副会長活動ダイジェスト

機関誌「看護」2024年4月号より

副会長  井伊  久美子

副会長 井伊久美子

日本看護サミットについて

日本看護サミットは、主に管理的立場の看護職が集い、看護の役割機能を公的に宣言することを目的として1996年に開始され、2013年の第18回をもっていったん幕を閉じました。しかし、看護のリーダーが顔を合わせ、看護政策に焦点を当てた議論を交わすことの重要性の認識により、厚生労働省から本会へ主体を移し、2015年に新たに再スタート。今年2月開催の「日本看護サミット 2023」で5回目を迎えました。サミットの開催形態は、政策実現へ向けた行動につなげ、成果を検証する継続性のある活動とするため、1日開催の集中した時間設定で、当面2年ごとに関東近郊で行うこととしています。今年、実感したことは「議論の時間が少ない」「素晴らしい実践の報告があっても共有に至らない」などの詰め込み感です。また、収容人数2,000人以上の1つの大会場で行うので、参加者はどうしても受け身にならざるを得ません。そして、関東近郊に偏っています。このあり方を見直すときだと思います。

副会長  任 和子

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看護師長の患者ラウンド

姉が大腿骨頸部骨折のため、急性期病院での緊急手術・入院を経て、回復期リハビリテーション病院に転院しました。面会制限があるものの病室でもスマートフォンが使えるので仕事の調整もでき、それほど不自由を感じずに入院生活を送っています。看護師の細やかな気遣いが本当にうれしく、ちょっとした言葉かけに励まされると言います。それでも、入院していると、ささいなことですが、病院に対しての不満が募ります。急性期病院では、医師も看護師も忙しそうで相談しづらく、接遇や対応がひどいと感じることがあったようです。回復期リハビリテーション病院では、食事が塩辛くて食べられずに残してしまったり、松葉づえが足りずに貸してもらえなかったりと嘆いていました。そのようなときでも、看護師長がベッドサイドで話を聞いてくれると安心するそうです。患者の満足感のためにも、スタッフに苦情や感謝の言葉を適時にフィードバックするためにも、看護師長の患者ラウンドの時間は重要だと思いました。

副会長  山本 則子

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特定行為研修の組織定着化支援事業

日本看護協会は、2024年2月7日(水)、厚生労働省の委託事業「特定行為研修の組織定着化支援事業推進に係るワークショップ等開催事業シンポジウム」を開催しました。特定行為研修制度は2015年に開始され、これまでに8,820名(2023年8月現在)が受講し、全国で修了生が活躍しています。この数を10万人規模にするためには、組織での定着化の推進が必要です。本シンポジウムでは、本事業の解説に続いて、5名のシンポジストから修了生の活動推進の取り組みが発表されました。私も、厚生労働科学研究に基づく組織定着化のための検討結果を説明しました。社会のニーズの変化に伴い医療も変化し、看護実践にも変化が求められています。本制度は、近年の医療へのニーズ、つまり高度化・多様化する医療の実践と場の変化に基づく新たな制度です。一口に特定行為研修修了生と言っても組織横断型、定位置固定型など多様な働き方が可能です。今後の発展を期待したいと思います。

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