看護師資格取得後の対応

看護管理者は、准看護師が看護師資格を取得した後に、引き続き同⼀組織内で就業を続けることを希望している場合には、准看護師から看護師になった場合の給与体系や准看護師の経験を踏まえたうえで、看護師として育成をするための⽅針を整理する必要があります。

給与について

「准看護師が看護師資格を取得し看護師として勤務を始めると、給与が減額されることがある」という声が寄せられることがあります。⽇本看護協会では、就業経験のある准看護師が看護師資格を取得し看護師として就業する際、准看護師として働いていた時より賃⾦が下がることは望ましくないと考えています。また、労働契約法上、組織における就業規則や給与規定の定めによる場合や、個別の労働契約の変更による場合のいずれであっても、給与の減額は准看護師当事者にとっては労働条件の不利益変更にあたるため、准看護師当事者の⾃由意思による同意がないままに⼀⽅的に⾏うことは禁⽌されています(労働契約法第8条)。新たに看護師としての適⽤賃⾦額を決定するにあたっては、看護師資格者であることに加えて、准看護師としての実務経験、職場でのいままでの勤続実績などを加味し、従来の⾦額を下回らない額に位置付けることが適切と考えられます。

詳しくは、よくある質問をご参照下さい

准看護師から看護師資格を取得した職員の育成について

准看護師としてのこれまでの業務経験内容などを踏まえ、看護師に求められる実践能⼒や卒業時の到達⽬標と照らし合わせ、対象となる職員の看護実践能⼒の判断を行った上で、⾃施設の基準などに従って、個々の教育計画をたて看護師としての実践能⼒が⾝につけられるよう、育成に取り組んでいきましょう。看護師資格の取得後、「委員会のメンバーとなり、やりがいを感じている」、「患者をアセスメントし、しっかりと看護計画を⽴てられるようになりたい」など、本⼈のやりがいや⽬標をヒアリングして、⼈材育成に⽣かしていくことも⼤切です。