日本看護協会とは

会長の手帳

月刊『看護』2017年5月号より

「輝く女性」たちとの出会い

3月1日、私は思いのほか緊張していた。これまでさまざまな場で講演を行ってきたが、中高生、それも一番年少は中学1年生という集団に対し、何かを語るのは初めてだったからだ。奈良県にあるその学校は、中高一貫の伝統ある女子校。授業の中で「生きる力を育む」というユニークな取り組みがあり、その一環で今回、私は「輝く女性シリーズ」講演会の講師となった。テーマは「自分らしく働くこと〜チーム医療の現場から〜」。生い立ちから現職の日本看護協会長に就くまでの道のりと、チームで働くこと、リーダーになることなどについて、経験を頼りに、自分の言葉で、できるだけ平易に話すように努めた。彼女たちの心に響くことが言えたか気がかりだったが、「看護師の仕事に興味をもてた」「人の役に立つ仕事がしたい」「将来を改めて考え行動しようと思った」など、多くのうれしい感想をいただいた。聴講に来ていた同校OGの看護師が「病院以外にも多様な働く場があると気づかされた。将来は海外で活動する看護師になりたい。諦めかけていた夢だがもう一度チャレンジしたい」と目を輝かせたことも心に残る。私の話が、未来の「輝く女性」たちの勇気につながれば、こんなにうれしいことはないと思った。

少し遡り2月23日、日本認知症グループホーム協会の機関誌で会長の河ア茂子氏と対談。非常に力強い「輝く女性」である。氏はグループホームの制度発足時から「『自由と尊厳を失わずに』を信条に、地域の認知症患者さんを支えてきた」と熱く語った。「看護の将来ビジョン」のタイトルにも「尊厳」が入っているように、大変大事なキーワードと共感する。重度の認知症患者さんが増え、看取りのニーズも急増する中、グループホームと訪問看護の連携は大きな課題である。連携に向けた看護職と介護職の関係づくりが大切であり、職能団体同士、今後協力して進めていく方向で手を取り合った。また、本会では、介護施設等において外部からの訪問看護が導入できるよう、関係省局に働きかけを行っているところである。

3月16日、「ヘルシー・ソサエティ賞」*1の第13回授賞式に出席。今回も、教育、医療、ボランティアなど5部門で5人が受賞、うち2人が女性であった。その1人、鬼一二三(おにひふみ)さんは、カンボジアで戦争孤児や貧しい子どもたちのために日本語学校を開設し、20年以上にわたり日本語教育に尽力。感心するのは、教育から自立支援までかかわる点だ。教え子の中には、日本の介護福祉士の資格者など、日本の介護、看護分野で働く者も複数いるという。

同16日、書籍『あがらの和歌山〜紀州の女性』*2が届いた。「あがらの」は「われらの」という意味。恥ずかしながら、多様な分野で活躍する和歌山ゆかりの女性200人の1人としてご紹介いただいている。

  • 1.本会とジョンソン・エンド・ジョンソン社が2004年に創設。国内外のさまざまな分野で、健やかな社会と生活の質の向上をめざし、日常の職務を超え献身的に活動されている方々を見出し顕彰するもの(http://www.healthysociety-sho.com/)外部リンク
  • 2.さまざまな角度から和歌山の魅力を紹介する書籍「あがらの和歌山」シリーズの第11弾(紀州文化の会編、2017年3月11日刊行)