副会長活動ダイジェスト
機関誌「看護」2026年2月号より
副会長 任 和子

看護の力を広げる医療DXという考え方
医療DXやAIという言葉を耳にする機会が増え、「これから看護の仕事はどうなっていくのだろう」と感じている方も多いのではないでしょうか。AIが人の代わりに仕事をする時代になるのでは、という不安の声を聞くこともあります。けれども私は、医療DXやAIは、看護の仕事を減らすためのものではなく、看護の力を広げてくれる存在だと考えています。例えば、忙しい日々の中で、十分に看護記録に書ききれなかった大切なことを、AIの力で整理し、必要な相手にわかりやすく伝えられれば、看護の力はむしろ強まります。多岐にわたる複雑な業務をAIなどの技術に手伝ってもらうことで、人に向き合い、考え、寄り添う時間により注力できるようになります。タスク・シフト/シェアも、役割を分け合い、看護職が大切にしてきたケアや判断に集中し、その力を広げていくための考え方です。立ち止まりながら考え、一歩ずつ前へ進み、新しい力を取り込みながら看護のあり方をつくり直す時代に入ってきたのだと感じています。
副会長 山本 則子

根拠に基づく政策立案(EBPM)
私が参加している社会保障審議会の各部会では現在、2040年に向けた制度設計の大きな枠組みに関する議論が盛んに行われています。超高齢化が進むとともに人口が急速に減少している日本において、介護サービスや障害福祉サービス等を必要とする方々に、どのような制度設計をすれば適切なサービスが継続的に提供できるか。また、それがサービス提供側にとっても持続可能な仕組みとなり得るのか。それらを丁寧に点検しながら将来像を形づくります。私は日本看護協会を代表する立場で意見を述べますが、その際に大切にしたいのは、これからの政策は正確な現場データと、その分析によるエビデンスに基づいて立案されるべきだという考えです。制度設計はどれも複雑な要素があり、単純な分析で最適解を得られるものではありません。しかし昨今は、医療や介護にかかわる多くのデータが入手可能になり、それらを分析することができます。根拠に基づく政策立案(Evidence Based Policy Making:EBPM)の推進を訴えていきたいと思います。
副会長 勝又 浜子

補正予算は通過点、診療報酬改定での本格対応に向けて
令和7年度補正予算(案)が閣議決定されました(※)。「医療・介護等支援パッケージ」で医療が1兆368億円、介護等で3,281億円が計上されています。①医療機関・薬局における賃上げ・物価上昇に対する支援が5,341億円、②施設整備の促進に対する支援が462億円、③福祉医療機構による優遇融資等の実施が804億円、④生産性向上に対する支援が200億円、⑤病床数の適正化に対する支援が3,490億円、⑥出生数・患者数の減少を踏まえた産科・小児科への支援が72億円となっています。特に①については、病院への基礎的支援として1床当たり賃金分8.4万円、物価分11.1万円が措置されるほか、救急に対する病院への加算として救急車受け入れ件数に応じ、1件以上1,000件未満で500万円~7,000件以上で2億円が1施設当たり支給されます。ただし、これは補正予算であり、あくまでも一度きりの対応です。これから診療報酬でどこまで物価高・賃金アップに対応してもらえるか、12月末までぎりぎりの勝負が続きます。頑張ります!
※ 本号「TOPICS」(p.8-10)参照
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