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2018/09/10

ナースの2人に1人が暴力・ハラスメントを受けていた!

日本看護協会の「2017年 看護職員実態調査」では、過去1年間に職場で何らかの暴力やハラスメントを受けた経験がある看護職員は52.8%で、2人に1人の割合でした。内容は「精神的な攻撃」(31.5%)が最も多く、「身体的な攻撃」(22.9%)、「人間関係からの切り離し(仲間外し、無視、など)」(17.9%)、「意に反する性的な言動(セクシャル・ハラスメント)」(16.0%)と続きます(図)。

【図】暴力・ハラスメントを受けた経験

image n=2,617
内訳 女性2,447(93.5%) 男性163(6.2%)
日本看護協会 2017年「看護職員実態調査」

【図】暴力・ハラスメント内容(複数回答)

image
暴力・ハラスメントを受けた人について、もう少し詳しく見てみましょう。暴力・ハラスメントの経験した割合は、勤務場所別では「病院」54.4%、以下、回答者数は少ないのですが、「訪問看護ステーション」47.0%、「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」61.5%、「介護老人保健施設」50.0%、「看護系教育研究機関」41.4%となりました。性別では女性52.9%、男性51.5%でほとんど差がないように見えます。しかし、暴力・ハラスメントの内容では、女性では「意に反する性的な言動」を受けた人が多く、逆に男性は「精神的な攻撃」「人間関係からの切り離し」を受けた人が多いことがわかりました。また、年代別に見ると、20代では暴力・ハラスメントを受けた人が57.1%と他の年代より高く、暴力・ハラスメントの内容では「意に反する性的な言動」「身体的攻撃」を受けた比率が他の年代より高い傾向が見られました。
【表】は、暴力・ハラスメントを「誰から受けたか」(複数回答)です。「意に反する性的な言動」については患者からが多く、同じ勤務先の職員からも少なくありません。「身体的な攻撃」はもっぱら患者から、「精神的な攻撃」は同じ勤務先の職員、患者、患者の家族等となりました。「人間関係からの切り離し」「過大な要求」「過小な要求」「個の侵害」については同じ勤務先の職員間の出来事であったことがわかります。

【表】暴力・ハラスメントを誰から受けたか(複数回答)

患者 患者の家族等 同じ勤務先の職員 その他 無回答・不明
意に反する性的な言動
(n=420)
79.3 6.2 28.8 1.2 0
身体的な攻撃
(n=600)
94.5 2.5 5.5 0.8 0
精神的な攻撃
(n=825)
40.7 18.9 64.8 3.8 1.2
人間関係からの切り離し
(n=468)
3.4 1.9 93.8 2.8 2.6
過大な要求
(n=342)
11.4 7.6 85.7 4.7 4.4
過小な要求
(n=160)
9.4 5 86.9 3.1 4.4
個の損害
(n=199)
5.5 1 94.5 2 3.5
全体(いずれかを経験)
(n=1,383)
59.5 14.5 65.4 4.2 1.2
意に反する性的な言動
(n=420)
患者 79.3
患者の家族等 6.2
同じ勤務先の職員 28.8
その他 1.2
無回答・不明 0
身体的な攻撃
(n=600)
患者 94.5
患者の家族等 2.5
同じ勤務先の職員 5.5
その他 0.8
無回答・不明 0
精神的な攻撃
(n=825)
患者 40.7
患者の家族等 18.9
同じ勤務先の職員 64.8
その他 3.8
無回答・不明 1.2
人間関係からの切り離し
(n=468)
患者 3.4
患者の家族等 1.9
同じ勤務先の職員 93.8
その他 2.8
無回答・不明 2.6
過大な要求
(n=342)
患者 11.4
患者の家族等 7.6
同じ勤務先の職員 85.7
その他 4.7
無回答・不明 4.4
過小な要求
(n=160)
患者 9.4
患者の家族等 5
同じ勤務先の職員 86.9
その他 3.1
無回答・不明 4.4
個の侵害
(n=199)
患者 5.5
患者の家族等 1
同じ勤務先の職員 94.5
その他 2
無回答・不明 3.5
全体(いずれかを経験)
(n=1383)
患者 59.5
患者の家族等 14.5
同じ勤務先の職員 65.4
その他 4.2
無回答・不明 1.2
このように、看護の職場ではさまざまな暴力やハラスメントが実際に起きており、多くのナースがその被害にあっています。同じ勤務先の職員間だけでなく、患者やその家族からの暴力やハラスメントも多発しており、問題は切実です。職場や業務の特性を踏まえた暴力・ハラスメント対策を、組織的に講じる必要があります。