副会長活動ダイジェスト
機関誌「看護」2025年11月号より
副会長 任 和子

「自分ごと」として考える医療保険制度改革
9月18日の医療保険部会で、医療保険制度改革の審議がスタートしました。2025年冬をめどに議論をまとめていく予定です。国民皆保険は、病気やケガをしても私たちが安心して医療を受けられる大切な仕組みです。だからこそ、看護職としてだけではなく、一人の生活者としても「自分ごと」として考えなければならないテーマだと感じています。私は今回、「将来にわたって安定して医療を届けるには、人材の確保が欠かせない」と発言しました。特に看護職などの医療従事者が、それぞれの専門性をしっかり発揮し、医療の質を高め続ける体制づくりは待ったなしです。高齢化や人口減少が進む中で、医療を支える人を育み生かすことこそが、制度を持続させる力になります。未来の医療を築いていくために、私たち一人ひとりの理解と関心が欠かせません。ともに考え、知恵を持ち寄りながら、この制度を次の世代へつないでいきましょう。現場での実感を看護の視点から伝え、議論に反映させていきたいと思います。
副会長 山本 則子

国民のニーズに応える看護の展開へ
9月12日から14日の3日間、愛知県名古屋市で第56回日本看護学会学術集会を開催いたしました。参加された方も多いと思います。私は厚生労働省の習田由美子看護課長による特別講演の座長を務めました。人口減少や超高齢者の増加という社会変化に伴い、求められる看護にも変化があります。講演では、誤嚥性肺炎や心不全による高齢者の入院が多いといった報告から、なるべく入院せずに穏やかに住み慣れた場所で過ごせるための看護の力量発揮が必要とされており、さらに医療機関や在宅だけではなく、施設等における看護のあり方にも検討が求められることが指摘されました。看護職の活躍推進のため、厚労省では、新規養成・復職支援・定着促進に尽力してきましたが、現在は特に処遇改善や地域・領域別人材育成が急務です。先ごろ発出された政府の「骨太の方針」においても、人口構造が変化する中で看護職への期待が明記されている点が紹介されました。本会は今後も厚労省と緊密な協力関係の下で、活動を展開します。
副会長 勝又 浜子

次期診療報酬改定に向けて
社会保障審議会医療部会では、次の診療報酬改定に向けて意見交換がスタートしました。私は、次の3点の意見を述べました。①医療と介護の連携がよりいっそう求められているものの人材が限られている状況の中、地域全体での効果的な支援体制の構築と人材の活用が重要である。そのため、専門性の高い看護師が介護保険施設など組織を越えた活動を展開することが必要。②効果的な医療の提供に当たり多職種連携やタスク・シフトをはじめとして、病棟間・職種間さらには地域における施設間での複雑な調整が求められる。そのため、看護管理者によるマネジメント機能を強化する方策が重要。③何よりも処遇改善。必要とされる医療・看護を国民に届けるために、次期改定ではベースアップ評価料の拡充に加え、医療機関の経営状況を大幅に改善させるための措置に併せ、看護職の賃金アップと夜勤手当の増額が必須。改定率が決定される12月に向けて、本会としてしっかりと取り組んでまいります。
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