協会ニュース2025年8・9月号

「看護職のキャリアと連動した賃金モデル」の冊子を改訂

看護職の処遇改善は、看護職全体の基本給のベースアップと、各施設における看護職一人ひとりの能力や担っている役割、働き方などと連動した賃金体系の構築を両輪で進めていく必要がある。日本看護協会では、看護職の能力や役割に対する評価の仕組みと、これに対応する賃金制度はどうあるべきかを検討し、2019年に「看護職のキャリアと連動した賃金モデル」を公表し活用に向けた冊子を作成した。
このたび本冊子を改訂し、9月下旬に本会HPで公表する予定である。
ky_20250915_01
改訂した冊子「看護職のキャリアと連動した賃金モデル」では、賃金モデル自体の考え方はそのままに、「複線型等級制度」を構築する際のプロセスをより丁寧に解説するとともに、働き方が多様化する状況における看護職の処遇の考え方やその方法例、国の処遇改善施策に関する情報などを充実させた。
公正な評価に基づく処遇は、看護職が意欲をもって働き続ける上で重要な要件であり、限りある経営原資を看護職の納得感を得られる形で配分する仕組みとして、本賃金モデルを参考にさまざまな施設が看護職の賃金制度の見直しを進めているところである。賃金制度の見直しには看護部だけでなく経営層や事務部門などの理解と協力が不可欠であるため、今回の改訂では、看護部以外の理解を得るための説明材料として、最近の看護職の賃金に関するデータも掲載している。

ky_20250915_02今後、人材不足が深刻化する中で、選ばれる・働き続けられる職場づくりに向け、看護職の賃金制度の見直し、再構築に着手される組織が増えることが見込まれる。看護職が生涯にわたって安心でき、やりがいや充実感を持って納得して働き続けられる賃金制度の構築に向け、多くの関係者の皆さまに改訂した冊子「看護職のキャリアと連動した賃金モデル」を参考にしていただきたい。

なお、「看護職のキャリアと連動した賃金モデル」導入促進に向け、組織への支援として本年度、看護職員の賃金制度の見直しに向けた支援セミナーを開催する予定(4・5面に関連記事)。



日本看護サミット2025
ウェルビーイング時代における看護職の働き方革命

ky_20250915_032026年2月5日、「日本看護サミット2025」を開催します。今回のメインテーマは「ウェルビーイング時代における看護職の働き方革命」です。
日本看護サミットは、看護政策を推進する戦略について連続的に議論し、アクションにつなげていく場と位置付けられています。看護政策の実現には、要因の分析や実現への働き掛け、現場の実践を通じた成果などの積み上げ、実現後の効果検証を継続的に行うことが重要です。多くの皆さまのご参加をお待ちしています。

【日程】2026年2月5日(木)10:00~17:00
【会場】パシフィコ横浜国立大ホール
【開催方法】 会場参集&オンライン配信
【参加費】 早期申込:5,500円、通常申込:7,700円(いずれも税込)
      看護学生は無料招待(来場のみ、事前申し込み要)
【参加登録】 9月16日(火)から本会HPの特設サイトで早期申込を開始
         ※早期申込は2026年1月21日まで、通常申込は1月23日~2月5日まで

石田昌宏議員 3期目の抱負を語る

ky_20250915_047月に執行された第27回参議院議員選挙で、3期目の当選を果たした石田昌宏議員。これからの看護政策への抱負を語っていただきました。

人口減少と超高齢化が同時に進むなど、社会が大きく変化し看護職のさらなる活躍が期待される中、日本看護協会は「看護の将来ビジョン2040」を公表されました。ビジョンの実現に向け、組織代表の看護職議員として私も共に力を注ぎ活動してまいります。

そして今、病院や介護施設では、かつてないほど厳しい経営の危機に直面しています。物価高騰や人件費上昇に応じた診療・介護報酬の大幅引上げが急務です。

看護職の皆さまが、安心して働き続けることができ「今日も良い看護ができた」と実感できる職場づくりのため、全力で取り組んでまいります。