専務理事からのワークリポート
機関誌「看護」2026年5月号より
専務理事 中野 夕香里
2025年度第13回常務理事会(3月19日)

地球環境の急速な変化が人々の健康に与える影響は、近年ますます顕在化しています。日本においても猛暑や豪雨災害の頻発など、環境の変化が人々の健康や生活に深刻な影響を及ぼしつつあることを実感する機会が増えています。こうした中、「 Planetary Health(プラネタリー・ヘルス)」(※1)の視点から看護の役割を問い直す議論が広がっており、国際的な会議「Planetary Health:A Virtual Global Conference for Nurses & Midwives」がオンラインで開催されます(※2)。本会議は、ヨーロッパや東南アジアなど世界中の地域をつなぎ、それぞれの地域に根ざした課題や実践の共有をめざすものです。この企画に際し、国際看護師協会(ICN)の第2副会長である手島恵先生とともに、日本からの登壇者の調整にかかわる機会がありました。各地域の状況や切実な課題に触れ、物理的な距離はあっても、それらのテーマは決して遠いものではないと感じています。日本からも現場に根差した視点で発信がなされる予定です。
人の健康と地球環境が切り離せない関係にあるとされるPlanetary Healthは、看護の実践や教育のあり方にもつながる議論であると考えています。本会議が、地域と地球規模の課題をつなぎ、看護職の新たな役割や可能性を考える契機となることを願うとともに、医療界と本会での議論の活性化につなげたいと思います。
※1 人間の健康と地球環境が互いに依存しているとの考えの下、政治や社会のありようを捉え直しながら、ウェルビーイング等の実現をめざすこと。
詳しくはこちら(プラネタリーヘルスアライアンス日本ハブホームページ)
※2 Planetary Health:A Virtual Global Conference for Nurses & Midwives
第13回常務理事会
1.厚生労働省「看護管理者の能力向上支援事業」への応募(案)について協議し、承認されました。
- 令和6年度に厚生労働省補助金「新人看護職員等の就業継続支援事業」、令和7年度に「中堅期看護職員等の就業継続支援事業」に応募、採択され、「看護職応援サイト」におけるコンテンツの掲載、オンラインイベントの実施等、デジタルツールを用いた支援の取り組みを実施してきた。このたび、令和8年度厚労省補助金「看護管理者の能力向上支援事業」の公募が開始されたのを受け、令和6~7年度に実施した事業の継続とともに、看護管理者の能力向上のために支援の対象を広げて取り組めることから、看護職員の職場環境を整備していくための看護管理者の能力向上を支援することを目的として、当事業に応募する。
- 新たな事業の対象を、看護管理者とし、「病院看護管理者のマネジメントラダー 日本看護協会版」を参照し、イベントやコンテンツごとに対象者を焦点化するとともに、病院の看護管理者への支援を主軸としつつ、病院以外の看護管理者にも利活用可能な状態を確保する。
- 新人および中堅看護職に向けた取り組みの一部も継続する。
2.2026年度 准看護師養成停止にむけた活動強化・推進事業 実施要項(案)について協議し、承認されました。
- 本事業は2024年度より開始され、計6県協会と協働した取り組みを行ってきた。各県における看護職養成の動向や特徴を明らかにした上で、准看護師養成停止に向けて県協会が主体となって具体的な方策を検討する機会となった。本事業で把握した現状等を踏まえ、2025年度、看護師と准看護師の違いに関する説明資料を作成した。
- 2026年度も引き続き、准看護師養成停止に向けた活動の強化・推進を目的とし、3県協会と協働した取り組みを実施する。
3.2026年度【重点4-1】統括保健師の機能の強化 市町村統括保健師研修会の実施(案)について協議し、承認されました。
- 少子高齢化や疾病構造の変化に伴い、健康寿命の延伸や健康な地域社会づくりの推進に対応するため、特に市町村では、地域に根差した保健活動の効果的・効率的な活動展開や部署を超えた連携・協働が不可欠であり、事業化・施策化や人材育成をはじめとする組織のマネジメント等を担える統括保健師の配置・育成が必要とされている。
- 本会では、2015年度に厚生労働省先駆的保健活動交流推進事業の一環として「統括保健師人材育成プログラム」を開発し普及してきたが、これを基にした全国的な研修はなされておらず、市町村の統括保健師の実践力を高める研修の機会が不十分な状況がある。
- 今年度、厚生労働省保健指導支援事業の一環として、2015年度の「統括保健師人材育成プログラム」の一部を改変し、「市町村統括保健師研修会」を開催した。開催を通じて一定のニーズが確認できたことから、市町村統括保健師の実践力強化のため、実施内容等を見直した上、2026年度においても研修会(「 2026年度市町村統括保健師研修会」および「2025年度研修会受講者フォローアップ」)を開催する。
4.災害支援ナース登録証の発行について報告を受けました。
- 2023年度より開始した「災害支援ナース養成研修」の修了者は、1万1,472名となった(2026年2月末現在)。都道府県看護協会および被災地での活動経験のある災害支援ナースからは、「災害支援ナース」である証明と、二次災害に遭遇した場合の本人確認のため、登録証の作成を求める意見があった。これを受け、2026年度以降は、「災害・感染症に係る看護職員確保事業」(厚生労働省からの委託事業)の中で登録証の発行に係る業務を実施する。
- 2026年度、各都道府県看護協会で開催する集合研修修了時に、災害支援ナース養成研修修了証とともに配付する(2023~2025年の研修修了者は、初回の更新研修修了時に配布予定)。
5.2025年度「中央におけるナースセンター事業運営協議会」実施報告について共有しました。
- 開催日時:2026年3月2日(月)14:00~15:30(Zoomによるオンライン開催)
- 2025年度中央ナースセンター事業の進捗についての報告の後、医療機関における採用コストの軽減に向けた関連団体等の連携強化として、実施中の施策(ハローワーク連携の強化、求人施設の見学会や体験会の開催、潜在看護職の復職に向けた多様で柔軟な雇用形態の導入促進等、就業中の看護職と看護学生を対象としたナースセンターの登録促進等)および中長期的な施策(看護職の就業促進、潜在化防止に向けたシームレスな支援の強化、看護職のキャリア支援の充実)について意見交換した。
6.そのほか
以上に加え、以下を含む17件の協議事項を議論し、書面による報告も含む39件の報告事項を共有しました。
〈協議事項〉2026年度事業【重点5-3】新たな助産ケア提供体制の構築 実施要項(案)/国際看護師協会(ICN)への加盟申請に関する郵送投票について:ジョージア看護N(N)LE連合及びブラジル連邦看護評議会(案)/地域の実情に応じた看護職確保推進事業 実施要項(案)について/第57回(2026年度)日本看護学会学術集会の企画について(案)/新公益法人会計基準(令和6年会計基準)に関するオンライン相談会開催について(案)/2026年度 特別委員会の設置について(案) 等
〈報告事項〉2026年度「協会ニュース」年間計画/「看護師の臨床判断能力と影響要因に関する調査」報告書/2025年度 厚生労働省委託事業「特定行為研修の組織定着化支援事業推進に係るワークショップ等開催事業」実施報告/令和7年度厚生労働省老人保健健康増進等事業「看護小規模多機能型居宅介護の役割と設置促進に関する調査研究事業」実施報告書/「地域全体での看護職育成・確保、共有に関する政策の実現可能性に向けた検証事業」実施報告 等
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