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協会ニュース 2019年7月号

厚生労働大臣へ要望書 ナース・プラクティショナー(仮称)制度などを求める

根本厚労大臣(右)に本会の要望事項4 点を説明する福井会長
根本厚労大臣(右)に
本会の要望事項4 点を説明する福井会長

日本看護協会は7 月4 日、根本匠厚生労働大臣に、2020 年度予算・政策に関する要望書を提出した。地域包括ケアシステムの構築が進む中、看護職は多職種と連携しつつ、急性期から在宅医療までさまざまな場で、タイムリーかつ的確な医療の提供や、生活の質の視点を持った患者への支援など活動が多様化・高度化することを踏まえ4つの要望事項を根本大臣に訴えた。

その1 つがナース・プラクティショナー(仮称)制度に関する検討の場の設置だ。これは、米国などにおけるナース・プラクティショナー制度のような、医師の指示を受けずに一定レベルの診断・治療などを行うことができる新たな国家資格を指すものだ。

 

福井トシ子会長は離島やへき地といった医師の確保が困難な地域では、既に米国などのナース・プラクティショナー制度の創設のニーズがあることを紹介した。その上で「タスク・シフティングに関する議論が進められる中で、この制度に関する検討の場を設置してほしい」と訴えた。

本会の要望を受け、根本大臣は「タスク・シフティングの議論の中で、このような看護師の役割についても考えていかなければいけない」と応じた。

本会は同制度の創設に向けて、2017 年度から重点事業として取り組みを進めてきた。18 年度にはNP教育課程修了者の活動成果に関するパイロット事業を6 施設の協力を得て実施。その結果、NP 教育課程修了者は大学院で修得した知識や判断力を生かし、患者・利用者へのよりタイムリーな対応が可能となっており、患者・利用者のアウトカムに貢献していることなどが示された。一方で、現在の仕組みの下では、薬剤を用いたタイムリーな症状の緩和など対応できない患者・利用者の医療ニーズがあることも明らかとなった。

 

「訪問看護体制の推進(「訪問看護推進総合計画」の策定)」については、福井会長が2025 年までに訪問看護従事者が約12 万人必要という国の推計に言及し「スピードアップしないと間に合わなくなる状況にある」と述べ、国として早急に対応することを根本大臣に求めた。

要望書の内容は本会HP「要望書・意見書」で公開している。

  • 根本厚労大臣への要望事項
    • 看護師基礎教育の4 年制化の実現
    • 訪問看護提供体制の推進(「訪問看護推進総合計画」の策定)
    • ナース・プラクティショナー制度に関する検討の場の設置
    • 看護師等の人材確保の促進に関する法律および基本指針の改正