日本看護協会とは

会長の手帳

月刊『看護』2017年3月号より

新年の決意

早いもので1月も下旬である。昨年の週末は講演が多く、朝起きると「ここはどこ?」というくらい全国各地に行かせていただいた。早起きはつらいが、現場の会員ほか関係者の皆さまと話ができるよい機会である。勇気づけられる言葉もあれば、厳しいご意見やご指摘にわが身を正すこともある。国民・会員看護職、都道府県看護協会、日本看護協会――この3層組織の思いがいつも一致しているのかどうか大変気がかりであり、本当にこれでいいのか絶えず考えながら活動を進めている。

大晦日は自宅で過ごし、姪夫婦と犬、夫と一緒に賑やかに2017年を迎えた。休み中、読書を増やそうと決意し、前から気になっていた増田れい子さんの『看護』*1という本にやっと向き合えた。「看護婦の役割をわかるかたちで示せていない」ことに強い関心を持ち、20年も前から「看護とは何か、看護婦(師)の役割とは何か」言葉で表現しようと試みた人がいることに驚いた。「病気をなおす過程は、医師の技術とか薬剤とか手術とかそういう医療だけではなくて、病んだ人間がいかに意欲をかきたてて生きようとするか」が大事であり、ここに看護が深く関与することが示唆された。

さて新年。今年6月で会長の任期満了である。この激動の6年を想いながら年賀状を整理していたところ、ある職員からのメッセージに目が留まった。「最後まで大暴れしてください」。心に刺さった。

人間はゴールが見えてしまうとどうしてもきれいに整えようという気持ちが出てくる。しかし、そんな内面と闘い、残された期間、戦略的に“大暴れ”しながら駆け抜けようと決意した。いや駆け抜けるだけではいけない。箱根駅伝のようにスムーズにうまくタスキを渡せるようにしたい。特に看護基礎教育制度改革や働き方改革は、これからが正念場だ。「看護から改革を」。日本財団の笹川陽平会長から思いがけずエールもいただいた。職能団体だけでなく現場まで一丸となって、改革に取り組めるようにするのが私の務めだと思っている。今しばらく皆さまのご協力をお願いしたい。

1月5日、最初の仕事は職員に向けた年頭挨拶。「まだまだ大暴れします」と宣言した。困ったなという顔をしつつ多くの職員は笑って拍手してくれた。「人は行き交うも組織は残る」。前職を辞すときにいただいた言葉である。退任後もこの組織なら力強く変革を起こし続けていけると信じている。めざすは「全員エースのチーム」*2。アイドルグループAKBを卒業した、高橋みなみさんの言葉に共感を覚えた。

  • 1.増田れい子:看護―ベッドサイドの光景,岩波新書,1996.(増田氏は、「橋のない川」シリーズ〈新潮社〉の作者・住井すゑ氏の次女)
  • 2.高橋みなみ(AKB48):リーダー論,講談社,2015.