専務理事からのワークリポート

機関誌「看護」2025年10月号より

専務理事 中野 夕香里

2025年度第5回常務理事会(8月8日)

専務理事 中野夕香里

国では次年度に向け、各省庁からの概算要求が出そろう時期となりました。本会でも、2026年度からの3カ年の重点政策・重点事業についての検討がスタートしています。6月に公表した「看護の将来ビジョン2040」の下での重点政策・重点事業についての議論は、これまで取り組んできた政策の実現に向けての正念場的な要素もあり、また、社会が変革していく中での新たな打ち出しも必要であり……足下を固めつつ、将来を見すえて落としどころを見いだしていくことの難しさを感じますが、このプロセスをしっかり進めることが、実際に事業に取り組む場面でやりがいや楽しさにつながるのだと思いながら取り組んでいます。
毎年夏になると『サマーウォーズ』(※)という映画が放映されるのをご存じでしょうか。仮想空間を題材にしているものですが、私の中でやっと理解が追いつき、今年はすっきりと鑑賞できました。この映画は2009年に公開されたもので、制作されてから15年以上です。調べてみますと、例えば、人工知能を扱った映画は、いわゆるロボットものを除いても1960年代から制作されていました。新たな発想・技術に社会が追い付き、実装されていくには、相当の時間がかかるということですね。私たちも粘り強く取り組まねばならないということです。

※ 細田守が監督を務める日本のアニメ映画

第5回常務理事会

1.2025年度 地区別職能委員長会開催(案)について協議し、承認されました。

  •  本会および各地区の都道府県看護協会職能委員会の間で情報を共有し、職能委員会の機能である課題発見・意見集約を推進するための連携をはかる。
  •  通常の地区別職能委員長会に先立ち、看護連盟・看護協会合同会議として、新ビジョンの周知・普及をはかるプログラムを実施する。
     9:00~10:30 看護連盟・看護協会合同会議(新ビジョンの周知・普及)
    10:45~15:00 地区別職能委員長会

2.2025年度 医療事故調査制度に関する情報交換会 開催要項(案)について協議し、承認されました。

  •  本会では、2015年の医療事故調査制度施行以降、都道府県看護協会とともに、医療事故制度における医療事故調査等支援団体として活動している。
  •  専門家派遣要請を受けた実績のある都道府県看護協会は47のうち24に留まる中、専門家の役割や活動について共有する目的で2023年度より情報交換会を開催してきた。
  •  今年度は、医療事故調査に看護の立場で外部委員としてかかわる専門家に期待される役割や資質等について理解を深めることで、専門家を支援する際の一助とする。
  •  2025年11月11日(火)13:30~14:50/Web会議(Zoomミーティング)
  •  都道府県看護協会の医療事故調査制度 支援団体専門家派遣に係る担当者および医療事故調査にかかわる専門家 計100名程度

3.看護職員に対する患者・利用者・家族等からの暴言・暴力・ハラスメントに関する有識者会議の実施について(案)を協議し、承認されました。

  •  2025年6月にカスタマーハラスメントに関する措置が義務化され、2026年中に施行される予定である。
  •  本会においては、有識者会議を開催し、看護実践の場における看護職員に対する患者・利用者・家族等からの暴言・暴力・ハラスメントの課題を明確化し、施設・事業所が取り組むべき実効的な対応策や国民への効果的な周知・啓発の方策をとりまとめ、周知・普及をはかる。また、次年度事業の検討に役立てる。
  •  今年度、2回の会議を予定し、看護職員に対する患者・利用者・家族等からの暴力・暴言・ハラスメントについて、課題の整理(疾患との関連等含め)、患者・利用者・家族等からの暴言・暴力・ハラスメントの考え方、義務化に向けた組織としての対応策(予防・発生時・発生後)、防止に向けた国民への効果的な周知・啓発などについて検討する。

4.第8次医療計画中間見直しに向けた研修会、及び各県協会における看護職の出向・派遣事業に関するアンケート結果の報告を共有しました。

  •  第8次都道府県医療計画の中間見直しに向けては、都道府県看護協会において、新たな地域医療構想を踏まえ、地域の看護提供体制の課題等の明確化と解決に向けた取り組みの整理を行うことが求められる。
  •  中間見直しに向けた取り組みの必要性や重要性について、より認識を深め、都道府県看護協会と都道府県行政が連携して検討を行う一助とすることを目的に研修会を開催した。
  •  2025年5月27日(火)14:00~16:00、Zoom Meetingsによるオンライン形式にて、47都道府県看護協会、37都道府県行政の参加を得た。
  •  研修会では、2県協会の事例(看護職確保のための課題解決に向けた出向事業の取り組みと基金の活用方法)について共有し、意見交換に供した。
  •  研修会終了後、共有された事例と同様の取り組みの各県協会での実施状況、および本会への要望等について把握することを目的にWebアンケートを実施。39県協会より回答が得られ、その内容から、自県での取り組みのいっそうの推進に向けて、より効果的な方策を模索している様子がうかがえた。

5.そのほか

以上に加え、以下を含む12件の協議事項を議論し、書面による報告も含む16件の報告事項を共有しました。

〈協議事項〉

2025年度看護の専門性の発揮に資するタスク・シフト/シェア全国セミナー開催要項(案)/令和7年度厚生労働省 先駆的保健活動交流推進事業「eナースセンター特設求人情報」における自治体保健師の活動紹介ページ構成および掲載内容(案)について 等

〈報告事項〉

2025年国際助産師連盟(ICM)年次評議会報告、2025年度認定看護管理者教育機関認定審査結果について 等

よりよいウェブサイトにするために
みなさまのご意見をお聞かせください