日本看護協会とは

会長の手帳(日本看護協会 会長 福井トシ子)

月刊『看護』2017年8月号より

ロードマップを示す

日本看護協会(以下:本会)は2015年に「看護の将来ビジョン いのち・暮らし・尊厳を まもり支える看護」を公表しています。2016・2017年度もこの実現に向け、単年度ごとに重点政策・重点事業を打ち出していますが、これからは「いつまでに、どのように展開していく」というロードマップを示していきます。現場の皆さんは病院完結型から地域完結型になっていくことはわかっていても、どうしても今の実務が大変で、“その先”には気持ちが向ききれません。だから本会でやるべきことは、ロードマップで“今やるべきこと”を見える化し、準備していただくことだと考えています。

看護の将来ビジョンにも示されていますが、本来の地域包括ケアシステムは、療養する高齢者だけでなく、子どもを産み育てる人々、子どもたち、障がいのある人々などを含むすべての人々の生活を地域で支えるものですよね。でも、今は高齢者の医療費の適正化という意味合いが非常に強い。障がいのある人や母子に対する支援体制の構築は急務といえるでしょう。さらに、これからの看護職には病を治すことだけでなく、人々を健康にする、病気を予防するという視点も必要です。

看護職は、このような地域包括ケアシステムを支える職種として期待されており、それに応えるには質の向上が必須です。そこで何より急がれるのは「基礎教育4年制化」なのです。本会ではその必要性を関係者に理解していただき、実現のための取り組みを強化していきます。卒後教育としては、あらゆる施設や場で活動可能な看護師の育成の指標となる「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」活用の推進、特定行為に係る看護師の研修制度を組み込んだ「新たな認定看護師制度」の構築などに取り組んでいきます。さらに、認定看護管理者のカリキュラムも地域でリーダーシップが発揮できることをめざしたものに改定すべく検討を進めています。

少子高齢化が進み18歳人口が減少すると量の確保は難しくなってきますので、それを質の向上で補う必要があります。その意味でも、本会では看護の質の向上という面で、どのような貢献ができるかをこれからも考えていく必要があるでしょう。これら看護教育の制度改革に関してもロードマップの中に示していく予定です。

話は変わりますが、本会では受動喫煙防止対策を強化する「健康増進法改正案」を、例外・特例を設けずに早期に実現することを強く求め、署名活動を始めました。受動喫煙で健康被害が起きるのは明らかなのですから、病院に来る人、在宅にいる人、1人ひとりにきちんと伝え、理解を求めることは、人々を健康にし、病気を予防する看護職の役割です。