日本看護協会とは

副会長活動ダイジェスト

月刊『看護』2017年5月号より

副会長  菊池  令子

副会長 菊池令子

【入院医療について検討―第347回中医協総会】

3月15日には、一般病棟入院基本料の患者や看護職員等の現状についてデータが示されました。入院基本料区分別に患者の年齢階級をみると、7対1では75歳以上の患者の割合が41.5%と最も少なく、15対1では66.4%と最も多くなります。退院へ向けた課題については、13対1や15対1において「低下した機能の回復」「在宅医療・介護等の調整」「入所先の施設の確保」の割合が7対1や10対1に比べて多くなります。また、病棟の看護職員配置については、7対1から15対1まですべての届出区分でも、実際には人員配置基準より多くの看護職員を配置していました。本会は、この背景として、産前産後休暇や育児・介護休業法などの法定休暇取得者を見越して人員配置基準以上に看護体制を整える必要があることを説明しました。厚生労働省は今後の検討課題として、一般病棟入院基本料について患者の状態や診療の効率性等も考慮する必要性や、医療機関間の機能分化・連携を進めやすくする評価のあり方を挙げました。

副会長  大久保  清子

副会長 大久保清子

【海外で展開―日本の看護の強みとは】

日本の医療が海外に提供し得ることとしては、医療分野でのビッグデータやAI(人工知能)の活用など、これから日本が推進すべき医療サービス等を含めることが必要です。国際展開における日本の看護の強みは何でしょうか。海外で関心の高いことは、看護の質と安全、高齢化への対応、人材確保と定着、資格認定制度、看護職のリーダーシップ、災害看護などです。本会の取り組みでは、それぞれ看護業務基準や看護者の倫理綱領、看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)、『認知症ケアガイドブック』、看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン、認定看護管理者の資格認定制度、災害支援ナースの派遣システムなどが挙げられます。
医療の海外展開においては、再現性、継続性、安定性の3つをいかに現地で構築していくのかが重要な要素です。また、海外の現地の社会や文化を尊重する視点を共有しつつ、腰をすえた取り組みが不可欠となることでしょう。

副会長  真田  弘美

副会長 真田弘美

【個人主義の国・フランスで見た高齢者コミュニティ】

20年ぶりに行った南フランスで非常に興味深い経験をした。コート・ダジュールは避寒地・リゾート地であり、以前は富裕層の華やかさであふれていた。今回、同じホテルに泊まったが予定していたオーシャンビューの部屋が取れずにフロントで交渉したところ、長期間滞在する高齢者ツアーの方々が優先だという。私たち以外はほとんど70歳以上の高齢者で、夕食後ロビーでくつろいでいる。インフォメーションデスクの前には1週間のスケジュールが張り出されていて、観光から観劇、映画、カラオケまで、高齢者の集いが毎日のように繰り返されている。街に出てみると、夜の海やレストランは高齢者がカップルでの語らいを楽しんでいて、大変美しい光景だった。さて、日本にこれを置き換えることができるだろうか。個人主義のフランスが高齢者のコミュニティを自らつくる、これが20年前と大きく異なっていた。最期まで心身豊かに暮らすためには、本会はコミュニティづくりをどのように支援するか、大きな課題であることを実感した。