看護管理者の活動

    更新日:2020年10月9日

    災害モードに切り替え地域の感染対策に一致団結

    市立岸和田市民病院 看護局長 前由佳さん
    感染管理認定看護師 森野幸代さん

    市内唯一の公立病院として軽症・中等症患者を受け入れ

    大阪府の南部に位置する岸和田市。およそ300年の歴史を誇る「岸和田だんじり祭り」を継承する城下町だ。市立岸和田市民病院(400床)は市内唯一の公立の急性期病院として、新型コロナウイルス感染症の最前線で、市民を守る取り組みを行ってきた。

    救急病棟を転用した新型コロナウイルス感染症中等症患者用病棟の様子
    救急病棟を転用した
    新型コロナウイルス感染症中等症患者用病棟

    同院が属する泉州2次医療圏では、病院機能を分担し、重症者を泉佐野市のりんくう総合医療センターで、一般の救急患者は岸和田徳洲会病院で対応し、同院は軽症・中等症の患者を受け入れた。2月初旬には、帰国者接触者外来を開設し、3月末から20床、その後47床に増床して、対応してきた。

    同院の看護職440人の先頭に立って感染対策を行ってきたのは看護局長の前由佳さんと感染管理認定看護師の森野幸代さんだ。森野さんは、1月に中国・武漢市からの帰国者が国内に入ったころから強い危機感を持ち、マスクなどの備品の備蓄を始めたり、学会に出席して最新の知見を得たりした上で、ゾーニングや感染疑い者が出た際のフローを整備し、マニュアル化するなど準備を進めてきたという。感染患者の受け入れについては、前局長を中心に準備。重症化に対応できる救急病棟6床、ベテラン看護職ぞろいで個室だった緩和ケア病棟14床を新型コロナウイルス病棟として確保した。しかし「このあたりまでは、先手が打てていたのですが、1カ月後に20床から47床に受け入れ拡大するところからはちょっと大変でした」(森野さん)。

    感染の再拡大で受け入れ20床から47床に

    受け入れの拡大には、救急病棟と緩和ケア病棟では足りず緩和ケア病棟は閉棟。他の一般病棟を新たに新型コロナウイルス病棟とし47床を確保した。しかし病棟の再編はまさに大がかりな引っ越し。閉鎖する一般病棟の患者を別の病棟に移し、すでに入院していた新型コロナウイルス感染症患者を、新たに確保した47床に移す。物品やベッドの消毒、移送、ゾーニングの変更や、システムの対応までを一気に行う必要があり、休日を返上し職員総出で対応した。

    ?	清掃業者が入らないため、看護職が清掃作業する様子
    清掃業者が入らないため、看護職が清掃作業

    青色ガウンを着た訪問看護師の画像
    「立ち入り禁止」が一目で分かるようゾーニングを
    工事用のコーンで工夫

    病棟を担当する看護師は、経験や体調などを勘案し配置したが、「毎日が人事異動のようで、皆には本当に負担をかけた」と前局長は振り返る。「それでも一度方針が決まったら、さっとチームで動けるのがうちの強み。強いリーダーシップと組織化が得意な“だんじり文化”かもしれないですね」と前局長。47床規模で感染者の受け入れを行っている病院は周辺にはなく「軽症・中等症でも5〜6人のうち1人は重症化するので気が抜けない」(前局長)と緊張感は続いている状態だ。

    青色ガウンを着た訪問看護師の画像
    感染症病棟のナースステーション廊下は
    イエローゾーンだったが、
    認知症の感染患者が病室から出て来たため、
    すぐレッドゾーンになった

    地域全体の感染対策に奔走

    感染管理認定看護師の森野さんは、院内だけでなく地域連携でも奔走した。もともと、岸和田市がある泉州地域は、大学病院がなく「泉州全部でやっていこう」という機運が高かった。2012年度診療報酬改定の感染防止対策加算をきっかけに、地域の病院が連携し、日頃から合同カンファレンスを行ったり、感染管理認定看護師がいる病院同士で2カ月に1回、保健所と集まって情報共有を行ったりするなどしていた。

    今回、こうしたネットワークが生かされ、連携病院や近隣のクリニックから、外来や感染者用病棟の見学依頼や、面会制限を具体的にどうしたらよいか、外来のビニールシートはどう貼るかなど、細かい相談を受けた。逆に森野さんから、連携病院に感染対策についてメールを配信したり、保健所を通じて地域施設への支援を提案することもあった。近隣病院の感染管理認定看護師とは毎日連絡を取り合い、地域の感染状況を把握することにも努めた。

    また地元の拘置所からの相談もあった。勾留されている人が発熱した際の対応や、取り調べ時の感染対策について相談を受けたのだ。森野さんは拘置所を訪問してラウンドを行い、動線の確保や換気の方法など、具体的な指導を行った。「皆さん、当初は触ったらうつってしまうのではないかと怖がっていた。拘置所では発熱がなくてもN95マスクを着けていたほど。標準予防策をきちんとやれば大丈夫ということと、発熱者のどんな症状に気を付けたらいいかなどをお伝えした」(森野さん)。

    さらに、9月に予定されていた「岸和田だんじり祭り」については、岸和田市長から「なんとか安全に開催する方法がないだろうか」と相談があった。森野さんは祭りの特徴を踏まえつつも、感染対策に必要な「2メートル距離をとる」「密にならない」「声を出さない」などを、別病院の感染管理認定看護師とマニュアルとして作成し、提出した。結局祭りは中止となったが、医療機関の枠を超えて、地域全体の感染対策への貢献となった。

    「オール大阪」の気持ちで連帯を

    森野さん(左)と前看護局長の画像
    森野さん(左)と前看護局長
    壁に貼ってあるのは地元小学生からのメッセージ

    大阪府の感染再拡大は、4〜5月を大幅に上回る数で推移している。同院でも、47床体制での患者の受け入れが続けているが、森野さんは、「状況は変わっていくが、ぶれない感染対策を続けて皆を引っ張っていきたい」と気を引き締める。

    同院には、森野さん以外にも、様々な分野の専門知識をもつ専門看護師、認定看護師が20人以上いる。8月から、大阪府受託事業である大阪府看護協会の重症患者対応の看護従事者人材育成など教育研修に、急性・重症患者看護専門看護師、認定看護師を講師として派遣し、今後も地域への貢献を広げていくつもりだ。前局長は「今は非常時。院内だけでなく、地域みんなで力をあわせ、オール大阪の気持ちで、災害モードで取り組んでいきたい」と決意を新たにしている。

    (2020年8月12日取材)

    患者・職員の安全を確保し持続的な仕組みを構築

    国立大学法人東京医科歯科大学医学部附属病院(東京都文京区) 病院長補佐兼看護部長 淺香えみ子さん
    ER-ICU・ER-HCU・ICU・HCU 担当師長/救急看護認定看護師 溝江亜紀子さん

    国立大学法人東京医科歯科大学医学部附属病院では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、1月から院内の会議でプロトコルや対応フローの検討を行ってきた。2月には陽性疑い患者を受け入れるとともに、停泊中のダイヤモンド・プリンセス号にも看護師1人を派遣。4月2日には、陽性患者の受け入れが始まった。

    ニーズに応え迅速な体制整備に尽力

    感染症指定医療機関でなかったこともあり、同院では、病棟の再編やスタッフの調整、マニュアル作成などが急ピッチで進められた。当初はER-ICUの1区画を治療のための「レッドゾーン」として用意していたが、入院患者が増えるにつれ、スタッフが個人防護具(PPE)の着脱などを行う「イエローゾーン」、非感染区域である「グリーンゾーン」も整備。許可病床753 床のうち、ピーク時には271 床を閉鎖または機能転換し、専用病床90床を確保した。

    4月に着任した淺香えみ子看護部長は、所属する900人の看護職の陣頭に立ち、約200人の人員調整を行って陽性・陽性疑い患者に対応した。3月に職員へ新型コロナウイルス感染症患者に対応できるかを尋ねる意向調査を行っており、その結果を基に配置をしていったが「実際には、希望していなくても対応にあたってもらわざるを得ない場合もありました」と、看護部として苦渋の判断もあったことを明かす。看護職の不安に対しては「可能な限り現場に行って説明し、意見箱を作ってスタッフの声を聞くようにしていました」と振り返る。院内では、リエゾンチームがメンタルスクリーニングを行い、ストレスが高い職員には面接をした上で休養や配置換えをした。

    青色ガウンを着た訪問看護師の画像
    陽性患者の病棟でケアにあたる看護師ら

    受け入れの最前線となった重症陽性病棟では、ER-ICUの師長である溝江亜紀子さんを中心に患者のケアにあたった。溝江さんは、副師長らと口腔ケアや清拭などPPE を着た状態でのケアマニュアルや、ごみの捨て方、薬剤・衛生用品の搬入経路などをまとめた業務マニュアルを作成。看護職のシフトについては、通気性がなく慣れないPPEでの業務を考慮し、最大4時間勤務するごとに休憩が取れるように組んだ。また、人工呼吸器をしばらく扱っていない看護職もいたため、ICUと他部署からのスタッフがペアで患者を看る体制とした。ECMO(体外式膜型人工肺)は、1台に看護職2人が付き、医師や臨床工学技士も含めたチームで対応した。

    溝江さんは「先が見えない状況の中で、まずスタッフの安全が一番大切だということを皆に伝え、看護部の中で相談しながらシフトを調整していきました」と話す。毎朝、スタッフに声を掛け、困りごとを一つ一つ解決していった。

    患者に対しては「感染リスクがある中で触れることができず、スタンダードなケアが行えない難しさがありました」と溝江さん。患者の不安や混乱に対して丁寧に状況を説明することを心掛け、家族には医師や看護師が毎日、病状を電話で伝えたという。

    長期の対応を見据え 新たな看護体制を模索

    マニュアルなどを基に、職員が互いに確認し合いながら感染対策をすることで、同院ではまだ職員の陽性者は1人も出ていない。今後に向けて、淺香看護部長は「感染症に対応した医療体制を、長期的に持続できるような仕組みをつくる必要があります」と指摘する。6月には再度、全看護職に意向調査を実施。重症・中等症・陽性疑いなどいずれの病床の対応を希望するか、対応できる期間など、より細かく確認した。現在、感染症の病棟と一般病棟の看護職を定期的にローテーションさせ、疲弊を防ぐ運用を始めている。

    「患者の受け入れ一つとっても、新型コロナウイルス感染症への対応は看護職なくしては成り立たない」と淺香看護部長。「看護管理者として、他職種との連携を前提としつつ看護の存在感を示していきたい」と語る。他職種と協力し、患者・職員双方の安全を確保しながら、日々、新たな看護の体制づくりに奮闘している。

    (2020年9月14日確認)

    新型コロナウイルス感染症に対応した看護職員採用

    杏林大学医学部付属病院 看護部長 根本康子さん

    新型コロナウイルス感染症(以下、COVID–19)の拡大は、多くの医療機関や施設にとって、これまでの病院運営に関するさまざまな方針ややり方を、瞬時に変えざるを得ないインパクトのある経験となった。杏林大学医学部付属病院では、COVID–19感染者の受け入れ体制の構築や感染対策を行うとともに、いち早くオンラインを活用した採用活動にも取り組んだ。

    同院が受けた影響とその対応(図表1)

    同院は、発熱外来の設置や、COVID–19病床の確保などに関連してさまざまな対策を実施した。感染予防を強化する中、4月ごろから、標準予防策や環境消毒に使用する個人用防護具(PPE)や消毒薬が不足した。直接COVID–19陽性(疑い)患者の診療に携わらない職員には、マスクの使用を1人1日1枚にするなど、枯渇を防ぐ対策を取った。マスクの寄付も多く受けたが、感染対策室で性能確認をしたのちに現場に供給する対応を取り、サージカルマスク以外のものなどは間接業務を行う職員に回すことでCOVID–19陽性(疑い)患者の診療に携わる職員の感染防止を最優先した。

    令和2年2月1日〜5月31日間の発熱外来受診者数と東京都の感染者数を表した図
    【図表1】発熱外来受診者数と東京都の感染者数(令和2年2月1日〜5月31日)

    職員の感染対策では、体調がすぐれない場合は速やかに休暇が取れるよう奨励し、標準予防策に加えて環境清掃・消毒についてルールを定め励行した。直接COVID–19陽性(疑い)患者の診療に携わる職員へは、PPEの着脱訓練やN95マスクのフィットを行うなど適宜準備した。

    また、一部診療制限をしたが、保育所などの休所に伴い看護師の人員不足が懸念されたため、看護部有志で、「こども広場」を開設した。これは、職員同士の相互扶助を原則として保育・遊びの見守り支援を行う場で、看護職・医師の子ども延べ90人が利用した。育児、体調不良で特別休暇を取得した者は、看護職全体の2%程度だったため、部署間のサポートを適宜行い業務への大きな支障はなく経過した。

    新人育成については、毎年、2日間の病院オリエンテーションと、看護部の集合研修を約2週間にわたり行っていた。しかし、卒業旅行などで海外渡航歴のある新人が数人おり、日常生活の感染対策が十分できていないことを鑑みて集合研修を中止した。また、COVID–19専用病棟に配置した新卒看護師は、4月20日から3カ月間、他病棟に配置しOJTを行った。

    2020年度の看護職員採用活動

    インターンシップは、2月13日〜3月13日の予定で開始していたが、感染者数の増加や他大学病院の開催状況も参考にしながら、2月28日で中止を決定した。

    就職説明会は、緊急事態宣言を受けWEB(Zoom)説明会に切り替えた。外部校の学生は病院見学ができないため、看護部概要と福利厚生などの説明に加え、全部署を代表して4人の師長が部署紹介を行い、その他の部署の写真をスライドショーで紹介した。質疑応答はZoomのチャット機能とメールで対応した。

    WEB上で開催した就職説明会

    院内説明会と同時に、WEB面接への切り替えも決定した。従来、面接当日に行っていた筆記試験をやめ、事前の作文とWEB適性検査を面接の参考にした。インターンシップ、合同・院内就職説明会に参加しなかった人や、これまで実績のなかった外部校や県からも多数応募があり、前年比で25%増加した。

    学生からは、「応募前に職場環境を見たかったが、WEB説明会の印象とホームページやリクルートガイドを見て応募を決めた」「師長からの部署説明で雰囲気が伝わった。内定が出た後でも機会があればインターンシップに参加して配属希望部署を見たい」という意見があった。「応募予定だった病院の採用試験が中止になったままだったためWEB面接をしている病院を探した」という人や、「県外に出ないよう指導されているため、WEBで助かった」という声もあった。

    Zoomの接続については、事前の人事課職員からの説明でスムーズに対応でき、トラブルはなかった。

    採用活動の今後について

    Web面接を行う様子
    WEB面接を行う根本看護部長(右)と
    田中長文人事課課長

    同院では、外出自粛解除以降も、WEB説明会と面接を継続している。6月25日からインターンシップも再開したが、例年より申し込み数が少なく他県からの応募も少ないため、今後の動向を見て開催日など適宜計画を変更したいと考えている。

    本年度の採用では、人事課の協力で速やかにリクルート方法を変えることができ、対面式の面接ではなかったものの、受験者の配慮(部屋に花を飾るなど)やしぐさ、表情などを細かに観察できるメリットもあった。

    同院では、毎年10%前後の退職者に対して採用をしている。病床稼働が減少しているが、現在のところ採用数に変更はない。根本さんは、引き続き、安全かつ効果的なリクルート活動をして人員確保に努めたいと考えている。

    (2020年8月18日確認)

    コロナ禍における看護師のメンタルヘルスに配慮した勤務体制 〜ローテーション体制の構築と在宅型テレワーク制度の活用〜

    日野市立病院 看護部長 堀江由美さん

    日野市立病院は、急性期医療を担う地域の中核病院だ。新型コロナウイルス感染症の流行に対し、3月上旬、発熱外来の立ち上げと新型コロナウイルス感染症病床を1病棟確保する方針が決定された。

    看護部では、この有事に対応するには、感染症への体制を構築することと合わせ、看護職のメンタルヘルスケアへの長期的な労務環境づくりが重要だと考えた。そのため、病院管理者会議でEAP(Employee Assistance Program:病院職員支援プログラム)対応強化を提言し、働き方改革担当者を中心に検討することにした。

    まず、感染症病棟の看護師が新型コロナウイルスに長期間継続し対応することによるストレスの回避や、看護部全体が一丸となり取り組み、連帯感を生みだすことによるストレス回避の対策について検討した。その結果、新型コロナウイルス感染症病棟(以下、感染症病棟)で勤務する看護師を、一定期間(月単位)で他病棟看護師とローテーションする体制を構築した。

    個人防護具を身に付け、感染症病棟の病室に入る看護師の画像
    個人防護具を身に付け、
    感染症病棟の病室に入る看護師

    その際、感染症病棟で勤務する看護師は、病院基準に則って慎重に検討し、各病棟管理者が個々に動機付けを行い選出した。例えば、不安を訴える看護師へは不安の内容を具体的に確認し一つ一つ丁寧に解決に導いたり、看護師の気持ちを確認しつつローテーションの時期を検討したりした。また、先行してローテーションで勤務した看護師の成果や達成感をそのほかの看護師にも共有したことで、皆が安心してローテーションすることができた。

    さらに、感染症患者受け入れの円滑化により組織への貢献につながることを意味付けし、組織の一員としての達成感につなげた。看護実践能力や各病棟からの選出人数に偏りがないようにチームを編成したほか、個人防護具の着脱方法についての研修を行い、感染予防対策が徹底できるよう支援した。感染症病棟の管理者は固定とし、ローテーション看護師への身体面・精神面のフォローを各病棟管理者と連携し行うことにした。

    このローテーションを1カ月間実施し、終了後に、制度としての在宅型テレワーク5日間と公休2日間の勤務を計画した。在宅型テレワークとは、市の特別措置法に基づき制定されたもので、対象者は「市内に勤務するすべての職員」と実施要領に定められていること、また、実施にあたっての留意点には、「勤務時間中は業務および業務に関連する学習等に専念」と記されていることから、病院看護師にも適用できると判断し導入した。そして、在宅勤務時間中を勤務時間中と定義した。

    看護部として導入したねらいを「一定期間勤務後に在宅型テレワーク勤務を活用することで身体的・精神的休息を取りメンタルヘルスケアにつなげること」とした。具体的な運用では、「①各病棟の管理者が勤務計画作成時に在宅型テレワークを勤務計画し、在宅型テレワークであることを明確化しておく②在宅型テレワーク勤務日には、病棟管理者に始業と終業の連絡を入れる③在宅型テレワーク終了後の出勤時に報告書を病棟管理者に提出する」とした。

    結果、緊急事態宣言発令後の4・5月において、ローテーション看護師全員が在宅型テレワークを行うことができた。各看護師は、当院で導入しているe-ラーニングの視聴や病院・看護部委員会活動における資料の作成などを行った。看護師からは「自分の身体面・精神面を緊張から解放する時間があり、気持ちの整理ができた」との声があり、管理者からは「テレワークの仕組みが、組織に守られている安心感につながった。ローテーション期間中の役割や目標設定が明確だったので終了後の看護師の達成感が高まった」などの意見も聞かれた。

    今回は、急性期一般入院料1(7対1相当)を維持する看護職の数が確保できていた。しかし、夏季休暇取得期間や祝祭日の多い月などに、維持する看護職を確保できない可能性がある。今後の課題として、7対1相当の体制を維持しつつ、テレワークを行うための看護職確保の検討が必要である。

    これからも継続する新型コロナウイルス感染症への対応に向けて、今回の成果から、ローテーション制度とテレワーク制度の継続は必要と考えている。第1波で行ったローテーションの成果における看護管理者の管理行動を振り返り、課題を明確にした上で、第2波以降も取り組みたいと考えている。

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