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協会ニュース2026年7月号
保健師活動指針 13年ぶり改正 2040年を見据え新たな方向性示す
厚生労働省は、令和8年5月15日付けで「地域における保健師の保健活動に関する指針」(以下、保健師活動指針)を改正した。
保健師活動指針見直しの背景
今後の人口構成の変化や、さらに複雑化・複合化するニーズの増大などを受け、保健分野に限らず医療・福祉分野などにおいても、保健師の役割発揮が一層期待されている。一方で小規模自治体の増加が見込まれ、保健師の人材確保にも課題があることから、厚生労働省は2024年に「2040年を見据えた保健師活動のあり方に関する検討会(以下、検討会)」を立ち上げ、検討を進めてきた。日本看護協会からは松本珠実常任理事が参画し、これからの保健師の役割や活動の基本的な方向性、都道府県・保健所・市町村における取り組みの明確化の必要性について意見提出を行ってきた。検討会では、保健師の確保・育成や、効果的・効率的な保健活動、都道府県と市町村の連携、保健師活動のマネジメントについて取りまとめられ、それを踏まえて保健師活動指針が改正された。
改正保健師活動指針の概要
今回の改正では、既存の第一と第二に加え、第三「保健師のマネジメント」が新設された。第一「保健師の保健活動の基本的な方向性」は、保健師が重視すべき基本的な考え方や視点が示しており、今回の改正で大きな変更点はない。第二「活動部署に応じた保健活動の推進」では、社会が変化する中で第一を維持・発展するために取り組むべき具体策が示されており、今回の改正で大きく見直された。保健活動を行う上で都道府県および市町村が行うべき役割や、人口構造の変動に応じてA類型市町村(高齢人口増・生産年齢人口減)とB類型市町村(高齢人口減・生産年齢人口減)に大別し、それぞれに応じた保健活動のあり方について示された。第三では、統括保健師および総合的なマネジメントを担う保健師の配置が求められた。第二で示された各具体策を推進するには保健活動のマネジメントが不可欠であるため、自治体全体の保健施策を分野横断的な視点で推進する「統括保健師」と、保健所において地域の健康危機管理体制を整備するとともに、平時から管轄市町村の保健活動および人材育成を推進する「総合的なマネジメントを担う保健師」を明示的に位置付け、それぞれの役割について明記された。
2040年を見据えた保健活動に向けて
2040年に向けた社会環境などの変化に対応するため、保健活動は、今まさに変化を求められている。各自治体においては、2040年に向け、改正保健師活動指針を保健活動の道しるべとして活用し、統括保健師の配置を進めるなどの体制整備も進めていただきたい。また、今後は自治体における統括保健師の配置も進むことが期待されており、医療機関や企業、施設などにおいては、統括保健師を窓口に、地域の看護提供体制の構築に向けた連携・協働を進めていただきたい。
本会では、改正保健師活動指針の周知・普及を目的に、小冊子の作成や都道府県看護協会と連携した研修などを実施し、2040年を見据えた保健活動の推進に向けた取り組みを進めていく。
健健康保険法等改正による出産の標準的な費用の現物給付化へ
法改正までの経緯
国では、妊娠・出産に対する支援として、出産育児一時金の引き上げや出産費用の見える化などを進めてきたが、出産
費用の上昇により、支給額を引き上げても妊産婦の負担軽減につながらないことが課題となっていた。このため、2023年12月に閣議決定された「こども未来戦略」では、出産費用(正常分娩)の保険適用導入を含め、出産に関する支援のさらなる強化を検討する方針が示された。24年に設置された厚生労働省「妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策に関する検討会」には日本看護協会も構成員として参画し、産前から産後への切れ目のない支援体制の構築や、助産師の役割発揮などについて意見を述べてきた。
概要
健康保険法の改正により、出産育児一時金に代わる給付方式が導入される。保険給付として「分娩費」が創設され、分娩1件当たりの基本単価が設定されるとともに、指定助産所、登録助産師が規定される。分娩取扱医療機関等または指定助産所で分娩の手当を受けた場合は、その費用が保険者から当該施設へ直接支給(「現物給付化」)される。また、出産時の費用負担の軽減を図るため、全ての妊産婦に対し定額の「出産時一時金」が現金給付される。
当分の間は、施設単位で現行制度を選択することも可能である。妊婦健診についても、標準額の設定やサービス内容、費用の見える化が進められる。

今後
施行日は公布後2年以内に政令で定める日とされており、基本単価や施設基準、施設の体制・役割などを評価する加算についても今後検討される。また、指定助産所および登録助産師の申請方法などについても、今後示される予定である。本会は、全国どの地域でも安心・安全に出産できる体制整備に向け、今後の具体的な検討へも参画をしていく。
医療保険制度改革の詳細は、厚生労働省HP(※)をご参照ください。
※ 医療保険制度改正法が成立しました(厚生労働省ホームページ)

