副会長活動ダイジェスト

機関誌「看護」2026年6月号より

副会長  任 和子

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看護の本質を次代に伝える ― 秋山会長講義に寄せて

秋山会長に私が勤務する大学で、看護職を含む医療職をめざす新入生に向けた講義をしていただきました。会長は看護を「医師の治療というレシピを、患者が受け取れる“おいしい料理”に調える営み」と表現されました。医学が疾患の「粒子性」を捉えるのに対し、看護は患者の生活の「波動性」を継続的に支えます。この対比は、学生にとって看護の独自性を直感的に理解する契機となったようです。講義で紹介された在宅で人生の最終段階を過ごしたいという患者の願いをケアによって実現した事例も、看護の力を象徴するものでした。学生のレポートを読むと、「関心こそが看護の出発点である」という原則が、他職種の学生にまで深く響いていました。Careの語源でもある「関心」は、人が人に向き合うあらゆる営みに通底する普遍的な価値を持っています。言葉と実践の双方によって次代へ手渡していくこと、そして一つひとつの看護実践が、次代を育てる教育そのものであることを、あらためて心に刻む機会となりました。

副会長  山本 則子

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情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等に関する検証会議

日本医師会の「情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等に関する検証事業」の検証会議に出席しました。医師による死後診断が困難な地域では、死亡前に居宅等を離れて入院する、あるいは死亡後に遺体を長時間保存・長距離搬送するといった事例が生じていることから、対策が必要であるとの閣議決定に基づき、2017年に「情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等ガイドライン」が策定されました。これにより、事前に予測された死亡例に関し、一定の研修を受講した看護師が遺体の様子を確認して医師に報告し、医師がこの情報に基づき死亡診断して看護師に死亡診断書の代筆を指示できるようになりました。本会議は、実事例を確認しつつ、ガイドラインの見直しの検討を目的としています。今年でガイドライン策定後9年目になりますが、丁寧な検証と改善が必要です。一つひとつの事例を確認する中で、多死時代の日本社会において、国民のために必要とされる活動の一つであり、今後の発展が望まれると感じました。

副会長  勝又  浜子

副会長 勝又浜子

地元の医療を支える看護職をどのように確保するか

「2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会」が4月10日に開催されました。検討会開始に向けて構成員の先生方と個別に意見交換を行う中で、「看護の大学はその多くが都市部にあり地元に定着しない一方、養成所卒業生は地元の地域医療に貢献している」との声が関係者から聞かれ、この課題の解決が必要であるとの意見が多数ありました。確かに厚生労働省の資料によると、3年課程養成所の県内就業率は80.1%である一方、看護大学の県内就業率は58.2%となっています。しかし、病院に入職して5~7年で病院を退職し、そのうち2割は都市部の病院に、それ以外は地元の中小病院に再就職する看護職が多いとの意見もありました。この感覚をデータで示す必要があると考えますが、離職理由や転職先を把握することは、実態として非常に難しい状況にあります。新卒だけに頼る時代はもう終わりました。どのようにして地元の医療を支える看護職を確保するのか知恵を絞ります。

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