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協会ニュース 2019年5月号

2020年度予算 厚労省・文科省へ要望
看護師基礎教育4年制化、ナース・プラクティショナー制度など求める

吉田医政局長に要望書を手渡す福井会長(右)
吉田医政局長に要望書を手渡す福井会長(右)

日本看護協会は、厚生労働省と文部科学省の各局に来年度の予算・政策に関する要望書を提出した。福井トシ子会長らが各局を訪問した。

厚労省の吉田学医政局長には4月26日、重点要望事項である「看護師基礎教育の4年制化の実現」「訪問看護提供体制の推進(「訪問看護推進総合計画」の策定)」「ナース・プラクティショナー制度に関する検討の場の設置」「看護師等の人材確保の促進に関する法律および基本指針の改正」の4項目を含む、10項目について必要な予算確保などを求めた。

このうちナース・プラクティショナー制度の創設について、吉田医政局長は医師の働き方改革に関する検討会の報告書でタスクシフティングやナース・プラクティショナーについて言及されたことを前提に「(看護師による)医師の(業務の)肩代わりではなく、それぞれの関係職種の業務について考える場を作りたい。専門職能がそれぞれに頑張れるよう取り組みたい」と述べた。その上で「(看護師は医療職種の中で)ボリュームゾーンであり、(ナース・プラクティショナー制度創設が)かねてからの要望であることは承知している」と付け加え、看護師の重要性にも理解を示した。

各局に提出した要望は以下の通り。

  • 厚労省 吉本明子人材開発統括官(4月15日)
    人材開発支援助成金の基本要件への「看護師特定行為研修」の位置づけ
  • 文科省 永山賀久初等中等教育局長(4月15日)
    学校での医療的ケアの安全な実施のための体制整備
  • 文科省 伯井美徳高等教育局長(4月24日)
    大学・大学院における質の高い看護学教育課程の推進
  • 厚労省 宇都宮啓健康局長(4月25日)
    大学・大学院における質の高い看護学教育課程の推進
    ①自治体保健師の計画的な人材確保および適切な配置の推進 ②市町村の統括保健師の配置および人材育成計画の策定の推進
  • 厚労省 吉田学医政局長(4月26日)
    ①看護師基礎教育の4年制化の実現 ②訪問看護提供体制の推進(「訪問看護推進総合計画」の策定) ③ナース・プラクティショナー制度に関する検討の場の設置 ④看護師等の人材確保の促進に関する法律および基本指針の改正 ⑤准看護師制度に関する課題解決 ⑥「特定行為に係る看護師の研修制度」の活用推進について ⑦看護職確保が困難な施設の確保推進に向けたナースセンターの機能強化 ⑧看護職の確保・質向上のための資格管理体制の構築に向けた検討 ⑨看護職の業務の効率化の取組みの推進 ⑩安全・安心な出産環境の確保
  • 厚労省 橋本泰宏障害保健福祉部長(5月9日)
    精神保健福祉施策の推進・充実に向け、採用による保健師の人材確保
  • 厚労省 小林洋司雇用環境・均等局長(5月9日)
    ①介護のために所定労働時間を短縮する制度の義務化 ②育児・介護両立支援取組み事業所への助成対象の拡大 ③医療分野における顧客(患者・利用者・家族)からのハラスメント防止対策の推進