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協会ニュース 2019年2月号

看護基礎教育検討会 将来担う看護師養成に必要な単位数を

単位数の積み増しを訴えた井伊副会長(左)

1月30日、厚生労働省は第7回看護基礎教育検討会を開催し、日本看護協会から構成員として井伊久美子副会長が出席した。この日の会合では、保健師・助産師・看護師・准看護師の各ワーキング・グループ(WG)での検討状況が報告された。

看護師養成100 単位以上に

看護師WGでは、「看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン」の見直しに関する検討が進められている。実習施設の確保が難しい状況などから、臨地実習の単位数を現状維持とし、総単位数を98単位(現行単位数から1 単位増)とすることを含む9つの見直しの方向性が報告された。

将来を担う看護師には、より高い能力が求められるため、同検討会では基礎教育のレベルを引き上げる方向で議論されてきた。井伊副会長は、これまでの検討経緯を踏まえ「充実すべき教育内容を検討会でいくつも合意した。しかし、WGが提案した総単位数の1単位増では、これらに対応できない。必要な単位の大幅な積み増しを検討すべき」と検討会の方向性に沿った提案をするようWGに求めた。

実際に、看護師養成所(3年課程)の7割以上が指定規則を上回る単位数を設けており、その平均が約100 単位。加えて、カリキュラム外の補習や演習を行っている現状も踏まえ「100単位以上にすべき」と、WGであらためて検討することを求めた。複数の委員からも臨地実習などを充実させる観点から、単位を増やすべきとの声が挙がった。

専門分野Ⅰ、専門分野Ⅱ、統合分野を「専門分野」にまとめる案についても、井伊副会長は「そもそも枠組みは変えないと検討会で合意していたはず」と指摘した。

報告書取りまとめは今夏を予定

保健師・助産師WG でも、ガイドライン見直しの方向性について検討が行われ、その状況が報告された。いずれのWGでも単位増を求める意見が多いことが紹介され、検討会の構成員も多くが見直しの方向性に賛意を示した。

准看護師WGは、実践能力と卒業時の到達目標案の検討状況を報告。今後、検討会の意見を踏まえ、各WGで検討が進められ、夏ごろに検討会で報告書が取りまとめられる予定だ。