看護実践情報

事業の成果

事業参加病院の取り組み例

DiNQL事業に参加した病院の、労働や看護の質向上のためにデータを活用していった取り組み例をご紹介します。

病棟における看護の質向上

  • 転倒・転落発生率や身体的拘束割合など、全国の自分たちと同規模・同診療科の病棟や院内の他病棟と比較した結果を見ながら、自分たちの強み・弱みを把握しています。
  • スタッフ全員で課題と対策について話し合い、目標を立てて取り組み、取り組んだ結果もDiNQLデータで評価しています。
  • DiNQLデータのベンチマーク評価結果が出るタイミングで、看護部長と病棟看護師長が面談し、今後の取り組みや課題を話し合っています。

ガイドライン遵守のための戦略

  • 褥瘡発生予防のために必要な体圧分散マットレス購入に向け、DiNQLのベンチマーク評価を活用し、全国の病院と比較して必要性の根拠を示し、必要数の購入に至りました。

専門性の高い看護師の養成に活用

  • 専門性の高い看護師を養成するために、DiNQLのベンチマーク評価を「全国の同規模病院と比較して認定看護師が少なく、感染領域の指標が良くない」など根拠として示し、事務長にも理解が得られ、認定看護師教育課程への看護師の研修参加が認められ、研修費の補助もしてもらいました。

スタッフのモチベーション向上に活用

  • 看護職一人一人の日々の看護業務が個人や病棟、看護部の目標につながることをDiNQLデータで説明し、スタッフの動機づけを行っています。
  • ベンチマーク評価での良い結果はナースステーション内に掲示したり、勤務表の裏に印刷したりして、スタッフ一人一人の日々の頑張りをデータで示し、褒めることでモチベーションの維持・向上につなげています。

政策提言への活用実績

DiNQL事業で収集・蓄積したデータを、個人の力だけでは解決できない看護を取り巻く課題を解決する政策の実現に向けたエビデンスとして活用した実績を一部ご紹介します。

診療報酬改定に向けた活用

入院患者に対する認知症ケアの評価に

認知症の早期発見、BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia; 行動・心理症状)予防のために、認知症看護認定看護師を含む多職種による認知症ケアチームを設置し、病棟で各種相談やカンファレンスを実施している病院があることを数値で示した結果、2016年度診療報酬改定における認知症ケア加算の新設につながりました。

病棟における人員配置の評価に

高度急性期入院医療を提供する病棟では多くの重症患者に対応するために7対1の基準を上回って看護職員を多く配置している実態があります。このことを数値で示し、さらなる上位の配置に対する加算の新設を2020年度診療報酬改定に要望しました。