お知らせ

協会ニュース 2021年6月号

令和3年度通常総会 感染防止対応でライブ配信、アーカイブ配信を実施
より良い制度・環境へ看護の力の結集を

挨拶をする福井会長の画像
あいさつする福井会長

日本看護協会は6月9日、令和3年度通常総会を幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催した。新型コロナウイルス感染症に対応するため昨年度に引き続き規模を縮小し、最小限の代議員(議長、各署名人など)のみの参加で実施した。代議員については会場への参加は控えて事前に「議決権行使書」を提出していただくよう、一般会員については参加を控えていただくように依頼。当日の参加に代わって、会員には開催前に議題資料を公開して意見・質問を募集し、会場で回答した。さらに初めてライブ配信を実施。開催後には、アーカイブ映像として公開している。

通常総会には、750人の全代議員(「議決権行使書」提出者を含む)の出席と、本会役員、議長、選挙管理委員などの50人が参加した。議決事項の2議案「名誉会員の推薦(案)」「2021年度改選役員及び推薦委員の選出について」と報告事項の4事項が協議、報告され、議決事項はいずれも承認された。

開会のあいさつで福井トシ子会長は、長期にわたるコロナ禍において、さまざまな場所で尽力している医療従事者に敬意と感謝を示した。その上で「看護へのニーズが高まる一方で、昨年から続くコロナ禍において、看護職の疲へいは重積し、もはやその使命感に頼るのは限界ともいえる。看護職の確保が国を挙げての喫緊の課題となっている今、看護職の志や誇りを守るためにも、正当な処遇、貢献に見合った手当の確保について、国には早急に着手してもらう必要がある」と指摘した。

さらに、コロナ禍が明らかにした医療提供体制のぜい弱性や看護職の人材確保の困難さについて、原因の明確化や是正の必要性を指摘。「平時から看護職員の配置が十分にあってこそ、緊急事態でも的確に対応できる体制が確保できる。このような看護提供体制の根幹に関わる政策を推し進めるべく、引き続き、国に対して強く要望していく」とした。

本年度の重点政策・重点事業については政策の継続性の観点から、昨年度の5つの重点政策を踏襲。加えて、災害や感染への対応など、地域の健康危機への対応体制の強化も重点政策に位置付けて取り組むことを説明した。

また、新型コロナウイルス感染拡大が続く中で重要性が増している、人々の日常的な健康管理・さまざまなレベルでの健康増進に、看護が主体的に役割を果たす体制・仕組みの醸成にも力を注ぐとした。日本での取り組みが6月末で終了する「NursingNowキャンペーン」については「ことし1月に共有した『NursingNowニッポン宣言』を踏まえ、若手看護職のリーダーシップ力や政策に関与する力の育成など、看護界が一丸となって今後取り組んでいけるよう、しっかりとつなげていきたい」との考えを述べた。

東京オリンピック・パラリンピックに対する本会の考え方も説明した。4月に組織委員会から、大会期間中の医療スタッフの派遣協力依頼があり、依頼内容を都道府県看護協会と共有して看護職確保の協力依頼を行ったことを説明。さまざまな意見があることは承知をしているとした上で「オリンピック・パラリンピックが開催され、人々が集うのであれば、そこには看護を必要とする人が必ずいる。その事実を目の前に、看護職として、それらに応える準備は必要であると考えている。医療提供体制やワクチン接種体制に影響しないことが大前提であることは言うまでもない。協力できる範囲での対応、いまできること、可能なことをするというスタンスで、看護の使命を念頭に、揺らぐことのない対応をしていきたい」との考えを示した。

最後に、福井会長は「1年半近く続く、このような危機的な状況になってようやく、看護職の果たす役割の大きさと重要性に光が当たるようになった。苦しい時間は続くが、この機運を捉え、世論の後押しも得ながら、看護が一層の力を発揮できるより良い制度、環境を築いていくため、しっかりと看護の力を集結してまいりましょう」と結んだ。

議決事項のうち、本会と都道府県看護協会が15人を推薦した第一号議案「名誉会員の推薦(案)」は承認され、第二号議案「2021年度改選役員及び推薦委員の選出について」では推薦委員会推薦候補以外に立候補はなく、代議員の投票および議決権行使書に基づき、候補者全員が選出された。報告事項では令和2年度の事業と決算および監査の報告と令和3年度の重点政策・重点事業ならびに事業計画と資金収支予算および収支予算が報告された。

  • 通常総会の詳細や6月10日に開催された全国職能交流集会については、本紙7月号に掲載予定。