日本看護協会とは

副会長活動ダイジェスト

月刊『看護』2017年6月号より

副会長  菊池  令子

副会長 菊池令子

【在宅医療(訪問診療)について検討―第349回中医協総会(4月12日)】

今回示された平成20年の調査*1では、終末期に何らかの形で自宅療養を希望する人は約6割でしたが、66%の国民が「実現困難」と回答。「実現可能」は、看護師が37%と最も高く、医師26%、介護職員19%、国民6%でした。平成26年の国民意識調査*2では、人生の最終段階を過ごしたい場所として、「末期がんであるが、食事はよくとれ、痛みもなく、意識や判断力は健康なときと同様の場合」は72%が「居宅」を希望する一方、「交通事故により半年以上意識がなく管から栄養を取っている状態で、衰弱が進んでいる場合」は72%が「医療機関」を望み、状況により違いました。また、訪問看護ステーションの80%は医療保険の「24時間対応体制加算」を届け出ており、加算に同意している利用者は56%、そのうち実際に緊急の訪問看護を利用した利用者は14%でした。以上の現状から本会は、訪問看護ステーションが診療所等と連携して24時間対応する体制を強化するために、大規模化等を促進する評価が必要と主張しました。

  • 1.終末期医療に関する調査
  • 2.人生の最終段階における医療に関する意識調査

副会長  大久保  清子

副会長 大久保清子

【地域包括ケア時代に期待される新たな看護管理者の力】

日本看護協会では、将来構想プロジェクトのうち「看護管理者の連携強化」プロジェクトとして、看護管理者にはどのような力が必要なのか検討しました。現在の看護管理者には、自施設の看護の質向上だけでなく、地域における看護の質向上をめざしたり、地域包括ケアシステムの構築に向けて地域の看護職を代表して意見を述べるなど、新たな役割も期待されています。つまり、従来のように医療機関の中だけにとどまらず、地域包括ケア時代に求められる看護管理者の役割に対応していくための力をつけていく必要があるのです。では、どのような力量が期待されているのでしょうか。まず「政策の動向から今後の方向性を見すえる力」「幅広い活動」が必要です。そして、地域を動かすために「広い視野」を持ち、組織を越えて「連携し協働する力」や「俯瞰的に物事を見る力」、また「データを読み解き分析する力」「交渉力」などが求められています。これらの力量を備えた、新しい時代の看護管理者の力の発揮が望まれるところです。

副会長  真田  弘美

副会長 真田弘美

【日本の看護の革新に向けた研究を】

2016年度から3年の計画で、AMEDの助成を受け、「アドバンストな看護技術を導入した在宅・介護施設療養者の摂食嚥下・排便を支える多職種連携システムの構築」をテーマに研究を行っている。この研究は来る2025年の地域包括ケアシステムに向けて、看護・介護が必要な高齢者に“ 我慢させない療養生活”を在宅や施設で提供する、いわゆるHOMEHOSPITALを実現するモデルをつくる事業である。療養生活の中で、食べること、排泄することが円滑にできることがまず優先される。そのための必須の技術は、例えば現在高齢者を苦しめる不顕性誤嚥による肺炎の予防、イレウスを予防するための摘便や浣腸に代表される。特に認知症や、遷延性意識障害のある療養者は、その苦しみを自ら訴えることができない。そこで、いかに非侵襲的な方法で、客観的にアセスメントできるかがこの研究の肝である。本会は、今後、日本の看護を革新する研究を支援することも重要なミッションとなるだろう。

  • 国立研究開発法人日本医療研究開発機構