協会ニュース2026年6月号

令和8年度通常総会「看護の将来ビジョン2040」の実現に向けて

日本看護協会は6月10日、令和8年度通常総会を幕張メッセ(千葉県)で開催した。総会には749人の代議員が出席し、一般参加者1,300人が参加した。
総会では、議決事項の「名誉会員の推薦(案)」「2026年度改選役員及び推薦委員の選出について」と四つの報告事項が協議・報告された。議決事項はいずれも承認され、理事に片岡弥恵子氏が新たに選ばれた。
会長として初めての通常総会に臨んだ秋山智弥会長は、開会のあいさつで「この1年、これまでの経験や知識を総動員して、会員の皆さま、そして看護職のために、本会がいかに在るべきかを常に熟慮しながら務めてきた。2年目も初心を忘れることなく、皆さまの代表として、共に本会の使命を果たすべく、引き続き精一杯努めていく」と力強く語った。 
続けて、日本では急速に少子化が進む中「2040年、その先を見据え、現役世代減少の中でも安心して暮らせる社会をつくることに、一刻の猶予もない」と述べた。限られた人数で質の高い看護の効果的・効率的な提供に向け、「看護の将来ビジョン2040」にも掲げた「より質の高い看護実践のための教育制度改革の実現」が必要であり、本会が「看護師基礎教育の4年制大学一本化」を目指すことを理事会で決議し、本年度の重点政策に位置付けたことを説明した。「将来を見据えればこそ、看護教育制度は今、大きく転換していく時機にある」との考えを示し、その趣旨への理解を求めた。また、看護職の処遇改善については「自律した専門職として看護の質向上に努め、昼夜を問わず質の高い看護を提供することに見合う価値が、賃金として十分に反映されるべき」と強調。令和8年度診療報酬改定や介護報酬などの臨時改定により処遇改善が進んだが、依然として十分とは言えない状況にあるとして「他産業並みの賃上げはもとより、専門職としての役割と責任に見合う処遇の実現を引き続き国に強く求め、現場の看護職に着実に行き届くよう取り組む」と述べた。さらに、処遇改善、看護職のウェルビーイング向上や多職種協働の推進など、あらゆる場面において看護管理者が重要な役割を担うとし、その活躍への期待を示すとともに「本会としても認定看護管理者制度の充実や、その活躍を支援する取り組みを推進していく」と述べた。
最後に「世界情勢が揺れ動く中でも、本会は看護の職能団体として、平和への思いは決して揺らぐことなく、かけがえのない未来を守っていきたいと、決意を固くしている。そして看護の道を歩む者同士、一人でも多くの看護職の皆さまと、これからの未来を一緒につくっていきたいと願っている」と締めくくった。
協議・報告後の退任役員の紹介では、井本寛子常任理事のほか、地区理事7人、准看護師理事1人、監事1人が紹介され、代表して井本常任理事があいさつを述べた。
通常総会の詳細(重点政策・重点事業、質疑など)や6月11日に開催された全国職能別交流集会については、本紙7月号に掲載予定。

2026年度 改選役員及び推薦委員選挙結果

<役員>

【副会長候補者】勝又浜子
【理事】片岡弥恵子、橋本美穂、松本珠実
【地区理事】北海道:髙橋久美子、青森県:川野恵智子、岩手県:相馬一二三、秋田県:山岡ふき子、栃木県:小松富恵、千葉県:増渕美恵子、東京都:柳橋礼子、新潟県:池田良美、富山県:岡本里美、岐阜県:篠田耕造、愛知県:平岡翠、滋賀県:草野とし子、京都府:豊田久美子、大阪府:弘川摩子、奈良県:春木邦惠、和歌山県:高岸壽美、岡山県:二宮一枝、香川県:冨山清江、長崎県:日野出悦子、熊本県:宮下恵里、宮崎県:久保敦子、鹿児島県:宮薗幸江
【准看護師理事】針生真由美、森川さやか
【監事】井伊久美子、松石和也

<推薦委員> 

大西順子、岡田昌子、木村ひづる、渋谷美保子、新谷順子、鈴木美智子、田中かおり、仁井田秀子、西谷内由美、長谷川美穂、山本洋子

※投票総数は749票。各氏の得票数は本会HP参照。
※通常総会後に開催した理事会で、副会長は勝又氏、常任理事は片岡氏、橋本氏、松本氏が承認された。

厚生労働大臣へ要望 看護職の処遇改善と看護師基礎教育の4年制大学化などを要望

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秋山智弥会長は5月26日、厚生労働省を訪問し上野賢一郎厚生労働大臣に、令和9年度予算案等の編成および政策の策定にあたり、看護職員の処遇改善など4点を要望した。

秋山会長は「物価高騰が続く中、看護職がやりがいを持って働き続けられるよう、職務に見合う処遇改善が必要。特に夜勤従事者の確保に向けて、その適切な処遇や夜勤負担軽減策の実施が不可欠である」と訴えた。また、看護師基礎教育などについては「養成所の定員割れは深刻であり、大学志向も踏まえると、看護師基礎教育の4年制大学化や養成所などから大学への転換支援が必要である」と説明。さらに「看護職確保には地域差が大きく、偏在是正のための総合的な対策が必要」と述べた。
これに対し上野厚生労働大臣は、処遇改善の重要性は認識しているとした上で「昨年度の補正予算や今年度診療報酬で対応しており、その反映状況を見ていく必要がある。今後、物価高が継続した場合には、機動的に対応していきたい」と述べた。また、看護師基礎教育の4年制大学化については「将来的には視野に入ると思うが、すぐに対応することは難しい課題」としつつ「必要性は理解する」と応じた。最後に社会保障制度と税の一体改革について「今後、骨太の方針で政府としての方針を公表する。社会保障に必要な予算の確保に向け、厚生労働省としても努力していく」と述べた。