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2017年

5月号

日本看護協会国際部

2017年のテーマと啓発文書

今月は、2017年国際看護師の日に関する国際看護師協会(ICN)の活動を紹介する。

国際看護師の日は、5月12日のフローレンス・ナイチンゲールの誕生日を世界でお祝いする日である。ICNは、この重要な日を記念し、世界の保健医療や看護の方向性を示すテーマを決め、そのテーマに関する啓発文書を毎年発行してきた。2017年のテーマは、「看護師:主導する声:持続可能な開発目標(SDGs)の達成」(Nurses:A Voice to Lead:Achieving the Sustainable Development Goals[SDGs])である。2017年の啓発文書は、世界各国でのさまざまな事例を交えて、看護師がSDGsにどのように貢献できるのか、すでに貢献しているのか、また、看護師の声をどのように届けるかについて示している。

SDGsにおける看護師の役割

SDGsは、2015年9月に国連において採択された。ミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、貧困、健康、教育、気候変動等、世界の持続可能な開発に関する課題が幅広く網羅され、2030年までの達成をめざす。17の目標、169のターゲットが設定されている中で、健康に焦点を当てるのは「目標3:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」である。

ICNは啓発文書の中で、看護師はこの「目標3」において重要な役割を果たすだけでなく、その他の目標においても大きく貢献すると述べている。臨床実践の場にいる看護師は、ケアを提供する際に、戦争や混乱、経済不安、所得格差など、疾病や傷害の背景にある多様な問題にも直面する。そのため、看護師は、社会的、経済的、政治的な要因への対処も必要なことを理解しており、看護師が目にする人々の苦しみについて語ることで、変化をもたらす力となるとICNは指摘する。このように、看護師はSDGsの達成に向け、ケアの提供とともに、政策決定のレベルにおいて貢献することができる。

「主導する声」をもって力を及ぼす

ICNは、看護師が変化や影響力を及ぼす「主導する声」となるためには、3つの方法があると述べる。1つ目は、個人としてのリーダーシップの発揮、政策活動への関与、功績の共有を通じて声を届けること。2つ目は、専門職として団結し、連帯することにより、1つの声を届けること。3つ目は、チームの一員として、他の専門職とのパートナーシップを築き、協力関係において声を届けることである。

それぞれの活動の規模に大小の差はあるが、それらの活動が集まると世論に影響を及ぼし、最終的には公共政策に影響を及ぼす力となる。SDGsへの責任がある政府に、良好な健康への変革を主導する声を届けられるかどうかは、看護師1人ひとりにかかっている。

今年は、啓発文書だけでなく、世界中の看護師の声を届けるため、専用ウェブサイト[http://www.icnvoicetolead.com/]外部リンクも設けている。

  

●参考資料

2017年国際看護師の日啓発文書外部リンク