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看護師のクリニカルラダーの開発について
開発の背景
2025年に向けて世界に例のない少子・超高齢・多死社会を迎える日本では、医療提供体制の変化に伴い、暮らしと医療を支える看護提供システムの構築が求められています。その実現には、基盤となる看護実践能力の強化や、働く場・働き方の多様化の理解と推進が必要となります。そこで、あらゆる施設や場で活動可能な看護師の育成・教育支援、継続性の強化のため、個々の看護師が所属する施設の枠にとどまらず、全国レベルで共通して活用可能な指標として、「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」を開発することとなりました。
開発の目的
- 看護実践の場や看護師の背景に関わらず、全ての看護師に共通する看護実践能力の指標の開発と支援
- 看護実践能力の適切な評価による担保および保証
- 患者や利用者等への安全で安心な看護ケアの提供
「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」の概要
看護師のクリニカルラダーは看護師の能力開発・評価のシステムの1つです。看護師の看護実践能力を段階的に表し、各段階において期待される能力を示し、到達度によって看護師の能力が示されるシステムです。クリニカルラダーの活用により、看護師は能力段階を確認しながら自己研さんや人材育成を目指すことが可能です。
「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」の特徴
- あらゆる施設や場における全ての看護職に共通する能力として、看護実践能力に焦点化しています。
- 看護の核となる実践能力を「論理的な思考と正確な看護技術を基盤に、ケアの受け手のニーズに応じた看護を実践する能力」と定義しています。
- 看護実践能力の構成は、「ニーズをとらえる力」「ケアする力」「協働する力」「意思決定を支える力」の4つの力としています。4つの力は密接に関連し、どの場においても発揮されるものです。
- 習熟段階は、レベルⅠからⅤの5段階です。
- 「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」[PDF111KB]
- 開発においては、施設内教育や専門看護師教育者などの有識者によるワーキンググループにて、臨床実践現場において必要な能力を帰納的に抽出しました。同時に、既存のガイドラインや理論、施設のラダーと照合し、妥当性を確認しました。また、あらゆる場における活用可能性を確認するために、実践例を作成しました。平成27年度(2015年度)には、パブリックコメントを実施し、検討を重ねました。
- 「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」実践例[PDF713KB]
- パブリックコメントの結果について詳しく知りたい方はこちら
活用への期待
看護実践能力向上のためには、指標を用いて、自身もしくは自施設の看護実践を客観視して、自己研さんや人材育成につなげることが重要です。
「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」を用いて、看護実践における自己評価・自己研さんの目安、自施設のラダー評価や見直しにおける活用、地域・在宅領域における教育への活用、部署の看護実践評価・分析・OJT、看護管理における人材活用・人材育成への活用がなされることを期待しています。
活用方法に関しては「活用のための手引き」をご参照ください。
施設の教育体制整備について詳しく知りたい方は、以下の参考資料をご覧ください。