進学体験談

2年課程(全⽇制)卒業/Kさん(50代)


現在、看護師11年⽬で看護師⻑の役職につきながら、⽇々、患者や家族に寄り添う看護を実践している。結婚や出産、育児などのライフイベントを迎える中、全⽇制の志望校で集中して看護を学びたいという望みをかなえるために、計画的に準備をして進学。


[利⽤した奨学⾦・給付制度など]勤務先の病院の奨学⾦

ー 進学のきっかけを教えて下さい

私は、もともと准看護師ではなく、看護師になりたいと思っていました。准看護師資格を取得した当時、すぐに進学できる環境にはなく、その後、結婚や出産、育児などで進学が難しくなりました。1⼈⽬の⼦育て中に、地域に全⽇制の学校が出来たことを知り、時機をみて「絶対にここに⾏きたい」と思っていました。看護師資格を取得したあと20年以上働きたいと考え、40歳前半までには進学すると⼼に決めていました。2⼈⽬の⼦供がある程度成⻑したタイミングに合わせて進学できるよう準備し、41歳で⾏きたかった全⽇制の学校に進学をしました。

ー どのように進学先を選びましたか

私は、集中して勉強をするタイプなので2年間学んでやり切りたいという気持ちがありました。准看護師の資格をとってから時間がたっていたため、勉強について⾏く⾃信が無く、仕事をしながら学ぶ定時制はハードルが⾼いと感じていました。看護を初めから学びたい気持ちで、全⽇制を選びました。また、⾃宅から近く、学費が他の学校に⽐べて⾼くなかったことも学校を選んだ理由の⼀つです。

ー 進学のためにどのような備えをしましたか

全⽇制への進学の間、私が全く働かなくなった場合の家計の経済的な負担を軽くできるよう、病院でのパート勤務(午前中)以外に、週に1度、施設での夜勤のパートをして学費を貯蓄しました。また、勤務先の病院では、私の志望校への推薦⼊学制度や進学者に対する奨学⾦制度がありました。上司に相談した結果、パート勤務者でしたが学校に推薦いただけたうえ、病院を退職することなく、⽣活費に充てるために奨学⾦をいただきました。⾦銭的には万全な備えをしたつもりでしたが、進学後は欲しい参考書がでてきたり、実習先への交通費など、想定していなかった出費がありました。なんとか、やりくりして乗り切りました。

ー 進学して楽しかったことを教えて下さい

⾏きたい学校に⾏けた喜びが⼤きくて、この年齢で学べることがうれしくて、充実していました。同級⽣は、⾃分より少し年齢が上の⼈や20代〜30代の⽅など様々でしたが、みんな真剣でともに学び合い、たくさんの影響を受けました。⼀緒の教室で机に向かって学ぶことや、学び⽅を教わることが新鮮でしたし、看護ってこういうものなのかなど、先⽣⽅の熱意もとてもありがたかったです。

ー 進学して⼤変だったことがあれば教えて下さい

⼤変だろうということは、ある程度覚悟していました。⾊んなことがあっても、看護師資格をとる通過点だと思っていましたので、今思えば、次に進むために必死でした。私が進学している間、家族や⼦どもに迷惑をかけたり、寂しい思いをさせていると感じていましたが、この2年間は時間をもらっていると考えて、⾟いとか辞めたいと思ったことはありませんでした。

ー 勉強のコツや仕事・⽣活を両⽴させるうえでの⼯夫を教えて下さい

⽇々の家事は夫と分担して、授業の無い休みの⽇には、⼦供優先で動くようにメリハリを意識していました。進学中は、授業参観などには⾏けなかったので、その分、⼦供の習い事をできるだけ⾒守ったり、送迎をするようにして⼦供との時間を作るようにしました。でも、必ず、外出する時には、教科書やノート、当時スマートフォンはありませんでしたから電⼦辞書を持ち歩いて、隙間時間で勉強をすることもありました。

スケジュール

ー 看護師の資格を取得してどうですか

看護師の資格を取得して、看護実践の根拠やアセスメントが深くなったと感じています。学校で学び、知識や経験が増えたことで、⾃分の⾃信につながっています。院内での役割では、後輩指導や管理職の役割を任されるようになり、主任やプリセプターなどを経て、3年前から看護師⻑になりました。今も患者や家族に寄り添うことがどういうことなのかを考える過程にいます。これからも、患者さんや家族と触れ合って、⼀⼈ひとりの⾟さや痛みを感じながら、看護師として関わることを続けていきたいと考えています。

ー 進学を考えている准看護師の皆さんへのメッセージをお願いします

看護師の資格を取りたいという気持ちを⼤切にしてほしいです。ライフステージでは⾊々なことがありますので、進学のタイミングはいつ訪れるかわかりませんが、どこかで時機を⾒極めて、実現にむけて⾏動していったほうがよいと思います。「えいっ」と⾏動したその後は、頑張れると思います。