日本看護協会とは

会長の手帳(日本看護協会 会長 福井トシ子)

月刊『看護』2018年2月号より

生きるを、ともに、つくる。

日本看護協会は、2025年の少子・超高齢・多死社会の多様なニーズに看護が応えていくため、2015年に「看護の将来ビジョン〜いのち・暮らし・尊厳を まもり支える看護」を公表しました。このビジョンでは、“疾病”を看る「医療」の視点だけではなく、「生活」と保健・医療・福祉をつなぐ観点から、生きていく営みである「生活」の視点を持つ看護職として、地域包括ケアシステムを積極的に推進することを提言しています。

これまでの日本の保健・医療・福祉サービスは、児童、高齢者、障がい者など対象ごとに充実・ 発展してきました。しかし、医学の進歩等により、療養しながら地域で暮らす人が増加する中、世帯の構成や家族のあり方、地域社会の人間関係も変化し、相互扶助機能が脆弱になってきています。このような中にあって、看護職には、あらゆる場所で看護の役割機能を発揮することが求められています。そこで、日本看護協会は2016年度から、地域全体で支える力を再構築するために、高齢者だけでなく、子どもと子育て世代に事業の対象を拡大し、「全世代型の地域包括ケアシステムの構築」を重点政策、重点事業に掲げ取り組んでまいりました。とりわけ、人々の療養の場が、医療機関から地域にシフトしていく中、これからも地域すなわち在宅での治療・療養生活を支える体制の整備が必要です。急性期の病院でも、治すだけではなく、地域とつなげながら、地域とつながりながら、支え看守ることにもシフトしていかなければなりません。このような取り組みや仕組みづくりを通して、新たな看護の価値が生み出されていくことと思います。

訪問看護ステーションはもちろんですが、地域包括ケア病棟や、これから始まる介護医療院、老健施設等は、むしろ看護が主体的に患者さんやご家族、地域を見てマネジメントできる場でもあります。多くの制約がありながらも、これらの場で「自信を持ってダイナミックなマネジメントを実践しています」という看護管理者も増えてきました。このように、地域に密着した場でのマネジメントや看護実践をする看護集団を生成することが必要です。

さて、昨年、日本看護協会創立70周年を契機に「タグライン」を公表しました。「生きるを、ともに、つくる。」です。タグラインとは、一言でいえば本会が国民や会員の皆さまに約束する価値といえるでしょうか。看護職の感情や行動を言葉で表しているとも、言えます。子どもからお年寄りまで全世代型の地域包括ケアシステムを推進する本会にとって、生まれるところから最期までその人らしく「生きる」ことを支えていく職能団体であることを伝え、それを会員が誇りに思える新しい言葉です。本会のホームページから動画でステートメントとともに観ることができます。ぜひ、ご覧ください。