日本看護協会とは

副会長活動ダイジェスト

月刊『看護』2021年8月号より

副会長  井伊  久美子

副会長 井伊久美子

【保健師の役割機能に関する調査研究】

令和4年度厚生労働科学研究の課題として新たに「保健所における感染症対策担当保健師の役割機能に向けた研究」が挙がっている。新型コロナウイルス感染症対策の経験を踏まえ、平時の体制整備や、保健所と市町村の協働による活動等を取りまとめるということだ。全国に感染症担当保健師が何人いるのかわからないが、その前に保健所機能はどうするのだろうかと誠に疑問に思う。研究としてはパーツパーツで調査するしかないのだろうが、感染症対策における保健所機能は大きく見直す必要があると多くの関係者が考えていると思う。今度こそ保健所改革を!ところで、当方の取り組んでいる厚生労働科学研究※1は今年で3年目の最終取りまとめに入る。保健師の活動指針に関する全国調査※2を実施したが、地区活動等地域を基盤にした取り組みが全体に低調であることや、人材育成、小規模町村の事情等、保健師活動の基盤にかかわる課題があることが把握できた。これも見過ごしにはできない。

  • 1.保健師活動の展開推進及び統括保健師の役割遂行力開発
  • 2.令和元年度厚生労働科学研究費補助金「保健師活動指針に基づく保健活動の展開に関する調査」

副会長  齋藤  訓子

副会長 齋藤訓子

【「医療的ケア児支援法」可決!】

非常にうれしいニュースでした。議員立法で「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が成立しました。日本の出生数が減少していく一方で、人工呼吸器等を必要とする医療的ケア児は年々増加しており、そして成長していきます。これまで医療的ケア児への支援は児童福祉法や障害者自立総合支援法等で対応してきました。しかし、ケアサービスの不足や、成長発達に応じた支援の欠如により家族が就業を継続できず離職に至ることがありました。今回の法律は、家族の離職防止にも触れており、また教育との連携として保育所や学校に看護師の配置等を支援する措置が含まれています。さらに都道府県の指定により医療的ケア児支援センターが設置され、総合的な相談や医療、保健、福祉、教育、労働等関係機関への情報提供や研修が行われていきます。この法律の施行によって、医療的ケア児とその家族が地域の中で暮らし続けられる仕組みになるといいなぁと期待しています。

副会長  秋山  智弥

副会長 秋山智弥

【有事だからこそ開花する看護の技】

通常総会で信任を賜り、3期目がスタートしました。コロナ禍で長きにわたり、あらゆる場で看護を提供し続けてこられたすべての皆さまに心より感謝の意を表します。目に見えにくい看護職の働きですが、最後の砦として、孤立を余儀なくされた方々への受話器越しの声かけやマスク越しのほほ笑みかけなどを通して、人々の心へ直に浸透してきたのではないでしょうか。数カ月前、面会ができない重症患者のために、ぬるま湯を入れた医療用手袋でその手を包み込み、あたかも家族に手を握られているかのようなケアを実践しているブラジルのナースが話題になりました。医療の質や安全が今ほど問われなかった時代、看護職の創意工夫が無限大だったころをノスタルジックに思い出し、うれしく思ったのは私だけでしょうか? 有事だからこそ、看護職の患者への深い関心とケアへの専心、そして豊かな発想力が花開くのかもしれません。見えずとも感じさせ、触れずとも届かせるケアの技をいっそう磨いていきたいものです。