看護部の意識改革(医療法人社団清和会 笠岡第一病院)

病院概要

【所在地】岡山県笠岡市
【病床数】148床
【DiNQL参加開始年】2016年
【参加病棟数】3病棟(全3病棟)

参加した動機・きっかけ

当院は看護の質向上を目指し、看護をデータで語ることを目的に、2016年からDiNQL事業に参加しました。

運用・活用について

参加1年目:データ入力の体制を構築

目標管理への活用に向けた取り組み
【目標管理への活用に向けた取り組み】

データ入力は、DiNQLのデータを収集・入力する担当者を決め、入力内容を看護部が最終確認する方法としました。病院内の支援を得て他部門との連携によるデータ収集体制を確立しました。既に病院独自のデータベースがあり、多くのデータが活用できる環境が強みとなりました。

参加2年目:「DiNQL検討会」を設置

当院の全病棟数は3病棟であり、日頃から話し合いを密に行い結束力があります。目の前のデータをどう生かせばよいのか悩んだ時期もありましたが、病棟目標の成果指標にベンチマーク結果を取り入れるところから始め、院内に設置した「DiNQL検討会」では、データを多角的に捉え、参加者がお互いに評価し、分析能力を高め合いました。

参加3年目:院内外でのDiNQL啓発活動

看護部では可視化したデータの周知のため、院内の業務推進発表大会で、「DiNQLからみえてくるもの」を発表し、他部門から好評を得ました。また、「DiNQL大会2018」では、病棟師長が「データを多角的に活かす目標管理」を発表しました。

参加4年目:「院内部署目標報告会」を開催

2019年度、取り組みの集大成として、データを生かした「院内部署目標報告会」を看護部で開催しました。

取り組みの効果

看護実践の様子
【看護実践の様子】

「院内部署目標報告会」は、病棟運営の活性化のためにデータを有効に使う良い機会となりました。自病棟より他病棟が良く見えてしまう職員が、自病棟の発表を真剣に聞き、データの活用につなげようとしていました。

また、師長たちはデータマネジメントに対する意識が高まり、目標達成に戦略的に取り組み、看護の質改善に生かし、次世代を担う管理者たちも次年度の発表を目指しています。

DiNQLを活用するに至るまで3年間を要しましたが、DiNQL事業へ参加することによって、職員のモチベーション向上や目標管理の活性化、医療安全・褥瘡・転倒転落などの評価指標を活用した業務改善、他部門の職員もデータ活用に興味を持つなど、看護部として得たものは大きく、当初の目的以上に、データマネジメントに対する意識改革をもたらしました。

今後に向けて

いま、看護部では、「ムダ」「ムリ」「ムラ」をなくして業務を効率化し、看護師ができるだけ患者のそばにいることに重点をおいた看護の実践を目指しており、その指標にDiNQLデータの活用を考えています。今後も客観的指標を用いた看護実践と、実践を評価できる組織づくりに取り組んでいきたいです。

(2020年3月26日掲載)

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