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2018年

5月号

日本看護協会国際部

2018年国際看護師の日(International Nurses Day:IND)

国際看護師協会(ICN)は、5月12日のフローレンス・ナイチンゲールの誕生日を「国際看護師の日」(以下:IND)とし、多様な活動を行っている。ICNは、毎年、世界の保健医療や看護の方向性を示すテーマを設定し、テーマに関する啓発文書を発行している。また、2017年からは、特設ウェブサイトも開設している。

今年のテーマは、「看護師:主導する声―健康は人権の一つである」(Nurses:a Voice to Lead‐Health is a Human Right)とされた。「看護師:主導する声」は2017年から2019年まで継続するテーマであり、看護師が政策策定や実施にさらなる関与をすることが必要であるとのICNのメッセージが込められている。

健康は、基本的人権の一つとして世界保健機関(WHO)憲章や世界人権宣言で示されている。また、日本国憲法25条において「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が国民の権利として示されているように、多くの国においても健康は人権として示されている。

ICNは、「看護師にとっての人権としての健康」は、すべての人々が、必要なときに利用可能で質の高いケアにアクセスができること、と述べる。つまり、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成である。UHCの達成は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の「目標3」にある世界的な目標の一つである。

IND啓発文書では、保健医療ケアへのアクセスの向上に向け、看護師が保健医療ケアおよび保健医療システムの変革に貢献し、誰もが取り残されないよう努めていることについて、事例を交えて述べている。また、看護への投資が国の経済成長につながること、人々の生活状況の改善が社会の結束や生産性の向上につながることを示す。

さらに、看護師の政策関与についても述べている。ICNは、これまでも、看護師は患者や家族についてよく知っているため、看護の声を政策に届け、政策に関与すべきである、と繰り返し述べてきた。2018年啓発文書では、実践を政策につなげるために、どのタイミングで、誰に、どのように働きかけるか、ということも詳述している。

政策に関する意見聴取が行われる段階では、政策立案はほぼ終了している。そのため、政策に影響を及ぼすには、問題特定および解決策の構想の段階に介入することが必要である。さらに、政策策定に欠かせない「背景」、「プロセス」や「アクター」についても熟知した上で、問題の特徴や政治の駆け引きを把握し、適切な対象に働きかけることが必要であると述べている。

2018年IND特設ウェブサイト(https://2018.icnvoicetolead.com/)外部リンク

には、ケーススタディ、普及啓発文書などが掲載されている。また、ウェブサイトから、自身のケーススタディを投稿することも可能である。

2018年IND啓発文書の日本語版は、本会ウェブサイト内「国際情報」に掲載予定である。

●参考文献

  

  

2018年国際助産師の日(International Day of the Midwife:IDM)とICM発行文書の翻訳

日本看護協会 常任理事 吉川 久美子

今回は、まもなく迎える「国際助産師の日」について、2017年ICM国際評議会で採択されたICM発行文書の翻訳文書を紹介する。

2018年のIDMテーマとポスターについて

2018年「国際助産師の日」ポスター

毎年5月5日は「国際助産師の日」。2018年のテーマは「助産師が、質のよいケアで未来を拓く(Midwives leading the way with quality care)」。

日本におけるICM加盟3団体は、協働して毎年ポスターを作成し周知している。今回のポスターは、助産師カラーのオレンジを基調として、助産師がケアを提供する対象である女性と赤ちゃんのイラストを中心にし、寄り添い合う温かいケアをイメージしたデザインとした。説明文では分娩介助だけではなく、学校での性教育・妊娠の相談・出産後の子育て相談なども行う、助産師の幅広い役割を紹介している。

日本看護協会HP1)にポスターのデータを掲載しているのでご活用いただきたい。今回は枠つき・なしの2種類のデータを用意した。枠つきでは、各施設のイベント等の情報を書き込めるようになっている。

あなたも参加できるイベント〜第10回国際助産師の日恒例24時間インターネット配信講演会(10th Annual Virtual International Day of the Midwife)〜

2018年5月5日(土)22時UTC[日本時間5月6日(日)午前7時]よりインターネットによる国際講演会が配信される。国際助産師の日を支援するもので、今年で10回目を迎える。

助産研究、国際助産、助産教育イニシアチブ、助産実践、助産理念、セーフマザーフッド等、助産に関する講演の後、質疑応答の時間が設けられる。興味のある話題について、世界の助産関係者とライブでつながりディスカッションできる貴重な機会である。詳細は日本看護協会HP2)を参照。

ICM発行文書の翻訳

2018年5月5日(土)22時UTC[日本時間5月6日(日)午前7時]よりインターネットによる国際講演会が配信される。国際助産師の日を支援するもので、今年で10回目を迎える。

2017年ICM国際評議会(カナダ・トロント)ではICM発行文書の新規発出または改訂について基本文書(3文書)、所信声明(24文書)が採択された。日本のICM加盟3団体は協働して翻訳した。今回翻訳された文書のうち新規のものは、以下の通りである。
①ICM Definition of Midwifery(ICM助産の定義)
②Human Rights of Lesbian, Gay, Bisexual,Transgender and Intersex(LGBTI)People(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス(LGBTI)の人々の人権)
③Midwives and Prevention of AntimicrobialResistance(助産師と薬剤耐性の拡大防止)
④Migrant and Refugee Women and their Families(移民・難民の女性とその家族)
⑤Use of Intermi t tent Auscul tat ion for Assessment of Foetal Wellbeing during Labour(分娩進行中の胎児の健康評価を行うための間欠的聴診法の使用)

日本看護協会HP3)に翻訳文書を掲載しているのでご活用いただきたい。

●参考文献[2018.3.16確認]

  • 日本看護協会、日本助産師会、日本助産学会