日本看護協会とは

常任理事のマンスリー通信

月刊『看護』2017年7月号より

常任理事 洪 愛子

常任理事 洪 愛子

【最後のマンスリー通信】

2009年6月からの任期最初の担当は、看護基礎教育・新人看護職員研修制度・看護資格認定制度・生涯学習・日本看護学会に関すること。その後、准看護師制度を担当し、特定行為研修制度も担当。はじめの一歩は努力義務化された新人研修の予算確保に奔走することからスタート。また、公益目的事業として奨学金制度を本会が創設することで、(財)国際看護師協会東京大会記念奨学金や(公財)国際看護交流協会奨学金制度を継承し、故人の遺志を継ぐ形で高橋美智大学院教育奨学金制度と小倉一春大学院教育奨学金制度の創設に役割を果たせた。准看護師意識調査実施、全国会議再開、准看護師の働く・学ぶことを支援する冊子作成など、現場の声を重視して取り組み、准看護師制度の課題を総会要綱や協会ニュースを通して数値で会員に共有をはかった。2015年度から重点事業に准看護師教育制度の改革を再掲できたことは今につながり意義深い。常任理事として、無事大役を全うできたのは会員の声や都道府県看護協会、本会関係者に支えられたから。皆さまに心より感謝。

常任理事 齋藤訓子

常任理事 齋藤訓子

【家族介護に頼らない在宅療養支援の仕組みづくり】

私の母は今、北海道の小さな小さな自治体病院に入院している。2つ目のがんを患い、最期のときを迎えつつある。積極的な治療を望まなかったこともあり、現在はCVからの点滴管理と疼痛コントロールといった対症療法である。訪問の診療、看護、定期巡回介護があれば自宅で療養が可能だと考えるが、母の所在地では在宅医療資源が皆無で、他の自治体の資源に依頼したくても距離の問題や新たに在宅医との関係構築が厳しい。おまけに家族(といっても私と弟のみ)は遠方在住。この状況で在宅療養をやろうとすると、家族の介護離職が必須となる。政府は介護離職ゼロをめざすといっているものの今後、母のように独居が増える中で家族介護に頼らない在宅療養支援の仕組みが求められる。まだまだ課題山積の中で常任理事の満了を迎える。やり残したことも多々あるが、都道府県看護協会ならびに会員の皆さまには多くの勇気と支援をいただいた。深謝とともに新たな立場で課題解決に立ち向かうことをお約束したい。

常任理事 福井トシ子

常任理事 福井トシ子

【師長からスタッフへの贈り物】

5月7日、日本看護協会JNAホールで2017年度「看護の日・看護週間」のイベントが開催されました。すでにホームページや新聞などでご存じのことと思います。看護の先輩とともにこのイベントに参加しました。このイベントでは、「看護の日」にちなんで看護を通じて得られた思い出「忘れられない看護エピソード」募集を行い、看護職部門と一般部門を合わせて過去最多の3578作品もの中から受賞された作品の発表と表彰式が行われました。どれも素晴らしい受賞作品でしたが、看護職部門最優秀賞の「忘れられない親子の姿〜血のつながりってなんだろう〜」は、若い看護師Yさんの取り組みを見守っていた師長から、Yさんへのかけがえのない贈り物と受け止めました。私の看護の先輩も「師長がスタッフをよく観ている。こういうことが、つまり人材育成よね〜」といたく感動していました。受賞作品をぜひお読みになってください。ハンカチを持ってショートムービーもぜひご覧ください。(「忘れられない看護エピソード」)

常任理事 中板育美

常任理事 中板育美

【胸が高鳴るうれしい知らせ】

平成27〜28年度事業「データヘルス計画推進事業」に参加いただいた自治体からうれしい知らせが届きました。各保険者によるデータヘルス計画が、30年度に向けて本格的に動き始めますが、本事業はそのデータヘルス計画において国保担当部署のみならず、自治体の保健・介護部署、さらにまちづくり担当部署など組織横断的に協働し、効果的な保健事業を行うことをめざして実施してきました。A自治体もその1つです。関連部署に加え、管轄保健所や県国保連の協力も得て、健診データやレセプト等から健康課題を見立て、その要因分析を行って計画を策定しました。地域の健康課題がデータによって具体的に見えたこと、そしてデータに基づいた予防戦略に至ったことが首長の目に触れて、重要事項と理解され、保健師の増員につながりました。採用された保健師は本事業の成果報告会(宮城県仙台市にて開催)の参加者でした。本会の事業で得られた成果は真摯な取り組みと可視化の産物です(事業の詳細は、本会公式ホームページを)。

常任理事 川本利恵子

常任理事 川本利恵子

【DiNQL事業のさらなる展開と発展を……】

労働と看護の質向上のためのデータベース(DiNQL)事業は、試行事業の積み重ねを経て、2015年度から本格的に開始され、今年は3年目である。DiNQL事業は、看護実践を評価指標としてデータ化し、その結果を基に看護管理者のマネジメントを支援することが第一の目的である。具体的には、インターネット経由で評価指標データを収集し、同規模や機能の全国の病院や病棟との、有害事象などのベンチマーク評価を基に、勤務環境マネジメントと看護実践の強化と質の向上をはかっている。本年度は、2017年6月1日現在で、609病院5379病棟の参加申し込みを受けている。多くの看護管理者の方に関心を持っていただき、地道にかつ着実に評価指標データの入力に尽力していただいている。病院と病棟数の増加により、データの精度とベンチマーク機能が向上し、さまざまな取り組みの好事例が報告されるようになった。本年度は新たなる企画として「DiNQL大会」の開催を計画しているので、多くの方の参加を期待している。

常任理事 勝又浜子

常任理事 勝又浜子

【介護施設等における看護職員の賃金の厳しい現状】

毎年5月の連休は夫の実家がある水上温泉で山菜採りをします。山菜の女王様「こしあぶら」、山菜の王様「たらの芽」、その他「ふきのとう」「わらび」「こごみ」「うど」「葉わさび」、おいしいです。平成28年度厚労省の老健事業「介護施設等における看護職員に求められる役割とその体制のあり方に関する調査」を実施しました。回収率は30%前後で、分析可能な回答数をいただきました。ご協力本当にありがとうございました。賃金に特化してご報告いたしますと、非常に厳しい結果で、基本給与額および総支給額ともに特養、老健、訪看の年齢階級別平均値で表した賃金カーブを見ると、病院に比較していずれの年齢階級においても賃金額は低く、カーブの傾きも緩やかな状況でした。今年度は、特別委員会においてさらに詳細に分析を行い、看護職員の能力や役割の、貢献度に応じた賃金の確保をめざし、検討を進めていきたいと考えています。詳細の報告は本会公式ホームページをご覧ください。