日本看護協会とは

副会長活動ダイジェスト

月刊『看護』2019年10月号より

副会長  井伊  久美子

副会長 井伊久美子

【大学院における保健師・助産師教育】

今年度の全国保健師教育機関協議会夏季研修会に、初めて参加した。パネルディスカッションでは、患者団体のNPOの代表から「プライバシーに触れることについて慎重すぎる、踏み込まないで支援できるのか?」とか、現場保健師からは「人とかかわるのが好きでない」と堂々と言う新人や、誰が出るかわからない家の電話にかけることができない新人の衝撃的なお話があった。現在の教育の選択制にしても実質1カ月程度の実習に、保健師活動の基礎的な経験を位置づけるというのはどう考えても無理筋だ。ここはやはり、保健師教育は大学院で、実習は10単位以上を実施すべきと思う。教えるべきことは教えないといけない。すでに助産師は40校が、保健師は13校が大学院教育を行っている。しかし、残念なことに保・助どちらもまだ大学院教育のモデルカリキュラムがない。あるのは、明文化もされていないが30単位+指定規則計58単位の総単位で縛る指導のみ。モデルカリキュラム構築は急務だ。

副会長  齋藤  訓子

副会長 齋藤訓子

【外来看護の機能強化のための政策は何か?】

前回、日本在宅医療連合学会大会で医師の在宅医療への関心を高めるナースのかかわりについて記載しました。この会場で、参加者から外来看護の充実について本会の取り組みを問われました。内心、こりゃ痛いと思いました。入院サービスにおける看護の評価については手厚い人員体制、専門家の活動の評価等、実現できていますが、外来でのサービスについては、なかなか提案が実現せず、また研修等の事業実施も多くはない状況です。2040年に向けた社会保障の課題に関する厚生労働省内の検討報告の中には重症化予防や壮年期からの健康問題への関心を高めることなどがうたわれていますが、外来こそ重症化予防への取り組みや生活行動変化の確認ができる場であり、その場での看護は重要な役割を果たします。2040年に向けて今一度、外来看護のあり方を見直し、保険者が行っている保健指導との連携や在宅医療・介護との連携が、いっそうはかれるよう政策的な提案をし、実現できればと思っています。

副会長  秋山  智弥

副会長 秋山智弥

【海外で感じる日本の看護】

8月21、22日、米国ミネソタ州ロチェスターにあるメイヨー・クリニックで開催された国際看護シンポジウムに参加してきました。同院を訪れたのは実に15年ぶり。この間、患者安全や継続的質改善、現任教育システムなど、さまざまな先駆的取り組みを参考に、現場の実情に即した形で応用、導入してきたことを懐かしく思い起こしました。全米ランキング1位を誇り、マグネット・ホスピタルの称号を維持し続けるメイヨーの取り組みにはただただ脱帽するばかりですが、一方で、国民皆保険を有するわが国において、圧倒的なマンパワーの差がありながらも看護実践の中身では決して引けを取らないと感じました。「holistic care(全人的ケア)」「caring(ケアリング)」といった言葉を聞くたびに、そうした言葉の意味するところが、私たち日本人にとってはあまりにも当たり前のように「看護」という概念に含まれており、あらためて名づけるまでもないとさえ感じるのは私だけでしょうか。日本の看護にはケアの本質が息づいている─海外に出るたびにそう感じさせられます。