お知らせ

協会ニュース2018年4月号

平成30年度 通常総会提出議題特集  6月12日 神奈川県・パシフィコ横浜

生きるを、ともに、つくる。

日本看護協会会長  福井  トシ子

日本看護協会は昨年、創立70周年を迎えました。地域包括ケアシステムの構築が進められる中、医療と生活の両方の視点を持つ看護職への期待は、さらに高まっています。

70周年を迎えるに際し、看護職の役割と看護協会としての決意を伝えるタグライン「生きるを、ともに、つくる。」を策定しました。全ての看護職、共に保健・医療・福祉に関わる専門職、地域で暮らす人々、そして社会全体と広く共有し、本会と一人一人の看護職が、これまで以上に役割を果たしていくことにつなげたいと思っています。

平成30年度重点政策・事業

本会は、看護師基礎教育の4年制化を強く要望しています。本年度は、他の医療職、行政・政策関係者、国民も含んだ合意形成を図り、保健師助産師看護師法改正を目指した国への働き掛け、看護基礎教育における課題の解決などを進めます。

看護職に求められる役割を果たすには、准看護師制度は教育内容・時間ともに不十分であり、養成停止を目指す方針に変わりはありません。一方で、看護師との役割や教育の違いを踏まえて、業務分担の在り方などの課題の解決にも取り組んでいます。現在就業中の准看護師の皆さんに対する奨学金制度の活用などの進学支援にも引き続き注力します。

地域包括ケアにおける看護提供体制の構築

本会では、2025年の訪問看護ステーションの就業者数を約15万人と見込んでおり、地域の需要に応えるため、訪問看護師の確保・倍増戦略の検討を行います。

地域包括ケアシステムの推進には、看護管理者と管理・統括業務に携わる行政保健師の役割が大きく、両者の課題の共有、連携強化に着手します。

「看護の将来ビジョン」で示したように、地域包括ケアシステムは、療養する高齢者だけでなく、子どもを産み育てる人々、子どもたち、障がいのある人々などを含む全ての人々の生活を地域で支えるものです。妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援と、近年増加しているNICU/GCU 退院児に対し、看護師・助産師・保健師が連携し、在宅への移行・療養を支援する看護の機能強化、安全・安心な出産環境の体制整備の推進にも取り組みます。

看護職の働き方改革の推進

病院における看護職が働き続けられる職場づくりは成果が見られる一方で、夜勤従事者の確保などの課題も明らかになっています。政府の「働き方改革」は絶好のチャンスです。夜勤・交代制勤務の負担軽減に向け、看護労働に対する適正な規制の実現を目指します。また「看護職の健康と安全に配慮した労働安全衛生ガイドライン」「病院で働く看護職の賃金のあり方」の普及も図ります。

ナースセンターは機能を強化し、地域に必要な看護職確保の推進策の検討や、「看護職員の多様なキャリアと働き方実態調査」のデータに基づくキャリア支援も検討します。

看護職の役割拡大の推進と人材育成

本会は、現行の認定看護師制度に特定行為研修を組み込み、再構築する方針を組織決定しました。この方針に沿って制度設計を進め、教育研修体制を明確化します。制度変更の趣旨と内容は、関係者の合意を得ながら丁寧に進めます。

同時に、特定行為研修の受講者と指定研修機関の増加への支援も行います。また、関係者の合意形成を進め、ナース・プラクティショナー(仮称)制度構築に向け取り組みます。

看護職には、それぞれの地域で患者やそこで暮らす人々のニーズに応え、地域包括ケアシステムの一翼を担うことが求められています。

医療・看護政策は地域の時代です。本会は都道府県看護協会と連携し、看護職が地域で役割を果たすために、地域に応じた政策の推進を支援し政策力強化に力を尽くします。

日本の医療・看護の方向性、日本看護協会や会長としての在り方など、会員の皆さんとも意見を交わしながら精力的に2 年目を過ごしたいと思っています。ご協力をよろしくお願い申し上げます。