副会長活動ダイジェスト
機関誌「看護」2025年9月号より
副会長 任 和子
「経済財政運営と改革の基本方針2025」等について議論
6月19日(木)に開催された社会保障審議会医療保険部会に出席しました。今回、「経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太の方針2025)」等の政府方針が報告され、医療・介護分野での賃上げの明記を受け、医療従事者の処遇改善を求める意見が相次ぎました。私は、物価高騰下で経営が厳しい医療機関や訪問看護ステーションの実情を踏まえ、看護職を含む人材確保のため、明記された賃上げの確実な実施を強く訴えました。2024年度の看護師基本給が1.1%増に留まり、他産業との格差が拡大していることから人材流出の懸念も共有しました。加えて、「規制改革実施計画」に盛り込まれたオンライン診療の推進では、「D to P with N(医師-患者間の遠隔診療を看護師が支援するモデル)」にも触れ、看護師がICT支援や生活支援を通じて地域の療養を支えている重要性を説明しました。今後も、安全性と有効性を担保した対面診療との適切な組み合わせのもとで、現場の実態に即した制度設計が求められます。
副会長 山本 則子
副会長としての活動
私が副会長として現在参加しているさまざまな活動は、1)政府関連、2)各種団体関連、3)日本看護協会内の各種会議、4)その他、に分かれます。政府関連の会議では、①厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会、②同障害者部会、③こども家庭庁の障害児支援部会、④厚労省の医道審議会看護師特定行為・研修部会があり、これらのそれぞれの会議について、本会内の担当部署と相談し意見を決めて出席します。政府関連の会議だけでもかなりの時間数になり、週によってはほぼ毎日、本会関係の仕事が入ります。私は大学の研究者としての本務があり、学部および大学院の教育、各種の研究を進めつつ副会長の仕事をしておりますので、このダブルワークの両立はなかなかチャレンジングで、常にスケジュールとにらめっこしながら日々活動しています。幸いにも部会はオンライン参加が可能です。この機能がないころの副会長さんたちは、どうやってこのダブルワークをこなされてきたのか想像できないほどです。
副会長 勝又 浜子
看護職員確保へ実効性のある取り組みを
7月4日(金)に社会保障審議会医療部会が久々に開催。今般の通常国会において「医療法等の一部を改正する法律案」が継続審議となりましたが、可決した場合、スムーズに実行に移すため、2024年12月に取りまとめられた新たな地域医療構想の考え方を踏まえ、地域医療構想、医療計画、医師偏在対策に関する検討体制および検討事項等について議論されました。地域医療構想等に関する検討会のほかに、在宅医療および医療・介護連携に関するWG等を設置し、2026年3月ごろまでに取りまとめる予定が示されました。私が、再三にわたり発言してきた看護職員の確保に関する事務局の考えを問うと「第9次医療計画策定の際に各種資格制度を担当する課と連携しつつ検討を進める」との回答でしたが、新たな地域医療構想のガイドラインの検討・策定を進める際には、医師偏在是正とともに看護職員の確保・偏在是正について、各都道府県において実効性のある取り組みが推進されるよう具体的な記載を要望しました。
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