日本看護協会とは

常任理事のマンスリー通信

月刊『看護』2017年12月号より

常任理事 中板育美

常任理事 中板育美

【住民の健康リテラシー向上に向けて】

平成28年度に第1回を迎えた日本健康マスター検定®(平成29年2月26日)は、すでに3回のベーシック・コース、エキスパート・コース試験が終了し、合わせて8,500名以上の合格者を輩出しました(平均合格率67%)。個人受験はもちろん、健康経営の観点から職員に受験を勧める企業も増えています。本検定は、自身の健康リテラシー(「ヘルスプロモーション」の中心的概念で、情報に基づいて自らの意思決定により健康を決める力)を上げることが目的で、それによりセルフケア能力を高めること、次に周囲の仲間に正しい健康情報を届け、リテラシーの高い仲間を増やしていくことを見すえています。リテラシーが高いということは、身体への関心が高いことであり、日常的な健康管理によって早期発見、早期対応につながりやすくなり、さらに、主体的な病院選択、治療法の選択、適正な服薬管理などに関して、医療者との対話もしやすくなり、我が事として考える本意の医療・介護の享受につながるといわれています。

常任理事 川本利恵子

常任理事 川本利恵子

【看護学教育モデル・コア・カリキュラムが検討会で合意!】

委員として参加していた「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会」(文科省)において、約4000件のパブコメを踏まえた「看護学教育モデル・コア・カリキュラム(案)」が9月14日におおむね合意された。10月以降に大学へ周知され、各看護系大学で2019年4月からコア・カリキュラムを踏まえた教育が開始される予定である。医学・歯学・薬学教育ではすでに整備されているが、大学の看護学教育では初めてのことになる。内容は「考え方、概要、看護系人材として求められる基本的な資質・能力」からはじまり、大項目は「A看護系人材(看護職) として求められる基本的な資質・能力」「B社会と看護学」「C看護の対象理解に必要な基本的知識」「D看護実践の基本となる専門基礎知識」「E多様な場における看護実践に必要な基本的知識」などである。コア・カリキュラムが導入されることで、医療人の一員として医・歯・薬学教育と並び立つことになるが、その効果ははかりしれないと期待している。

常任理事 勝又浜子

常任理事 勝又浜子

【准看護師養成所、看護師3年課程へ転換取り組み事例】

夏休みのスペイン旅行。いよいよサグラダ・ファミリアと思いきやベッドから転落。痛みもないのにざっくり左膝が10cmほど横に裂け、病院で20針縫合、帰国後抜糸。1週間後に再度転倒、同じところがまたぱっくり。情けない状況が続きました。
さて、9月7日に全国准看護師制度担当役員会議を開催しました。准看護師養成所が看護師3年課程に転換する取り組み事例を北海道・函館医師会と埼玉県・蕨戸田市医師会の両副校長からご報告いただきました。転換のきっかけは、准看および2年課程の入学定員割れと在学生の減少による経営の悪化でした。副校長が転換の必要性を認識し、応募や経営状況をデータにまとめ、課題を整理して設置者に報告。反対意見や懸念材料に丁寧に対応され、3年課程への転換が組織決定されました。お2人ともよりよい看護を創造する人を育成するために、日夜奮闘されての実現でした。本会としても、さまざまな情報提供や支援を引き続き行っていきます。

常任理事 吉川久美子

常任理事 吉川久美子

【高齢者が住みなれた自宅で生活できること】

急に気温が下がり、寒くなりました。今年は例年になく紅葉がとてもきれいとのことです。10月は地区別法人会員会・職能委員長会開催のため、全国6地区を回っていますが、次回ご報告いたします。「高齢者は転ぶ」、毎日転ばないように気をつけて生活をしていても、なんでもないところで転びます。義母が先日自宅で転倒し、案の定“大腿骨頸部骨折”となりました。入院する必要はないのですが、日常生活の援助が必要です。すぐにお世話になっているケアマネジャーに連絡し、どこかショートステイに入ることができないか相談。わが家の事情を知っているケアマネは、介護力のある自宅近くのショートステイを調整、確保をしてくれ、入所当日は付き添ってくれました。
わが家はここ数年、ケアマネジャーや訪問看護師、ヘルパー、見守りボランティア、訪問リハビリ、配食サービスのお兄さんなどのお世話になっています。高齢者が自宅で生活するための援助のありがたさを身に染みて感じています。

常任理事 熊谷雅美

常任理事 熊谷雅美

【TO ERR IS HUMAN】

現在本会では、厚生労働省などの後援を得、日本病院薬剤師会と協働して、「カリウム製剤投与間違い撲滅キャンペーン」に取り組んでいます。2003年にカリウム製剤投与間違いによる医療事故の多発が確認され、2004年・2006年、本会はカリウム製剤投与間違いによる医療事故に対して、投与間違い撲滅のために情報を発信しました。しかし残念ながら、現在も撲滅するには至っていません。医療事故防止にとって、組織のすべての医療従事者が「誰が行っても間違わないモノ・システム」の整備と「誰でも正しく行える知識・技術」の確立と教育が重要です。IT化が進む現代において、「誰が行っても間違わないモノ・システム」の整備は格段に進んできていますが、それを“正しく使える知識・技術”“正しく使うという意志と倫理観”が脆弱になっている気がします。今こそ、看護管理者のリーダーシップによる医療安全の確立と医療安全行動の遵守が必要です。一緒にカリウム製剤の投与間違いの撲滅と死亡事故「ゼロ」をめざしましょう。

常任理事 荒木暁子

常任理事 荒木暁子

【認定看護師制度の再構築、特定行為研修に向けて】

10月は全国6地区をうかがい、地区別法人会員会と職能委員会(看護師U)に参加しました。看護師U領域の地区別職能委員長会では、穏やかな看取りへの支援、ICTを活用した死亡診断などについて意見交換しました。地域における看取り体制に関する話し合いや人々への老衰、看取りに関する啓蒙の必要性など共通する課題が浮かぶ一方で、地域特性を踏まえた実態、例えば、冬季長期にわたり雪に閉ざされる地域や中山間地域などで看護職の不足・偏在と闘っている看護の仲間・諸先輩の話をうかがい、本当に頭が下がります。また、認定看護師制度の再構築について、皆さまの貴重なご意見をうかがいました。8月18日付厚生労働省医政局看護課看護サービス推進室からの事務連絡「医療計画における看護師の特定行為研修の体制の整備について」を受けて、特定行為研修について都道府県も具体的な計画を立案しています。その中で、認定看護師制度再構築に関しては、今後も適時適切な情報を提供していく所存です。