協会ニュース 2022年2月号

日本看護サミット2021「看護職の就業継続が可能な働き方で、看護の未来を拓く」ハイブリッド開催で2,140人が参加

日本看護サミット2021が2月4日に開催された。「看護職の就業継続が可能な働き方で、看護の未来を拓く」をテーマに、新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点から、会場参集とオンライン視聴のハイブリッド形式で実施。2015年以来6年ぶりに、看護労働政策を取り上げた今回のサミットには、全国から2,140人が参加。この間の看護職の労働環境の改善の取り組みについて、成果と今後の課題を整理し、将来を見据えて新たな課題と取り組みの方向性について議論を交わした。開会にあたり登壇した福井トシ子会長は、まず新型コロナウイルス感染症の第6波の感染拡大の中で、最前線で活躍する看護職らに感謝と敬意を表した。福井会長は「国民のケアニーズの複雑化・多様化に対応するには、看護マンパワーを量的にも質的にも確保することが必要。そのためには、働きがいをもって、健康に働き続けられる労働環境を実現し、あらゆる場で看護の専門性を発揮できなければならない」と指摘。その上で、「さまざまな立場の方々と将来を見据え、取り組むべき課題について議論を深めたい。これからの看護を切り開くことができる『働き方』の実現へ、看護界が一丸となって大きな一歩となることを期待する」と述べ、開会を宣言した。

サミットで講演する福井会長・村木氏・石田・吉田・友納の様子
写真左上から時計回りに開会を宣言する福井会長。
会場と視聴者に
呼びかける村木氏。石田、吉田、
友納の各氏による鼎談

午前中のプログラムでは秋山智弥副会長が「看護職の働き方改革〜2015-2020年の取り組みの成果と今後の課題〜」と題して、本会のこれまでの労働関連の取り組みを紹介した。

続く特別講演は、元厚生労働事務次官の村木厚子津田塾大学客員教授の「看護の未来を拓く働き方〜学ぶ・つながる・楽しむ〜」。看護の働き方改革には「働きやすさ」に加え「働きがい」も大切、やればできる、今までは「やらない言い訳」が多かっただけ、とエールを送った。

午後は、石田昌宏参議院議員、吉田学厚生労働事務次官、友納理緒前参与の鼎談からスタート。政治、行政、法律というそれぞれの立場から「2040年に向けて、いま看護職に求められる働き方」のテーマで兼業や夜勤をめぐり従来の枠にとらわれない働き方の切り口を示した。石田氏は不規則な日勤と夜勤を繰り返すことで常に「時差ぼけ」状態をもたらしている勤務体制を、働く人の健康の観点から見直すことの重要性を、友納氏は兼業・副業など新たな働き方の選択には看護管理者の役割が大きいなど、看護現場の課題を挙げた。

シンポジウムのテーマは「多様な人材を活かす、多様な働き方」。聖路加国際大学大学院看護学研究科の奥裕美教授は諸外国の交代制勤務について報告。新小山市民病院の折笠清美看護部長、飯塚病院の森山由香副院長兼看護部長、大野浦病院の小西美智子看護部長は、それぞれ13時間夜勤の導入や病室周辺を拠点とする業務効率化、院内副業の導入などの取り組みを紹介した。

これらを受けて、福井会長が「サミット宣言」を読み上げ、会場は大きな拍手に包まれた。

  • 本紙3月号特集で採録記事を掲載予定
  • 「日本看護サミット2021」に参集/WEBでの参加申し込みいただいた方は、2月10日10時〜28日18時の期間にアーカイブで視聴いただくことができます。