日本看護協会とは

副会長活動ダイジェスト

月刊『看護』2017年3月号より

副会長  菊池  令子

副会長 菊池令子

【平成30年度診療報酬・介護報酬同時改定に向けた検討―第341〜344回中医協】

平成30年度診療報酬改定に向けて、中医協では12月から議論が開始されています。今後の主な検討項目は、(1)医療機能の分化・連携の強化、地域包括ケアシステムの構築の推進(入院医療、外来医療、在宅医療、医療と介護の連携)、(2)患者の価値中心の安心・安全で質の高い医療(アウトカムに基づく評価、患者等への情報提供や相談支援等)、(3)重点分野、個別分野の質の高い医療(緩和ケア、認知症患者、精神疾患患者等)、(4)持続可能性を高める効果的・効率的な医療(医薬品、医療機器等の適切な評価、イノベーションの推進;バイオテクノロジー、AIなど新技術への対応)が予定されています。まず、在宅医療や入院医療についての現状や推移が示され、総論的な議論が開始されました。本会は、医療資源の乏しい地域においては、地域医療支援病院などの病院資源を地域で活用する仕組み(例えば、病院看護師の訪問看護ステーションへの出向等)が必要で診療報酬上の論点にすることなどを主張しました。

副会長  大久保  清子

副会長 大久保清子

【予防の充実を!データで見る脳卒中の現状】

日本脳卒中協会の理事として会議に出席しております。脳卒中有病者数の年間推移は年々上昇しており、患者数は250万人以上で、寝たきりなど重度の要介護の原因の約3割を占めています。認知症の原因の3〜4割ともいわれ、入院期間が長く、本人のみならず家族の負担が大きくなっています。脳卒中での医療費は約1兆7000億円が使用され、がんに次ぎ2位です。70歳以上の医療費では1位になっています。介護費用は約1兆9000億円の計算がされています。患者さんの生活の質を著しく損なうのみならず、家族・社会の負担も大きく、医療経済面から見ても、治療には多大なるコストがかかります。健康寿命の延伸をめざす中、予防が要となります。1次予防の健康増進や生活習慣改善では、学校教育や国民啓発。2次予防の早期発見や早期治療、進行抑制では、健診や救急医療体制。3次予防の再発予防や再入院予防では、リハビリ、在宅医療、介護、社会復帰支援。これらの充実が急がれます。

  • 平成12(2000)年厚生労働省研究班(主任研究者:鈴木一夫)データより

副会長  真田  弘美

副会長 真田弘美

【変わる未来の看護にロボティクス(ロボット工学)をどう活用するか】

米国ではトランプ大統領がTPP離脱、メキシコ国境に壁をつくるなどと発表し、世界が大きな混乱に巻き込まれている。“変わっていくこと”の楽しみよりも、不安が先行する時代となっている。日本はどうだろう。高齢ドライバーによる事故など超高齢社会の新しい不安に直面している。ブレーキとアクセルを踏み間違えるといった運転ミスは多くの犠牲者を出してきた。一方、希望の星であるロボティクスやAI(人工知能)は“秒進日歩”と言われるほど日々変化している。この状況の中、日本は、高齢者の運転を規制するのか、テクノロジーを優先するのか問われている。高齢者の尊厳を守り、幸せな高齢社会を実現するためには、日本は必然的に車の自動運転を選択するだろう。看護も、人がするより安全で快適なケアを提供できるロボットやAIをどのように活用するか、その姿勢が問われている。本会も、未来の医療や介護に向けて、ロボティクス技術をどのように考えるか立場表明する時期が来ている。