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2019年

2月号

アジア看護師協会同盟(AANA)会議

日本看護協会国際部

今月は2018年11月17日(土)に開催されたアジア看護師協会同盟(AANA)会議について紹介する。

AANAは、アジアの国・地域の看護師協会のネットワーク維持と、専門職開発と健康に関する知識の共有を目的とし、毎年1回会議を開催している。

今年は「看護実践の法的保護と政策」をテーマとして、香港看護協会主催にて開催された。本会、韓国、シンガポール、タイ、台湾、フィリピン、香港、マカオ、マレーシアの看護師協会の代表者が参加した。

会議では、各協会より自国・地域の看護に関する法律、法律等に関連する取り組みや課題を発表し、意見交換を行った。また、開催地である香港の看護実践における法律の理解や、香港の「謝罪条例」が看護実践にもたらす影響等についての発表があった。

看護法について

各協会の発表では、自国・地域の看護に関する法律についての説明があった。日本は、看護独自の法律があるが、世界各国をみると必ずしも看護独自の法律があるわけではない。

韓国
医療法において看護師を含む保健医療専門職の責任等が定められている。また、関連するさまざまな法律においても看護についての定めがある。そのため、例えば、高齢者介護保険法に基づく看護師の地域における新たな役割を医療法に対応させることには、限界がある。大韓看護協会は、看護に関して定めた複数の法律があることで、ニーズに合わせた迅速で体系的な取り組みが困難であるとして、看護法制定に向けた取り組みを進めている。
マカオ
統一された看護実践に関する法律がなく、所属組織により看護の規制が異なる。公的セクターで働く看護師は、公務員としての法体系の制約を受け、保健局の看護条例が適用される。一方で、民間セクターで働く看護師には、保健局の民間保健医療サービス免許部門による規制が適用され、労働法の制約を受ける。看護師の免許は雇用されている期間のみ有効であり、職場を退職したら、有効な免許がなくなることになる。現在、資格や登録の標準化をめざした規制の導入が進められている。

その他の国・地域は日本と同様、看護に関する独自の法律を有していた。

「謝罪条例」と看護実践

香港は、人々のもめごとを早い段階で解決し、訴訟を少なくすることを意図して「謝罪条例」を導入した。この条例は、すべての人が対象となる。看護実践において、患者や家族に謝罪すること、すなわち、個人の過ちを認める表現または暗示が、どのような意味を持つか等の説明があった。

謝罪条例は、謝罪の定義を定め、謝罪による法的帰結を明示した。それにより、謝罪と法的な責任/義務が区別された。看護実践のインシデントの際に、患者や家族に謝罪したからといって、必ずしも過失による法的な責任が問われるわけではない。訴訟で「過失」を判断する際には、原告が以下の4つの要素について証明することが必要となる。①当該者に法的な義務があるか、②違反/不履行があったか、③直接の原因は当該者の行為か、④当該者の行為で損害があるか。つまり、「謝罪=過失があった」ということにはならない。

一方で、看護師が実践に関連する法律を理解し、最新の知識やスキルを備え、実践することの重要性も強調された。

2019年は大韓看護協会主催により、韓国で開催される。

  

  

2020年ICM3年毎大会について

日本看護協会健康政策部助産師課

今回は、2020年6月にインドネシア・バリで開催される第32回ICM3年毎大会について紹介する。

主催協会について

第32回の大会はICMとインドネシア助産師協会の主催で行われる。ICMアジア太平洋地域代表であるEmi Nurjasmi(エミヌルジャスミ)氏がインドネシア助産師協会会長を務めており、同大会を通してICMの力強いメッセージを聞くことができるだろう。

プログラムとテーマについて

メインプログラムは2020年6月21〜25日の5日間である。今回は「Midwives of the World: Delivering the Future 」をテーマに、基調講演、口演・ポスター発表、シンポジウム、ワークショップ、展示等、さまざまなセッションが予定されている。

3年毎大会では、さまざまな講演や実践・研究に関する発表・報告を聞くことで新たな知識やスキルを学び、他の助産師や世界のリーダーとの交流を通してネットワークを広げ刺激を受けることができる。

開会前日20日にはウォークイベントも行われる。世界の助産師がそれぞれおそろいのTシャツを着たりバナー(旗)を掲げながら、大会会場から海沿いまでの道を歩き、女性のエンパワーメントについて訴える。助産師のプレゼンスを高めるよい機会ともなる。前回のカナダ・トロント大会では日本からのウォークイベント参加者は約15名であった。今回はアジアでの開催であり、ぜひ日本からも多くの助産師が参加されることを期待する。

演題登録について

演題登録の締切は2019年5月15日である。発表カテゴリーは「調査研究報告」「実践報告」の2つから選択する。発表形式は口演・ポスター、シンポジウム、ワークショップのほか、「調査・実践イノベーションを語る3分間スピーチコンテスト」「特別トピック」という新しい形式も加えられた。

スピーチコンテストは、“Three Minute Thesis(3MT)”と呼ばれる手法を参考にし、簡潔で説得力のある方法で聴衆に伝達することをめざしている。3MTはオーストラリアのクイーンズ大学で始まった手法で、現在日本やその他アジアの大学も加わってコンテストが行われている。各形式の詳細については大会HP(下記URL)で確認することができる。日本の助産師の皆さんもぜひ演題登録の上、ご自身の調査研究や知識・経験を世界の助産師と共有し互いに学び合えるこの貴重な機会をご活用いただきたい。

参加登録について

参加登録期間は以下の通り。

特別割引期間:
2019年2月28日まで
早期割引期間:
2019年3月1日〜2020年3月2日
通常料金期間:
2020年3月3日〜6月21日

その他の情報や詳細について、また、上記大会情報は変更の可能性があるため、大会HP(下記URL)にて最新情報をご確認ください。