生涯学習支援

集中ケア学科

集中ケア学科

集中ケア学科とは

近年、高度医療、救命医療の発展により、Intensive Care Unit・Coronary Care Unit(以下ICU・CCU)などの集中治療領域では、看護職における専門家(Expert nurse)育成が必要であるという声があがり、誕生したのが、「集中ケア認定看護師」です。ここでいう「集中ケア」とは、その用語のごとく、重症かつ集中治療を必要とする患者、家族への看護、いわゆる生命現象の危機状態にある人間の反応に対処する看護ということです。なお、英語では、Critical care(クリティカルケア)という単語が相当し、医療界では和製英語となりつつありますが、この用語は本来治療と看護ケア全体を包括した意味で使われます。

学科の特徴

集中ケア認定看護師として、クリティカルケア領域に必要な最新の幅広い知識と技術を再確認しながら学習し、優れた看護実践能力を中心に臨床現場で役割モデルを果たせるようカリキュラムは構成されています。
この領域の看護師に求められる医学的知識に裏付けられたフィジカルアセスメント能力だけではなく、この領域の看護の対象である患者、家族が、身体的精神的障害がなく、もしくは障害程度を最小限に回復できるように、集中治療を受けられている時から、日常生活の援助を通して、意図的に早期リハビリテーションが実施できる最新の高度な技術も学習します。多くのクリティカルケアに関連する各専門領域から看護師、医師、理学療法士を中心に講師をお招きしたカリキュラムとなっています。

カリキュラム概要

共通科目150時間専門基礎科目105時間
看護管理 15 集中ケア看護概論 30
リーダーシップ 15 集中ケアにおけるアセスメント概論 30
文献検索・文献講読 15 集中ケアにおける安全管理 15
情報管理 15 集中ケアにおけるコミュニケーションとマネジメント 15
看護倫理 15 集中ケアにおける臨床薬理 15 
指導 15    
相談 15    
対人関係 15    
臨床薬理学 15    
医療安全管理 15    
専門科目165時間演習210時間実習180時間
病態とケア 90 演習 210 実習 180
集中ケア看護技術 75        

総時間数 810時間

■ 共通科目(150時間)
共通科目では、認定看護師という専門職業人としての看護職に必要な共通の能力を養うための科目で「看護管理」「リーダーシップ」「文献検索・文献購読」「情報管理」「看護倫理」「指導」「相談」「対人関係」「臨床薬理学」「医療安全管理」の10科目を履修します。これらを学ぶことによって認定看護師の基盤となる専門的知識を学び、専門基礎科目・専門科目で得た知識を看護現場において具体化していくための能力を身につけます。授業は講義形式のほか、学科を越えたグループワークによって、他分野との交流や多角的な視点で自らの看護実践を振り返る機会にもなります。

■ 専門基礎科目(105時間)
● 集中ケア看護概論
集中ケアの変遷や現状から集中ケア認定看護師の役割と機能を学びます。また、生命の危機状態にある患者のケアを行うために必要な理論、法律、倫理、移植医療と看護の役割などについて学びます。
● 集中ケアにおけるアセスメント概論
集中ケア領域の患者アセスメントに必要な知識と、危機的な状態下にある患者の理解に必要な知識・理論を学びます。
● 集中ケアにおける安全管理
生命の危機的状態にある患者が安全に治療やケアを受けるために必要な知識について学びます。
● 集中ケアにおけるコミュニケーションとマネジメント
集中ケア領域において円滑な人間関係を構築し、チーム医療を推進するための方策を学びます。
● 集中ケアにおける臨床薬理
集中ケア領域において安全確実な薬剤投与・管理を行うため、特に使用頻度が高い薬剤について、その投与方法、薬物動態、薬物相互作用、副作用、薬理効果に影響を与える因子などについて学びます。

■ 専門科目(165時間)
● 病態とケア
呼吸機能障害、循環機能障害、脳・神経機能障害、代謝機能障害を持った患者のケアおよび多臓器障害の機序とその対策やケアについて学びます。
● 集中ケア看護技術
呼吸機能、循環機能、脳・神経機能、代謝機能、免疫機能、運動機能の維持向上へのアプローチの方法を学びます。また、生命の危機状態にある患者の家族への支援、救命技術、疼痛管理の実際について学びます。

■ 演習(210時間)
● 集中ケア演習Ⅰ(看護過程・事例展開)
看護過程のプロセスに沿って事例を展開することにより、集中ケア領域の看護を科学的に実践するための思考能力を強化します。
● 集中ケア演習Ⅱ(日常生活援助技術)
集中ケアが必要な患者の早期回復のための日常生活の援助方法や合併症予防のための援助を実践する能力を強化します。
● 集中ケア演習Ⅲ(早期回復と合併症予防)
集中ケアが必要な患者の早期回復へのリハビリテーション技術や合併症予防のための具体的な技術について学び強化します。
● 集中ケア演習Ⅳ(終末期ケア/教育指導プログラムと認定看護師活動評価)
事例の検討やディスカッションによって看護の専門職者として患者の権利を尊重し、倫理的な視点で問題を捉え、解決策を見出す能力を養います。また、自施設における認定看護師の活動計画や教育プログラムの立案、活動の評価に必要な知識や技術を養います。
● 文献演習
集中ケア領域における看護実践の疑問や新しい知見について文献的裏付け作業を行い看護を科学的、理論的に実践する視点を養います。
● ケースレポート
臨地実習で実践した看護を振りかえり、特に焦点を当てたケアについて、文献を用いて客観的・理論的に考察し、その成果を発表しレポートとしてまとめる能力を養います。

■ 臨地実習(180時間)
生命の危機状態にある患者および家族に対して学内で学んだ専門的知識と技術を活用し、質の高い看護実践を行うとともに認定看護師の役割や看護師の役割モデルを学ぶことを目標としています。また、実践した看護を論理的に記述し、心理・社会的ニーズにそった人的・物的資源の提供や環境の調整ができる能力を養います。

■ 学内ケースレポート発表会(全学科合同)
各分野の臨地実習やこれまで教育課程で学んだ成果を全学科の学生が共有する発表会です。学科で選出された学生の口演発表では他分野の認定看護師の役割や成果を学ぶことができます。また、全員参加のポスターセッションを行い、ポスター作製や発表準備は卒業後の学会発表の学びの場となり、今後認定看護師としての活動に役立ちます。

卒業生の声

14期生 原田愛子

私は入職して初めて配属されたところがICUでした。最初は戸惑いながらもどんどん集中治療領域にのめりこみ、さらに集中治療領域を極めたいと考えていた時に集中ケア認定看護師の道を勧められました。現場を離れて毎日集中治療看護について学ぶ日々は大変刺激的で、これまでの自分の考え方がいかに視野の狭いものであったのか実感しました。時にはくじけそうになりながらも、教員の方々や仲間たちに支えられて本当に充実した日々を送ることができました。現場に戻ってからは自分に何ができるだろうかともがく日々ですが、より深く、より広く看護について考えられるように日々チャレンジしています。