進学⽀援の具体策

准看護師を雇⽤している施設では、様々な⽅法で進学⽀援が⾏われています。看護師資格を取得することを前提に准看護師の採⽤を⾏っている例や、院内の教育プログラムの中に位置づけて、組織として積極的に進学を勧めている例などがあります。実際に取り組まれている進学⽀援の具体例を紹介します。

休暇や夜勤などの勤務調整を行う

スクーリングや実習、国家試験前には、まとまった休暇や半日の休暇等が必要になります。夜勤のシフトの調整で対応できる場合もありますので、進学者と相談しながら、学習の年間スケジュールをもとに、学習に余裕のある時期、まとまった休暇が必要な時期などを把握して、勤務調整を行います。

進学による休暇制度や短時間勤務等の制度を設ける

組織として、進学者を対象に期間限定の休暇制度(年単位)や短時間勤務等の制度を設ける方法があります。退職せずに進学できることは、進学者の経済面や社会保険などの点での安心につながり、組織にとっても看護師資格取得後に復職してもらえるため、双方のメリットがあるといえます。

進学中の学習や通学、実習期間中などに活用できる特別休暇を設ける

2年課程(定時制や通信制)では、臨時の登校日が発生するなどで、年次有給休暇では「十分に休みが取れず、休職扱いになってしまう」との声があります。このため、進学中の学習や通学、実習期間中に活用できる休暇(1日単位)を設ける取り組みを行っている組織もあります。

通学や休暇の取りやすい部署への異動

急性期病棟など日頃から業務が慌ただしく、残業が発生する部署では、業務終了後の登校や学習の予定が立てにくいといえます。例えば、外来や検査室など比較的、残業が少なく、終業時間の見通しが立ちやすい部署への異動によって、対象者は、学習と仕事の両立が図りやすくなる場合があります。

定期的な面談

進学後の対象者に関心をもち、定期的な面談の機会を設けて、学習の進捗状況や学習意欲、学習と仕事の両立以外に看護の学習面で困っていることなどについて把握することも進学支援として大切です。効果的な学習が行えるよう組織としてできる支援について検討することができます。

働きながら学習を深められるような学習支援

働きながら学ぶことのメリットとして「学校で習ってきたことをすぐに職場で経験できた」という声をききます。学習内容に応じて、受け持ち患者や医療処置が経験できるよう業務調整を行うことも支援の一つといえるでしょう。座学での学習と実際の現場での経験は、実態の伴った学習につなげることができます。また、職場の先輩看護師や同僚に対して、学習課題の相談や質問をする機会が持てることも、学習を深めることにつながります。

進学者むけの奨学金制度を設ける

進学者向けの奨学金(貸与型・給付型)を設ける取り組みを行っている組織もあります。