- Q.1 ベテランや熟練した看護師は高く評価・処遇してもらえるのでしょうか
- A.1
熟練層は専門職群のステップG5として5〜7等級までに位置づけ、それぞれ管理・監督職群の主任、副看護師長、看護師長と同じ等級としています。
- Q.2 看護職の賃金水準を改善することが優先ではないでしょうか
- A.2
賃金水準の全体的な底上げではなく、等級制度や複線型人事制度による専門職群の熟練層および高度専門職群を提案することで、能力、職務・役割の高まりによる昇給を目的としてしています。
- Q.3 賃金の地域格差についてどのように考えますか
- A.3
今後、看護職の賃金水準の参考として、全国平均や各地域の平均など、ご活用いただける情報提供を進めます。
- Q.4 寝たきりの賃金カーブを改善してほしいです
- A.4
看護師の賃金カーブの傾きが緩やかであることに関しては、?看護部門の人員規模に対する上位職位や、非管理職の等級などの区分が少ないため、昇進や昇格の機会が得にくいこと、?再就業時にそれまでの経験に対する評価が低くなりやすいことなどが問題であると考えられます。そのため「複線型人事制度」を設け、管理・監督職群では主任、副看護師長を5等級、専門職群の熟練層では7等級まで昇格する仕組みとなっています。また、再就業時の賃金評価が不十分であることに関しても、ラダーと連動した「等級制度」によって、経験や能力に対する標準的な格付けが可能となるため、転職時にもより適切な評価を得やすいと考えます。
- Q.5 勤続による定期的な賃金の上昇は確保されるのでしょうか
- A.5
勤続年数などに応じた昇給については、組織の方針に沿って決定されると考えています。同一等級にとどまった場合も勤続による上昇を確保すべきと考えています。
- Q.6 昇給停止や役職定年などが必要ではありませんか
- A.6
昇給停止や役職定年については、組織の方針に沿って決定されると考えています。
- Q.7 リーダー業務に対しての手当を加えてほしいです
- A.7
リーダー業務については、手当ではなく等級で評価・処遇する仕組みとなっています。例えば、「病院で働く看護職の賃金のあり方に関する考え方(案)」で示した看護師キャリア開発ラダーのレベル例では、3等級が相当します。
- Q.8 高度専門職群に、医療安全管理者などの資格取得者の評価・処遇も加えてほしいです
- A.8
高度専門職群は、専門看護師、認定看護師、特定行為研修修了看護師に適用すると提案しています。病院が重要と認める各種資格に関しては、組織の方針に沿って、果たしている役割に応じた諸手当の導入が決定されると考えています。
- Q.9 等級区分が多いように思われます
- A.9
本モデルでは職能段階を新人、中堅、熟練に分けた上で、仕事や能力の高まり、習熟度に応じた昇格段階として、新人はレベル?(1等級)、中堅はレベル?〜?(2〜4等級)、熟練はレベル?(5〜7等級)が望ましいと考えています。
本モデルが困難と考えられる小規模病院などでは、等級区分はアレンジ可能であると考えています。
- Q.10 評価者が公正に人事評価できるのか心配です
- A.10
「病院で働く看護職の賃金のあり方」日本看護協会の提案(最終版) 、提案1、留意点に、■人事評価について「ラダーと連動した等級制度に関しては、被評価者が公平感、納得感を得られるように取り組む」を追加いたしました。
また本会では今後、評価者研修の仕組みや事例など、看護職の賃金制度の整備・再構築にご活用いただける情報提供を進めます。
「病院で働く看護職の賃金のあり方」日本看護協会の提案(最終版)