お知らせ

協会ニュース 2020年4月号

新型コロナウイルス感染症

「現場の負担軽減へ最大限の取り組み」日本看護協会会長 福井トシ子

理事会の冒頭であいさつする福井会長
4月3日の記者会見で国民に協力を呼び掛ける福井会長

今般の新型コロナウイルス感染症により、7都府県に緊急事態宣言が発令されるなど、国民生活に大きな影響が及んでいます。

新型コロナウイルス感染症対応が、長期に及ぶことが予想され、日々、最前線で感染予防やケアにあたり、最善を尽くして医療を支える会員、看護職の皆さまに心から敬意を表します。日本看護協会として看護現場の人材確保や感染防護用具等の確保、医療者への偏見への対応など、現場の負担が軽減されるよう、都道府県看護協会と連携して最大限の取り組みを進めていきます。

♦現状について

感染症患者を受け入れると、その対応に人員を増やさなければならないため、一般の患者への医療提供に負荷が掛かり、感染症患者を担当していない看護職にも多大な業務負荷が掛かっています。感染者が院内で発生すると、外来診療がストップしたり、医療従事者がPCR検査を受けたりするため院内の機能を弱めざるを得ず、そうした中で、看護職は自身が感染するのではないかというリスクを抱えながら、業務に従事されています。看護職の妊婦も同様に業務に従事せざるを得ない状況があり憂慮しています。

保健所保健師など自治体の保健師業務も多岐にわたっており、もともと保健所保健師の配置が少ないことから、保健師の疲弊も増しています。

これらの状況に対応するため、国への要望や、都道府県看護協会との連携、相談対応等を行っています。

未知のウイルスによる感染症では、①疾病を引き起こす生物学的感染症②「不安や恐れ」を生じさせる心理学的感染症③不安や恐怖が生み出す「嫌悪・差別・偏見」が行動となって現れる社会学的感染症、この3つの感染症を引き起こすと言われています。誰もがこの3つの感染症の影響を受けますが、その影響を最も強く受けるのが看護職です。

これらの感染症が与える影響を考慮に入れながら新型コロナウイルス感染症の対応者へのサポート体制を構築していくことが重要です。

4月3日に開いた記者会見において、国民の皆さまに、医療崩壊を防ぐため、新型コロナウイルス感染症の集団発生防止に向けて、3つの密である「多数が集まる密集場所」「換気の悪い密閉空間」「間近で会話や発声をする密接場面」を避けるための行動をお願いするとともに、新型コロナウイルス感染症による患者が入院した病院の看護職のお子さんが保育園への登園を拒否された相談事例等を紹介し、看護職がこれ以上の負担を負うことがないよう、国民の皆さまに理解を呼び掛けました。

♦看護職の皆さまへ

世界中の人々から予想外の形でわたしたちの職業が注目を集めています。世界中の悲劇的な流行により、かけがえのない看護の働きが明らかになっています。第3の感染症で「嫌悪・差別・偏見」がありながらも、多くの国民は全国で活躍する看護職の皆さま、最前線で活躍する皆さまにエールを送っています。

今年は図らずも、ナイチンゲール生誕200周年。疾病の歴史は、ウイルスとの戦いの歴史でもあります。世界の感染管理の礎を築いたのも、ナイチンゲールです。ベッドの間隔を空けること、換気をすること、誰もが感染源になり得るという考えのもと、すなわちユニバーサル・プリコーションの考え方もナイチンゲールは、教えてくれました。ナイチンゲールが培ったものが今に引き継がれ、看護の真の力が認知されています。ウイルスという見えない敵と戦っていますが、患者や利用者には、自信と誇りを持って、向き合ってまいりましょう。

♦看護職の確保と復帰支援

本会では、人員の不足への対応のために看護職の確保と復帰支援を行っています。感染が拡大すれば、一層の看護職が必要となります。本会では国、都道府県、都道府県看護協会と連携し、「看護職人材確保における関係機関の連携体制」を構築し、医療機関等における看護職の人材確保対策を実施しています。

仕事に従事していない看護職へお知らせください。医療現場である病院・診療所、介護施設のみならず、保育所、学童保育所、小中学校などで看護の経験を生かすことができます。ぜひ、復帰をお願いいたします。さまざまな場で看護が必要とされています。

復帰に際しては、知識や経験、離職期間などを考慮し、看護職の持つスキルに合わせてナースセンターがマッチングします。医療機関ですぐに最前線の看護職と同様の業務を行うというよりは、まずは補助的な業務を担っていただきたいと考えています。フルタイム勤務でなくても相談に応じることができます。

♦さいごに

国に向けては、すでに厚生労働大臣や内閣府全世代型社会保障改革担当大臣などに、要望書を提出しており、引き続き看護職の人材確保や新型コロナウイルス感染症対策に必要な要望を行ってまいります。

ナイチンゲール生誕200周年にあわせ、世界中で展開されているNursing Nowキャンペーン。看護の力で健康な社会への実現に貢献してまいりましょう。

看護職を対象とした新型コロナウイルス感染症に係る相談窓口を開設

日本看護協会は4月20日(月曜日)から、保健医療福祉の最前線で新型 コロナウイルス感染症の予防やケアにあたる看護職の皆さんからの相 談に、総合的に対応する相談窓口を開設します。

4月上旬に開設した感染予防相談窓口は、20日以降、上記の総合窓口と統合します。

  • 【名称】
  • 新型コロナウイルス感染症に関する看護職の相談窓口
  • 【設置時期】
  • 4月20日(月曜日)〜
  • 【対象】
  • 看護職
  • 【相談区分】
  • ①感染管理②働き方③メンタルヘルス④その他

そのほかの新型コロナウイルス感染症に関する相談窓口

新型コロナウイルス感染症予防および対策に関する資料

  • 【資料】
  • 「感染予防の基本」(全77ページ)