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「ICN看護師の倫理綱領」の活用方法
「ICN 看護師の倫理綱領」は、社会の価値観とニーズに基づいた行動指針である。変化する社会にあって、この綱領は、現実の看護および保健医療に適用されてはじめて、生きた文書として意味をもつ。
この綱領の目的を果たすためには、看護師がこれを十分に理解し、身に付け、自己の職務のあらゆる場面で活用する必要がある。看護学生や看護師は、学生生活や職業生活を通じて、いつでもこの綱領を手にとって活用できるようにすべきである。
「ICN 看護師の倫理綱領」基本領域別の活用方法
「ICN 看護師の倫理綱領」の4つの基本領域である「看護師と人々」「看護師と実践」「看護師と看護専門職」「看護師と協働者」は、行動基準を定める際の枠組みとなるものである。次に示す表は、これらの基準に基づいて実際の行動を展開する際の指針となるであろう。看護師および看護学生が実施すべき事項として、以下のようなものが挙げられる:
- 綱領の各基本領域に含まれる基準について学ぶ。
- それぞれの基準が、自己にとってどういう意味を持つかを考え、各自の活動領域(実践、教育、研究あるいは管理)においてどのように倫理を適用できるか検討する。
- 協働者やその他の人々と、この綱領について話し合う。
- 自己の経験に基づき倫理的ジレンマの例を挙げ、この綱領に示されている行動基準に照らして検討する。そのジレンマを自分ならどのように解決するかを確認する。
- グループワークを通じて倫理的意思決定とは何かを明確にし、倫理的行動の基準に関して合意を図る。
- 自国の看護師協会、協働者およびその他の人々と協力しながら、看護の実践、教育、管理および研究において常に倫理基準を活用する。
実践家および管理者 | 教育者および研究者 | 各国看護師協会 |
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実践家および管理者 | 教育者および研究者 | 各国看護師協会 |
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実践家および管理者 | 教育者および研究者 | 各国看護師協会 |
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実践家および管理者 | 教育者および研究者 | 各国看護師協会 |
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「ICN 看護師の倫理綱領」の普及
「ICN 看護師の倫理綱領」を効果的に活用するためには、看護師がこの綱領を十分に理解する必要がある。ICNは、皆様がこの綱領を、看護教育機関および実践に従事する看護師、看護関係出版社や一般のマスコミに普及させてくださることを願っている。さらに、看護師以外の保健医療専門職や一般社会、消費者団体、政策策定グループ、人権擁護組織、看護師の雇用者などにも、この綱領が普及すれば幸いである。
「ICN看護師の倫理綱領」で使用される用語の解説
用語 | 意味 |
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協働者 | 他の看護師ならびに、他の保健医療・非保健医療領域の専門職および非専門職 |
協力関係 | 専門職に従事する者が、一定の合意目標の達成を目指し、対等で互恵的な行為や行動の上に築く関係 |
家族 | 血縁関係、親族、情緒的あるいは法的な関係で結ばれた人々により構成される社会単位 |
看護師は社会と分かち合う | 看護師は、保健医療専門職および一人の市民として、公共の健康上のニーズと社会的ニーズを満たすために必要な行動を起こし支援する |
個人情報 | 専門職として接する過程で得られた情報のうち、個人や家族のプライバシーに関わるもので、公開されるとプライバシー権の侵害になるもの、または、その個人や家族に不都合や迷惑、損害をもたらすもの |
個人の健康 | 看護師の精神的、身体的、社会的および霊的安寧 |
関連するグループ | 個人、家族あるいは地域社会にサービスを提供し、望ましい目標達成を目指して働く、他の看護師や保健医療従事者あるいは専門職集団 |
All rights, including translation into other languages, reserved. This work may be reprinted and redistributed, in whole or in part, without alteration and without prior written permission, provided the source is indicated
他の言語への翻訳権も含めて、この出版物は著作権を有しています。この著作物は、改変を加えず、かつ、出典を明記するという条件のもとで、事前の書面承諾を得ずに、一部または全部を転載・配布していただけます。
Copyright©2012 by ICN-International Council of Nurses, 3, place Jean-Marteau, 1201 Geneva, Switzerland
ISBN: 978-92-95094-95-6
2013年7月 公益社団法人日本看護協会訳
訳注:日本語版「ICN看護師の倫理綱領(2012年版)」の著作権は本会に帰属しております。
転載する場合には、日本看護協会へ許諾を申請してください。また、利用する場合には、出典元として、日本看護協会および国際看護師協会(ICN)を明記してくださるようお願いいたします。