだったのは契約の種類の多さです。が、それはまたの機会に。

副会長  任 和子

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姉の緊急入院からの学び

医療従事者として、自分や家族の病気の経験は深い学びとなります。先日、姉が大腿骨頸部骨折で緊急入院して手術を受けました。運よく入院後わずか3時間で手術となりました。私はコロナ対応で病室には入れませんでしたが、病棟から手術室まで同行し励ますことができほっとしました。その病院では、この手術は1週間くらい待たねばならないことが多いようです。入院日に手術したほうが早い回復を期待できますし、何より痛みを抱えたまま1週間過ごすのはつらいことです。待ち時間をなくすことは、患者が望む医療の質の重要な要素であることを再認識しました。気になったのは、看護師が18時ごろの忙しい時間帯に身元引受書などの入院に必要な書類の説明をしてくれたことです。しかも、その書類は平日の日中にあらためて入院窓口に持参しなければならないものでした。時間外で対応する窓口、あるいはデジタル化ができれば、業務フローはもっと効率的になるでしょうし、家族にとっても負担が少ないと思いました。

副会長  山本 則子

yamamoto

災害支援のために

令和6年能登半島地震の犠牲になった方々に深い哀悼の意を表し、被災され困難な日々を送る方々にお見舞い申し上げます。震災直後から、当協会も災害支援ナース派遣のために担当者が献身的に活動しています。今回の災害は半島という立地で発生したことから、支援の人や患者の移動ならびに物資の輸送に多大な困難が生じています。被害に遭われた方々のご無事と生活の1日も早い復旧のため、看護職も一体となって支援しなければなりません。災害の発生に当たり、多様な場で看護の支援が求められています。日ごろは個別の自宅という守られた場で家族にケアされながら過ごしていたさまざまな事情を抱えた人たちが、プライバシーを保つことのできない避難所での生活を余儀なくされています。災害が起こるたびに、災害支援は事前の準備が勝負の分かれ目だと感じます。医療機関だけではなく、あらゆる場におられる方々に必要な看護が迅速に届けられる体制の確立が必要です。

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