日本看護協会とは

会長の手帳(日本看護協会 会長 福井トシ子)

月刊『看護』2017年12月号より

あらゆる場で医療・介護を受ける人々の安全・安心を守る

日本看護協会(以下:本会)と都道府県看護協会は、現在の医療安全上の課題を共有し、全国での安全確保の取り組みをさらに進めるため、全国47都道府県看護協会医療安全担当者が集い、毎年医療安全推進会議を行っています。平成29年度は、9月28日に本会ホールで開催しました。

現在の医療安全上の課題として、まずチーム医療の推進や医療・介護提供体制の再構築が挙げられます。それによって、医療依存度が高くても在宅や介護系サービス施設で療養を継続する患者(利用者)が増加しています。また、医療法改正により一昨年に開始された医療事故調査制度の施行等、さまざまに変化しています。このような状況にあって、あらゆる場で医療・看護を受ける人々の安全と安心を担保する取り組みが求められています。

次の課題としては、私たち看護職は医療を提供する際の最終行為者となることが多く、医療安全の守り手として国民から大きな期待と責任を負っているにもかかわらず、患者の死亡につながる事故が起きているということです。

このような課題を踏まえ、本会では平成27年度から「医療安全事業に関する3ヵ年計画」を策定し、医療事故調査制度の周知や支援団体としての活動、医療安全管理者養成のための研修プログラムの見直し、そして、事故の再発防止をめざし、日本病院薬剤師会と協働して実施している「カリウム製剤投与間違い撲滅キャンペーン」等さまざまな取り組みを行っています。また、平成27年度の医療安全推進会議において、本会がどの部署で医療安全を推進しているのかわかりにくいと指摘を受け、医療安全を担当する部署名を看護開発部「看護業務・医療安全課」と対外的にもわかるように明示し、事業を推進しています。3年間の活動で、医療機関における院内ガバナンス強化の必要性や転院時の医療の継続に加え、介護施設等での医療安全の確保など、これまでの取り組みだけでは対応できない課題も明らかになってきました。

医療・介護提供体制の変化に合わせ、患者(利用者)がどこで療養しても安全で安心して暮らせるようにするには、各施設での取り組みの強化だけではなく、例えば感染防止対策同様、医療安全管理者も地域で活動することを可能にする等、その地域の特徴に合わせた全体での取り組みが不可欠です。

医療安全推進会議において、都道府県看護協会と本会は課題を共有し、今後の医療安全への取り組みをさらに推進するための方向性を確認しました。

看護職には自身の施設の医療安全上のリスクを明らかにし、組織の安全管理のあり方を見直すなど、さらなる医療安全を推進するための具体的な取り組みが期待されています。看護職のみならず、関係者が一丸となって医療安全を推進していきましょう。

  • 月刊看護2017年11月号特集2 参照