常任理事のマンスリー通信
機関誌「看護」2026年9月号より
常任理事 木澤 晃代

認定看護管理者教育の見直しについて
医療提供体制の変化が加速化する中、地域や組織における資源の管理や人材育成など、さまざまな場においてリーダーシップを発揮する看護管理者への期待がますます高まっています。
本会では、全国のあらゆる組織・機関の看護管理者が能力を高め、多様化するニーズに応え続けていくために、認定看護管理者教育の見直しを行い、看護管理研修および新たな認定看護管理者教育として体系化しました。「看護管理研修」は2027年度(一部2026年11月から日本看護協会にて先行実施)、「新たな認定看護管理者教育」は2028年度から開始します。体系化に当たり、皆さまのキャリアに応じた学び(生涯学習)を支援することを重視し、認定看護管理者をはじめ、看護管理を学んだ看護職一人ひとりが、病棟から地域に至るまで、さまざまな場で力を発揮いただけることをめざしています。詳細については、本会公式ホームページをご覧ください(※)。
常任理事 田母神 裕美

第10期介護保険事業(支援)計画に向けた国の指針案
訪問看護総合支援センターにおける地域の課題解決
2027年度から3年間の第10期介護保険事業(支援)計画の国の基本指針案が6月29日の介護保険部会で示されました。都道府県、市町村において、地域性を踏まえるとともに、医療と介護の連携強化等を視野に計画の検討が進みます。国の指針案では「都道府県においては既存の訪問看護総合支援センター等と連携し、管内の訪問看護事業所の人材確保、運営支援や研修等を通じた人材育成等といった必要な関連施策を総合的かつ一体的に実施していくことが期待される」(※)とされています。訪問看護については、地域偏在や人材確保等の地域ごとの課題があり、県内の課題分析とともに、訪問看護事業所の経営支援、人材確保、看護の質向上に総合的・一体的に取り組むことが有効です。総合支援センターは類似する機能を含め39県で設置されており、都道府県看護協会や訪問看護連絡協議会がその役割を担い、地域の課題解決や、訪問看護の質・量両面にわたる基盤強化に取り組んでいることが今回の明記につながっています。
常任理事 松本 珠実

障害福祉サービス等報酬改定に向けた議論が開始
6~8月に、令和9年度障害福祉サービス等報酬改定に向けた53関係団体へのヒアリングが行われました。主催は、厚生労働省社会・援護局が設置する「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」です。本会では、看護小規模多機能型居宅介護による共生型サービス(共生型児童発達支援・共生型放課後等デイサービス)の医療濃度に応じた段階的評価の拡充、医療的ケア児者の障害福祉サービスの利用に係る送迎加算の拡充、障害分野における専門性の高い看護師との連携による支援に対する評価、精神障害者の地域移行を促進して在宅生活を継続するためのレスパイトの機会の確保、障害福祉サービスと訪問看護との連携促進などを求めました。医療的ケアを要する児者や治療を必要とする障害者に対する障害福祉サービスにおいて、看護職は不可欠な存在です。そのため基本となる処遇改善、人材確保・育成が必要ですが、制度の持続可能性の視点も含めて、今後の議論が行われます。
常任理事 橋本 美穂

2040年に向け、高まる看護への役割期待
地域医療構想策定ガイドライン発出
7月3日、厚生労働省より「地域医療構想策定ガイドライン」(※)が発出されました。今後は、都道府県において、それぞれの地域で新たな地域医療構想が策定され、2030年からの第9次医療計画に反映されます。また、2040年の病床数の必要量についての機械的試算も公表されました。高度急性期・急性期病床は、2025年度病床機能報告(実績)の66.0万床から2040年には37.4 万床へ約4割(28.6万床)減少、現行の回復期病床は21.1万床(実績)から包括期病床として41.6万床へ約倍増(20.5万床増)となっています。2040年に向け、医療需要の質的・量的変化に対応するため、高度急性期・急性期には集約化を進めるとともに医療密度の高いケアを提供すること、包括期には医療・介護の複合的ニーズを有する高齢者の受け皿、在宅医療における後方支援等の役割発揮が期待されています。どういった病床機能においても、看護への役割期待は大きく、質の高い看護、高度な看護マネジメントがますます必要とされていきます。
常任理事 淺香 えみ子

看護管理者の実践とやりがいの発信に向けて
複雑化する医療ニーズに対応するため医療提供体制の検討が進められる中、多様な資源の有効な活用において看護管理者のマネジメント機能に期待が高まっています。診療報酬で一部入院料の施設基準に所定の看護管理研修(※)修了者の配置が望ましいとされたことからも自明です。このような管理者配置を推進する一方で、一般産業と同様に増えている、管理者になりたくない職員への対応が課題です。看護管理者を看護職がめざしたいキャリアとするには、処遇改善とともに、看護管理実践の魅力ややりがいが職員に伝わることが必要です。現管理者が魅力とやりがいを感じる環境は、次世代育成はもとより医療の質向上に有用です。今後、看護管理者の実践・やりがいに関する情報を収集・発信する看護管理体制の強化に向けた事業が始動します。管理機能の成果を可視化する事業も順次開始されます。より質の高い実行力のある管理実践に向け、優れた管理者の知識や経験を基に管理者育成をめざします。
※ 認定看護管理者教育課程サードレベル相当
常任理事 片岡 弥恵子

プレコンセプションケア推進5か年計画の実装に向けて
プレコンセプションケアをご存じですか?「プレ」は前 、「コンセプション」は受胎・妊娠なので、妊娠前の支援・ケアを指します。以前は健康な妊娠・出産をめざす文字通り「妊娠前のケア」という定義でした。しかし現在は、「性別を問わず、適切な時期に、性や健康に関する正しい知識を持ち、妊娠・出産を含めたライフデザインや将来の健康を考えた健康管理」という幅広い概念となっています。このプレコンセプションケアを推進する人材をプレコンサポーターと呼び、現在オンラインで養成講座(※)を受講することができます。基礎編はどなたでも受講でき、アドバンスト編は専門職(助産師、保健師、看護師など)を対象に受講できるよう設定されています。看護職の皆さまに受講をお勧めします。こども家庭審議会成育医療等分科会では、「プレコンセプションケア推進5か年計画」の具体的な工程表について検討されています。看護職の役割や予防的な視点での活動をしっかり示してきたいと思います。
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