看護実践情報

ワクチン接種

更新日:2021年6月21日

ワクチン接種加速をチームワークで後押し

立正佼成会附属佼成病院
副院長/病理診断科部長 二階堂孝さん
看護副部長 秋山陽子さん

27の診療科を持ち340床を有する地域医療の拠点で、東京都の災害拠点病院にも指定されている佼成病院。急性期や地域包括ケア、緩和ケアなどさまざまな病棟を有し、地域住民の要望に応えられる医療を提供している。

多職種連携によるワクチン接種の体制づくり

国をあげて新型コロナウイルスワクチンの迅速な接種体制の構築が進む中、佼成病院の二階堂孝副院長は、杉並区の基幹病院であることから「当初より、接種が始まった際には、“ワクチンセンター”的な役割を担当しなければならないと病院幹部内で共通認識していた」と話す。

役割分担で実施している画像
看護師、薬剤師、事務員の明確な
役割分担の下、ワクチン接種を実施

1月に区からワクチン接種を広く実施して欲しいと依頼があり、同院はまず多職種で協働するための組織体制の構築に着手した。院長を「総監督」、副院長を「隊長」、情報システム課長を「副隊長」とする「情報」「物流」「接種」「会計」の4部隊を設置した。役割分担を明確にするため、2週間に1回、ミーティングを設け担当表や緊急対応フローチャートを作成。担当表は▽問診:医師▽ミキシング:薬剤師▽会場準備:みんなで▽受付・誘導:事務▽接種:看護師▽有症状者対応:医師とした。また、接種後のアレルギー、アナフィラキシーの対応について、循環器の医師と救急外来の看護職などの職員も含めた対応フローチャートを明示している。

ワクチンの保管・管理も重要であり、ディープフリーザーの管理は臨床検査部が担う。ワクチンの数の管理は情報システム課長の管理の下、キャンセルも想定し、貴重なワクチンを無駄にしないよう管理している。

リスクマネジメントとしては、準備段階では、ミキシングは薬剤師、シリンジへの充塡は看護師と役割を分担。被接種者数と同数のシリンジ・注射針を準備することや、1トレーに1バイアル、シリンジ、注射針(5人または6人分)をセットし、他のものとは混在させないこと、充填完了したトレーは既定の場所に置くなど、準備の手順をライン化。準備プロセスでも、各業務に集中できる仕組みにしている。

接種にあたっては、筋肉注射の手技について最新のマニュアルを共有。また、接種を実施する看護師と事務員は2人1組で配置し、事務員がロット番号シール貼付や接種証明書の説明を行い、看護師が接種に集中できる体制を整えた。接種会場は、感染管理認定看護師のアドバイスも受けながら、感染対策やスムーズな動線、倫理面を考慮しパーテーションを設置した。「インシデント回避のためにも、役割分担と業務の明確化が特に重要」と秋山陽子看護副部長は語る。

接種後の副反応などを調査し対応

同院での医療従事者へのワクチン接種は、3月中旬から始め、体制や手順はミーティングを通じて検討、改善を重ねながら進めている。ワクチン接種した職員の健康調査も行っており、調査結果では、2回目の接種翌日に接種者の35.8%に37.5度以上の発熱が見られたことから、接種2回目の翌日は公休にするよう推奨した。健康調査は、二次元コードをスマートフォンで読み取り、Webサイトから接種日を含め6日間質問を簡易に回答するもので、情報システム課が担当した。この他、接種後15分の待機時間は教育効果が高いと考えワクチンに関するQ&Aなどの映像を作成し放映している。

今後について秋山看護副部長は「コロナの対応と同様でワクチン接種も長期戦になると考えています。無理をせず、接種する側もされる側も安心して臨めるよう、今後もチームワークで取り組んでいきます」と笑顔で気概を示した。

(2021年5月14日取材)