日本看護協会とは

会長の手帳(日本看護協会 会長 福井トシ子)

月刊『看護』2018年5月号より

アジア健康構想

第2回国際・アジア健康構想協議会/第2回国際・アジア健康構想連絡会(共同開催)が2018年3月7日に開催され、協議会構成員として出席しました。1978年アルマ・アタ宣言によってプライマリヘルスケアが定義づけられてから40周年を迎える今年(2018年)は、国際規模で再整備を行い方向づける重要な時期にあります。

「アジア健康構想」における現在の主なターゲットは介護。そして、アジアに紹介すべき「日本的介護」は「地域包括ケアシステム」です。まず、その一部となるリハビリテーション・自立型支援から議論を始め、これらを整理しアジアに共通の基盤をつくる。さらに、認知症への対応を議論に含め、日本の高齢化対策の変遷も整理し、事例を紹介していくということでした。

中間作業では自立支援の技術的要素が、①栄養・水分確保、②本人の可能な範囲での活動量の確保、③口腔・嚥下機能/排泄機能の維持、④認知機能の低下に対する把握と適切な整備に整理され、自立支援型介護が共通の要素として示されました。また、アセスメント、目標設定・計画、介入の事例を作成していることも説明され、同作業を2018年度も継続するとしました。

昨年、ベトナム・ホーチミン市で開催された、マルチステークホルダー・フォーラム(以下:フォーラム)でのアジア諸国に対するアジア健康構想等の発信についても説明がありました。フォーラムの主要メッセージは、「アジア太平洋地域の高齢化は、国境を超えた地域共通課題」「各国は、高齢者のニーズを勘案した政策形成に直ちに着手を」「人口高齢化は課題(challenges)であると同時に機会(opportunities)と捉える」「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成には、人口高齢化を見据えた戦略が必要」「コミュニティ・レベルでのサービス提供が高齢者ケアの根幹にあるため、ケア人材の育成と、人材の地域内での移動・還流における地域内連携強化が重要」であり、持続可能な成長のための健康長寿社会への投資として、「高齢者ケアのための地域的アプローチの意義」が発信され、共有されたことが報告されました。

さらに、WEBベース・プラットフォームの構築についても説明。アジア各国の人口高齢化に関する基礎データ・文献、日本の高齢化対策の知見・経験の発信、アジア健康構想の下での調査研究プロジェクトの概要・成果などをコンテンツ案として検討を進めていることも報告されています。

この「アジア健康構想」には、本会も含め、現在350の団体が加盟しています。今後は介護のほかに、医療・公衆衛生・健康な街づくりもめざしていることが説明されました。アジアにおける日本の医療・看護の果たす役割は、非常に大きいという認識を新たにせずには、おられません。

  • 英語ベースでつくられており2018年夏公開予定