お知らせ

協会ニュース 2020年1月号

Nursing Now展開し、社会のニーズに応える

【年頭所感】

日本看護協会会長 福井 トシ子

日本看護協会会長 福井 トシ子

謹んで新年のごあいさつを申し上げます。

ことしは、近代看護を築いたフローレンス・ナイチンゲールの生誕200年であり、日本では「看護の日・看護週間」制定30周年という節目の年です。また、世界保健機関(WHO)が「看護師・助産師の国際年」と制定した記念すべき年でもあります。人々の健康な生活を実現するため、これまで以上にさまざまな取り組みに励んでまいります。

ナイチンゲール生誕200年を迎えるにあたり、2018年に英国から始まったNursing Nowキャンペーンが世界的に展開されています。Nursing Nowは、看護の価値を多くの人に理解してもらい、看護が持つ力を十分に発揮することで、人々の健康に貢献するためのキャンペーンです。WHO および国際看護師協会(ICN)の賛同の下、始められた世界的な活動で、昨年11 月時点で、世界108カ国、420のグループがキャンペーンに参加しています。日本看護協会も国内の29に上る看護系の団体と連携・協力し「看護の力で健康な社会を!」をテーマに掲げ、Nursing Nowキャンペーンに取り組んでいます。

SDGsの3目標へ取り組み方針

Nursing Nowのきっかけとなった英国のグローバルヘルスに関する議員連盟が作成した「トリプル・インパクト」報告書においては、看護が発展することは、国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」の17の目標のうち、3つの目標(目標3:すべての人に健康と福祉を、目標5:ジェンダー平等を実現しよう、目標8:働きがいも経済成長も)の達成に貢献すると結論付けています。

SDGsのこれらの目標が本会使命と合致することから、SDGsの3つの目標の達成に向けた取り組み方針を設定してNursing Nowキャンペーンに臨んでいます。

まず、SDGs目標3(すべての人に健康と福祉を)については「住民の健康を支える看護モデルの確立」を組織目標としました。現在、日本においては、全世代型の地域包括ケアシステム、さらには地域共生社会の実現が急がれています。人々の健康な生活を実現するためには、看護職が住民の身近な専門職として、①健康意識の向上②健康の維持・増進③疾病の重症化予防などを実践できることが重要であることから、広く地域に普及するためのモデルを確立することに取り組んでいます。

次に、SDGs目標5(ジェンダー平等を実現しよう)との関係では、「可能性の拡大:より自立した専門職へ」を目標に掲げています。女性の働き方について、先駆的に取り組んできた経験と実績を生かし、今後は女性に限らず専門職としての可能性を広げていくことで、看護があらゆるジェンダーにとって魅力的な仕事とすることを目指します。

さらに、SDGs目標8(働きがいも経済成長も)については、「看護職のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の推進」を目標に掲げ、本会の基本理念である「看護職が働き続けられる環境の推進」はもとより、適正な評価と賃金モデルの普及を目指すなど、看護職の働きがいと社会経済の発展に寄与することを目指してまいります。

ことし一年、Nursing Nowキャンペーンを展開することにより、看護職が一丸となって社会のニーズに取り組む機運を一層高め、看護の足跡を残せるようにしたいものです。

国民の皆さま、他の医療職の皆さまのご理解とご支援の下に、看護職全員で本キャンペーンに取り組んでまいりましょう。