協会ニュース2026年5月号

「2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会」始まる

厚生労働省は4月10日、第1回目となる「2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会」を開催。日本看護協会からは秋山智弥会長が構成員として出席した。
同検討会は、2040年に向けて医療・介護の複合的なニーズが高まる一方、生産年齢人口の減少を見据えた医療提供体制の構築にあたり、地域医療の支え手である看護職の資質の向上、各地域における養成・確保策の検討が重要であるとし、「今後の看護職員に求められる資質について」「2040年に向けた看護職員の養成・確保への対応について」「2040年に向けた看護職員の需給見通しについて」の3点を検討事項としている。
第1回では、①検討会の進め方②看護を取り巻く現状③看護職員の需給推計について議論。2040年に向けた看護師確保の重要性や、現場で看護師に求められる能力の高まりや質の向上の重要性を指摘する意見が多く出され、特に在宅での看護師確保などに言及する構成員が多かった。また、看護師を志す人材の確保および看護師の定着に向けては、多くの構成員から処遇改善が不可欠であることが指摘された。
秋山会長は「医療提供体制の変化や患者像の複雑化により、現場で看護師に求められる能力はますます高くなってきている」とし、「18歳人口の減少スピード以上に、特に養成所で受験者数が大きく減少し、10年前の半分以下となっている。これまでは入学できなかった学生が入学する状況もあり、国家試験に合格し就職しても現場に適応できず辞めてしまう人も少なくないため、入学者の質の確保が重要」と述べた。
同検討会は、看護職員の需給状況や地域・領域別偏在、勤務環境、看護師等学校養成所の定員充足状況などを踏まえて検討され、2026年冬頃に取りまとめに向けた議論へと進める予定。

2026年度記者会見 診療報酬改定の前進を評価、処遇改善と人材確保に課題

日本看護協会は4月16日、2026年度記者会見を日本看護協会JNAホールで開催した。例年は6月に実施しているが、今年度は令和8年度診療報酬改定への見解を早期に示すため、前倒しでの開催となった。
冒頭のあいさつで秋山智弥会長は、診療報酬改定について、改定率3.09%のうち1.7%が賃上げ分として確保された点を評価。一方で、20代では全産業平均を上回るものの、40代後半では夜勤手当を含めても月額約9.5万円の差があり、他産業との賃金格差や夜勤手当の伸び悩みが課題と指摘した。実態調査でも賃金が就業継続の重要な要因であることが示されており、人材流出への懸念を示した。また、医療機能の分化・連携や多職種協働の推進、看護管理者の評価などが盛り込まれた今回の改定の意義に触れ、質と安全を確保した上での業務効率化の検証が重要とした。さらに、2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会の開始について言及し「質の高い看護提供体制の構築に向けた人材育成の強化が必要」と強調。「2040年を見据え、国民に質の高い医療・看護を持続的に提供できる体制づくりに全力で取り組む」と述べた。
会長あいさつに続き、副会長、専務理事、常任理事が担当業務や重点政策・重点事業の概要について説明した。
質疑応答では、他職種協働加算に関して今後の連携強化の方向性について質問があった。秋山会長は、これまでもタスク・シフト/シェアを進めてきたものの、現場の余力不足などにより十分に進まないケースもあったと指摘。今回の加算新設が推進の後押しになることに期待を示した。その上で、各職種が専門性を尊重し、信頼関係の下で連携を深める重要性を強調した。さらに、看護管理者の配置要件が盛り込まれたことについては、円滑な連携と効率的な役割分担を進める上で重要との認識を示した。このほか、26年度から重点政策・重点事業に位置付けられたナース・プラクティショナー(仮称)制度や、准看護師制度廃止の推進などについても質疑があり、本会の見解と今後の取り組みを示した。

医療機関等情報支援システム(G-MIS)を活用した非滅菌手袋の有償配布について

今般の中東情勢による医療用物資などへの供給の影響を踏まえ、国は確保が困難となっている医療機関等向けに、非滅菌手袋5千万枚を放出することを決定しました(有償配布)。医療機関等がG-MISを活用して要請を行い、販売事業者を通じて販売される流れが想定されています。G-MISは原則として全ての医療機関・助産所において登録がされていますが、訪問看護事業所は、都道府県との医療措置協定を締結された事業所のみが登録されています。医療措置協定が未締結の事業所は各都道府県を通じて、新規にG-MISのユーザー登録を行う必要があります。非滅菌手袋を希望する医療機関・訪問看護事業所・助産所においては、G-MIS上で要請いただくようお願いします。

医療関係職種の安定的な養成・確保に関する検討会 ~2040年を見据えた人材確保へ議論開始~

厚生労働省は5月7日、第1回目となる「医療関係職種の安定的な養成・確保に関する検討会」を開催。日本看護協会からは中野夕香里専務理事が構成員として出席した。2040年頃に向けて医療と介護の複合ニーズを抱える高齢者の増加や生産年齢人口の減少が見込まれる中、18歳人口の減少に伴う養成校の定員充足率の低下が生じており、今後一層の課題となっていくことが見込まれている。同検討会は、地域で必要な医療提供体制を維持するため、医療関係職種の安定的な養成・確保の在り方について議論を行う。また、若年層や社会人が医療関係職種を目指しやすくするための方策や、卒業後の職場定着に向けた支援、働きやすい環境整備などを主な論点として、今後議論を進めていくことが確認された。中野専務理事は「限られたマンパワーの中で医療水準を維持していくためには、各職種の専門性を踏まえた人材の質の確保が重要」と述べた。同検討会は12月に取りまとめ予定。