日本看護協会とは

会長の手帳

月刊『看護』2017年4月号より

より多くの人に最善の看護を

「看護をするな、経営をせよ」。1月20日、「日本財団在宅看護センター」起業家育成事業第3期生修了式で、修了生の皆さんに贈った言葉だ。未来の看護起業家たちに伝えたかったのは、より多くの人によりよい看護を提供するにはどうしたらいいか、そのことにベストを尽くしてほしいということ。どきっとする人もいたと思うが、あえて強い言葉を使った。専門職として自分のやりたい看護を自らの手で実現したい気持ちはわかる。しかし、1人の患者さんにきめ細やかな対応をすることはスタッフの仕事だ。多くのスタッフに、いかによい看護を提供してもらうか、PDCAサイクルを回し来年はさらによい看護ができるようにすることがトップの仕事である。多くの人に最善の看護を届けることが本来、経営者のめざすところと思う。頑張ってほしい。

26日、厚生労働省「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」で、参考人として意見を述べた。看護基礎教育の改革と看護職の働き方改革について、エビデンスを示しながら熱く語った。今後の検討会のとりまとめを注視しながら、看護師基礎教育の4年制化をはじめ、政策の実現になんとしてもつなげていきたい。

28日、大分県主催の「平成28年度看護の地域ネットワークサミット」で講演。県下病院の看護管理者をはじめ、病院幹部、保健所課長等が集まり、病院と訪問看護ステーションの連携等について活発な議論が行われていた。想像した以上に地域看護職のネットワーク化が進んでいることが大変頼もしく、本会も負けずに看看連携の推進を強化しなければと思った。

2月2日、JNAホールで「都道府県看護協会政策責任者会議」を開催。医療・看護政策においても地方分権化が急速に進んでいる。各地域単位、都道府県から支部レベルまで看護政策力強化は喫緊の課題であり、今年度は、政策“担当者”改め、「政策“責任者”会議」と銘打った。奈良県立医科大学・今村知明先生のご講演から、「なぜ地域包括ケアシステムが必要か」「その中で看護はどのような役割を求められるのか」について、改めて受け止めた責任者も多いと思う。現在、政策担当の部署があるのは2県にとどまるが、行政経験のある理事や職員の配置、支部の体制強化や県行政との連携など、47都道府県が政策力強化に向けアクションを起こしている。お互いの取り組みに刺激を受け、さらなる地域の政策力強化が進むことを期待する。

18日、香川県で「看護の将来ビジョン」について講演。同時開催の新人助産師研修会で励ましの言葉を、WLB推進ワークショップではコメントを求められ大忙しであったが、新人の初々しい笑顔にこちらも元気をもらった。また冷静な現状分析と熱気の伝わる事例報告に、WLBの浸透と進化を感じた。