日本看護協会とは

副会長活動ダイジェスト

月刊『看護』2019年9月号より

副会長  井伊  久美子

副会長 井伊久美子

【総理の視察】

7月9日、安倍晋三内閣総理大臣が、香川県立保健医療大学に視察ということで来学。前日まで公表されなかったことから、大変珍しい方の突然の出現に、学生は大歓声でお迎えしました。本学は、看護学科はもちろん臨床検査学科もほぼ女子学生なので、「キャー」のトーンが通常の遊説の場よりも2段階以上高かったことと思います。また、学生たちは放っておいてもSNSで発信しますので、「総理来学」の拡散はそれなりになされたと思います。しかし、それが参議院選挙の彼女らの投票行動につながったかどうかはまったくわかりません。本学に限ったことかもしれませんが、学生たちは看護の制度や看護師の処遇についてどうも無頓着な様子です。また、そうしたことが国政選挙とつながっているとの実感もなく、ましてや総理と看護政策の接点を思い描ける人はたぶん皆無でしょう。若者が政治から積極的に離れているわけではなく、近しくなる術がないということだろうと思います。やはり、基礎教育の課題です。

副会長  齋藤  訓子

副会長 齋藤訓子

【医師の在宅医療への関心を高めるのはナース?】

先般、都内で開催された第1回日本在宅医療連合学会大会で「病院と地域がひとつになる」と題されたシンポジウムに指定発言者として登壇しました。この学会はこれまでの在宅医療に関する2つの学会が統合されたもので、私は、病院に在籍したまま訪問看護ステーションで働くことを試行した訪問看護出向事業の企画背景、成果、現状を発言させていただきました。フロアとのやりとりでは、病院に勤務する医師が在宅医療に関心がないので調整が難しいケースがあり、何か打つ手があるかといった質問が出されました。シンポジストの1名が「ナースから背中を叩いてほしい」と発言され、また、他のシンポジストである急性期病院の看護局長さんは、ナースが患者さんの声を聞き取り、医師に「家に帰りたいと願っているので、こうしていきましょう」と早々に提案するようになっているとのこと。なぜ、そのようなことができるようになったのか。訪問看護ステーションでの研修が大きな影響を与えたようです。

  • 日本在宅医療学会・日本在宅医学会

副会長  秋山  智弥

副会長 秋山智弥

【自律した看護師の判断が看護の専門性を高めていく】

7月26日、タスク・シフティングに関する厚生労働省のヒアリングに赴き本会の考えと提案事項*1をプレゼンテーションしました。医師から看護師へのタスク・シフティングとして本会から提案した内容は①現行法で実施可能な特定行為の推進、②現行法に加え何らかの行政解釈を要するであろう看護師の判断によるタイムリーな医行為の実施、③現行法の改正が不可欠なナース・プラクティショナー(仮称)*2の創設。②の具体的提案は、「救急外来等で医師の診察前にタイムリーな検査を看護師の判断で行えるようにすること」「緩下剤や皮膚保護剤など療養上の世話に必要な薬剤の使用を看護師の判断で行えるようにすること」です。いずれの提案も「看護の将来ビジョン」に基づき、医療と生活援助を同時に行える専門職として、国民へのタイムリーな医療提供に資する内容です。看護師の裁量拡大は決して看護の専門性を狭めるものではありません。むしろ、自律した看護師の判断がますます看護の専門性を高めていくと確信しています。